新型コロナ“国産ワクチン”…誕生はいつ?生き残り戦略と開発の現在地は
イチから日本製として開発・製造される“国産ワクチン”は、いまだ誕生していない。海外製に大きく後れを取った国産ワクチンはどう生き残るのか、取材した。
■差別化を目指すKMバイオロジクスの戦略
製造だけでなく、開発から日本企業が手がけている“国産ワクチン”の開発状況はどうか。KMバイオロジクスは、今月にも、開発中の新型コロナワクチンの最終段階の臨床試験に入ると発表した。承認申請は、今年9月を目指すという。開発するのは、インフルエンザなどで日本人にも昔からなじみのあるタイプの「不活化ワクチン」だ。
「mRNAワクチンは素晴らしいワクチン。でも、リスク&ベネフィットを考えると、重症化しない低年齢層に、副反応の大きいワクチンが必要なのか?という話になる」
KMバイオロジクスは、開発するワクチンの対象年齢を「40歳未満」に絞って承認申請を目指すという。
臨床試験で、高齢者の層では中和抗体の量が十分に上がらず40歳未満の層で有効性が確認されたことに加えて、すでにファイザー製やモデルナ製といった海外製ワクチンを打った人が多い高齢者よりも、あえて接種率の低い若年層を対象にする方が需要が見込めるとの狙いだ。
学生や働く世代の接種率が高齢者ほど伸びない背景を、高熱などの副反応が大きいことが要因だと考えてのことで、mRNAワクチンのタイプにアレルギーがある人に加えて、こうした強い副反応を懸念する人たちをターゲットに、不活化ワクチンの活路を見出しているのだ。
■国内初の5歳未満も対象の“小児ワクチン”
KMバイオロジクスは、同時に新たに“小児ワクチン”の開発も始め、今月から臨床試験に入ると明らかにした。
“小児ワクチン”の臨床試験は、6か月以上18歳未満が対象で、開発に成功すれば、5歳未満の子どもを対象としたワクチンとしては、国内初となる。
不活化ワクチンは、これまで肺炎球菌ワクチンなどで赤ちゃんの接種に使われていたため、受け入れられやすいと見込んでいるということで、こちらは年内の承認申請を目指す。
イチから日本製として開発・製造される“国産ワクチン”は、いまだ誕生していない。海外製に大きく後れを取った国産ワクチンはどう生き残るのか、取材した。
■差別化を目指すKMバイオロジクスの戦略
製造だけでなく、開発から日本企業が手がけている“国産ワクチン”の開発状況はどうか。KMバイオロジクスは、今月にも、開発中の新型コロナワクチンの最終段階の臨床試験に入ると発表した。承認申請は、今年9月を目指すという。開発するのは、インフルエンザなどで日本人にも昔からなじみのあるタイプの「不活化ワクチン」だ。
「mRNAワクチンは素晴らしいワクチン。でも、リスク&ベネフィットを考えると、重症化しない低年齢層に、副反応の大きいワクチンが必要なのか?という話になる」
KMバイオロジクスは、開発するワクチンの対象年齢を「40歳未満」に絞って承認申請を目指すという。
臨床試験で、高齢者の層では中和抗体の量が十分に上がらず40歳未満の層で有効性が確認されたことに加えて、すでにファイザー製やモデルナ製といった海外製ワクチンを打った人が多い高齢者よりも、あえて接種率の低い若年層を対象にする方が需要が見込めるとの狙いだ。
学生や働く世代の接種率が高齢者ほど伸びない背景を、高熱などの副反応が大きいことが要因だと考えてのことで、mRNAワクチンのタイプにアレルギーがある人に加えて、こうした強い副反応を懸念する人たちをターゲットに、不活化ワクチンの活路を見出しているのだ。
■国内初の5歳未満も対象の“小児ワクチン”
KMバイオロジクスは、同時に新たに“小児ワクチン”の開発も始め、今月から臨床試験に入ると明らかにした。
“小児ワクチン”の臨床試験は、6か月以上18歳未満が対象で、開発に成功すれば、5歳未満の子どもを対象としたワクチンとしては、国内初となる。
不活化ワクチンは、これまで肺炎球菌ワクチンなどで赤ちゃんの接種に使われていたため、受け入れられやすいと見込んでいるということで、こちらは年内の承認申請を目指す。