maidoの”やたけた”(ブログ版)

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49-ED BARRAR-04-U.S.A.1964-No.49(8/2)

2022-06-03 15:40:17 | 虚々実々-U.S.A.-1964

スタッフ活動開始

達成感のないままトイレを出て、一旦テントに戻ってしばらくすると、ラッパの音がします。
さては国旗掲揚か?メロディーが夕方と違うような気がしますね。
急ぎ足で国旗掲揚柱の方へ言ってみると、やはりそうでした。
食堂の小熊小父さんがラッパを吹いて、ボスとリックが直立不動で敬礼、バードというもう1人の Ranger のスタッフが国旗を揚げています。
どうやらこの4人が国旗の上げ下げのメンバーのようです。

食堂が開くので、朝飯を食いに食堂へ行きました。
パンケーキ2枚10¢バター・ジャム・シロップ付け放題、紙パックのミルク5¢。
最低のサイドジョブが1日5$だそうですから、パンケーキ100枚分?
はて、安いのか高いのか?
ボブはパンケーキを4枚重ねて、ダボダボとシロップをかけて、食べています。
2枚買って、バターを載せて無料のコーヒーを手に隣に陣取りました。

「スコップを借りたいんだけど」
「スコップってなんだい?」
「地べたを掘る道具、小さなショベル」
「アァ、スクープか!」
又もや、カタカナが通じませんねぇ・・。
スクープ?ショベルが通じてスコップが通じないとはどういうことなのかなぁ?
「Honey にあるからリックに言えば貸してくれるよ」
「スクープが何だって?」と丁度リックが入ってきました。
「貸して欲しいんです」
「ちょっと待って」と出て行ったかと思うと手に持って来ました。
ロバのエドの運動場を掃除していたそうです。
「もう、使わないからそのまま持って行って良いよ。他にもあるから、それは君のテントに置いておけばいいさ」
上手くいきましたね。

朝飯を食べると、雰囲気が盛り上がってきたので、スコップ片手に、朝のお勤め再挑戦。
自分のテントから少し森に入ったところに適当な藪がありました。
いつも日本の山でしているのと同じように穴を堀りにかかったんですが、土がフワフワ。
掘り易いのはありがたいんですが、縁が崩れやすいんです。
足を踏ん張るところに、適当な石でも崩れ止めに置きたいところなんですが、石ころが全く見当たらないんですね。
事態はいよいよ切迫してきたので、なるべく土を崩さないようにそっとしゃがんだんですが、ボロボロと崩れて行くんです、まるで蟻地獄。
足を置いている場所をジリジリと広げていると、股裂き状態で姿勢がドンドン不安定になって行きます。
まるで土俵入り、スコップに取りすがって、何とか済ましたものの、これは次回から何か方法を考えないと、自分のナニの上にあえなく転落しかねません。
大き目の穴の上に丸太を2本並べて、その上に乗るのが良いでしょうね。

爽やかになったところで Tanaka さんの Troop 7 に出勤。
朝ご飯の真っ最中。
コーンフレークみたいなのにミルクをかけて食べています。
日本のキャンプでは先ずお目にかからない朝飯ですね。

Rope Work は 子供達が皆持っているハンドブックに載っている結び方を教えるだけ。
結び方といってもそんなに特殊なのは無いし、名前がわからなくても絵が描いてあるから楽勝です。
しかもごく初歩的な、一結び、二結び、本結び、八の字結び、一重つぎ、もやい結び。
ケマン結び、とかトンボ結びなぞという難しいのは全くなし。
先ず見本を見せて、後は各自で練習、自信が出来たら見せにきて、私の目の前で結んで、OKなら Tanaka さんが本にチェックしてサイン。
2時間ほどで予定終了、昼ご飯の準備は11:00からなのだそうで、皆んなでお散歩に行くことにしました。

この辺りの森は、下草があまり茂っていないので、道でなくても何処でも歩けます。
あまり植物の種類は多くないみたいです。
Woodside troop 159 へ行くとクリスが丸太縛りの講習をしていました。
Tanaka さんが「君、あんなのも出来ますか?」と聞くので、
「もちろん!」と言うと、昼からのプログラムは縛材講習に決定。
そうなると丸太を調達しなければなりません。
クリスに訊くと「この方角に10分ほどのところにいくらでもある」というので、急遽お散歩は丸太運びに変更です。
なるほど、森の一角に太枝や若木を切ったのが積んで有ります。あまり太いのは避けて適当なのを子供2人に1っ本ずつ運ばせます。
私はトイレの足場用のを調達。

