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3CLプロテアーゼ阻害剤はウイルス複製に必要な酵素を阻害する

 塩野義製薬は、軽症、中等症の感染者69人を対象とした臨床試験で、「速やかにウイルス力価およびウイルスRNA量を減少」させ、「ウイルス力価の陽性患者割合をプラセボ群と比較して約60~80%減少」させたという。

 まずは薬効は。抗ウイルス薬の薬効の指標となるEC50(薬物の最大効果濃度の50%濃度)は、パキロビッドパックは78ナノモルに対し、S-217622は310~500ナノモルもある。EC50は、数字が低い方が効果が高いと。

 他方で、臨床医にとって使いやすいのは圧倒的にS-217622だ。最大の長所は、パキロビッドパック(ファイザー)と違い、併用禁止の薬剤がないことだ。実は、パキロビッドパックは使いにくい。それは、主成分のニルマトレルビルの濃度を上げるために、リトナビルを併用しているからだ。リトナビルは、ほかの併用薬の濃度も上げてしまうため、厚労省は32種類の薬剤の併用を禁じている。その中には降圧剤などありふれた薬も含まれる。パキロビッドパックを処方するたびに、このような薬剤を休薬しなければならないのだから、面倒だと。

 では、どちらを使うのか。現状では、「エビデンス」が多い、パキロビッドパックに分があると。昨年11月、ファイザー社は重症化リスクのある外来患者774人を対象とした第3相臨床試験の結果を発表した。この試験では、パキロビッドパック投与により、入院や死亡のリスクが89%も低下したと。

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