昼ご飯は、何かと思えばサンドウィッチなんだそうです。
どうもキャンプらしい料理が登場しませんね。
1人に山形食パン2切れ、野菜を洗って適当に切って、腕より太いソーセージの薄切りをはさんでお終い。
飲み物はパックに入ったオレンジジュース。
これなら火を燃やす事も無く、アッと行う間に出来ます。
「一緒に食べよう」とさそってもらったので、ありがたくご馳走になりました。

Tanaka さんはサン・マテオで会計事務所(?)を開いているんだそうです。
1週間もキャンプに来て、仕事は大丈夫なんでしょうか?
「これが私のサマー・ホリディの半分さ。残りの半分は今月の末に家族みんなで旅行に行くんだ。」
ヘ~、優雅ですねぇ。
「あのかまどの側に居るのが私の上の息子さ、娘と下の息子は家内と明後日(8/4)遊びに来るよ」
「日帰りですか?」
「いや、Murphys の町に一泊して、翌日はヨセミテへ寄ってかえるんだよ」
ヨセミテ!行って見たいですね。

一息入れて、さて縛材の講習会。
日本なら盆踊りの櫓や、御神輿の組み立てなんかでおなじみの丸太縛りですが、アメリカではどうなんでしょうか?
Tanaka さんにハンドブックを見せてもらうと、見覚えのある吊橋や物見台の絵が有ります。
幸い大きな木が生えているから、木から木への「吊橋もどき」が良いだろう。
夫々の橋脚を立ち木に縛り付ければ、こける気遣いはないし、高さを少し低くすれば安全だ、と意見がまとまりました。
これなら、三脚の大きいのを2組作るだけです。
早速丸太の寸法合わせ。
アメリカにはナタは無いんですねぇ。
斧か・・・、斧は馴染みが無いなぁ。
こんな事なら、ナタを持って来るんでしたね。

Tanaka さんが組み立て式の鋸を取り出しました。
これがシャクシャクと恐ろしいほど良く切れる。
ひょっとしたら、この丸太は根性無しか?と心配になって、引っ叩いてみたら結構、力のある音がします。
どうやらスギ程度の丈夫さは充分あるようです。
と言う事は鋸の切れ味が素晴らしいんですね。
皆を集めて先ず一ヶ所角縛りのお手本を見せます。
紙箱を開いた大きなボール紙に、Tanaka さんがハンドブックの絵を拡大して描いた設計図を基に、子供達が丸太に群がって、その賑やかな事。
養鶏場にイタチが殴り込んだような大騒ぎです。
Tanaka さんも指導するのを忘れて、アアでも無い、コウでも無いと熱中しています。
3時間ほど掛かって完成!

先ず Troop Master が渡り初めです。
「チョッと待ってください」と、リボン代わりにトイレットペーパーを登り口に渡して、ポケットナイフでテープカットをしてもらいました。
子供達の歓声に、吊橋の真中で手を振って答える Tanaka さんは本当に得意そうです。
一度に渡ると危ないので、身長の順に子供達を並べて、1人ずつ渡します。
これでは夕飯の支度が間に合わないので、此処は Tanaka さんに任せて、私が全員の夕食作りに取り掛かりました。

今夜の献立を訊くとシチューとマメ。
シチューはクーラーボックスの中の紙箱にに材料を纏めて入れてあるから、それを全部使ってくれとの事。
見てみると日付を描いた紙箱に、肉の塊とタマネギ、人参、ジャガイモ、何だか見たことのない葉っぱと、きれいに盛り付けたシチューの写真が印刷された袋が6つ入っています。
水の量をパイントとかガロンで書かれると、どうもピンとこなくて不安です。
所々わからない単語もあるので、余計に自信が持てませんねぇ。
なんだかシチューの素が多すぎるような気もするなぁ。
鍋を6つ並べて片っ端から適当に切った材料を放りこんで、水を入れてカマド2つに鍋を3つずつかけて、後は火をドンドン燃やすだけ。
煮えたところで、袋を開けてシチューの素を入れてと、ものの1時間もしないで完成です。
マメは缶を開けて火の側において、暖めるだけ、とは言うものの、焦げると不味いので、放って置けません。
時々、かき混ぜて、ついでに味見。
大豆のようですがそれにしては大粒過ぎるような?
薄い塩味がついていて癖の無い味ですね。
シチューの方も、丸い泡がボコボコ出て煮えたぎっています。
かなりトロミが有るなぁ。
ヒョットしたら分量が違ったか?

吊橋のほうは、お互いに写真を写したりして、まだまだ大盛況。
いやに人数が多いと思ったら、クリスや Troop 159 の子供達も来ています。

子供たちは自分たちが作った吊橋に「Seven's Bridge」とボール紙の名札をかけて自慢気です。

興奮が少し納まったようなので「食事が出来てますよ」と言うと、
「勿論一緒に食べてくれるだろ?」
自分の作ったものをイヤとは言えません。
まぁ、見た目はともかく、我ながら中々美味しい!
エラそうな事を言ってますが、シチューの素をブチ込んだだけですから、誰が作っても同じ味に出来るんですよ。


2003/06/08:初出
2022/06/03:再録

50-ED BARRAR-05-U.S.A.1964-No.50(8/2)
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50-ED BARRAR-05-U.S.A.1964-No.50(8/2)

2022-06-03 15:36:48 | 虚々実々-U.S.A.-1964

歌唱指導?

国旗降納の18:00前の早い時間に夕食が終ってしまったので、ミーティングが始まる19:30まで Tanaka さんとお話をしました。
あまり野外活動の経験は無いんだそうです。
息子さんが Troop に入ったので何か手伝う事は無いか?と思っては居たそうですが、まさか Troop Master をすることになるとは思わなかったそうです。
アメリカはBSAの組織が確りしていて、層が厚いので、こういうキャンプ場を利用するのならば、Troop Master は引率者としての仕事に専念して、訓練や、その他の事はスタッフを利用すれば良いんですね。
もっとも、私みたいな、会話もままならない変なスタッフも居るので、安心はできませんねぇ。

「明日の午前中はゲームをしたいんだが、何かアイディアは無いかい?」と訊かれたので、以前日本でやった事がある「人間綾取り」はどうかなぁ?と思って説明しました。
ところが、この説明に苦労しましたねぇ。
早い話、人間一人一人が指の役をして大きなロープの輪で綾取りをするんです。
「そんなのは聞いた事も無い!しかし面白そうだからやってみよう」と簡単に採用されてしまいました。
子供が24人居ますから、指役が10人、ロープをかけたり外したりする役が2人、合計12人づつ2組で丁度うまく行きます。
対抗戦にしたら結構子供たちは大騒ぎで楽しんでくれます。
「じゃあ明日。明日はスクランブルエッグとパンケーキの朝飯だけど、一緒にどう?」
こうなりゃここにどっぷり浸かろうと、朝7:00に来る約束をしました。

食堂 に行くと リックが1人で食事中。
スタッフは全員何処かの Troop で晩御飯にありついているようです。
「どうだい?」
「最高です。楽しんでますよ」
「そりゃ良かった。水曜日にキャンプファイヤーをするんだ。ボブとバードはその準備が有るんで、出来たら明日の午後はサン・マテオ Troop 45 を手伝ってくれないか?」 「Troop 7 は多分大丈夫だと思います。明日 Troop Master に訊いておきます」
と話していると、残りのスタッフが集まって来ました。
水曜日にはいま来ている3つの Troop 合同のキャンプファイヤーをするんですって。
ボブとバードは森の倒木をチエンソーで切って、そのための薪作りをするそうです。

「外国から来たスタッフは珍しいから、何かキャンプファイヤーでやってくれないか?」
エ~ッ!どんなことをしたら良いんでしょう?
「そうだなぁ、日本の歌を教えてやってくれる?」
エライ事になりましたよ。
簡単に言うけれど、選曲が大変です。
まず、歌詞をちゃんと覚えている歌で、意味も簡単でないと、今までの経験では、必ず歌の意味を訊かれるんです。
簡単なメロディーでないと私がうたえませんし、う~・・。
第一、口移しで歌詞がまともに伝わりそうな気がしません。
紙にローマ字で書いて配るか?それは大変ですね・・。
「各 Troop に1枚渡して、後はそれを写させれば良いさ。じゃぁ頼んだよ!」
頼む方は簡単に言いますが、頼まれた方は悩みます。

自分のテントに帰って、知っている歌を片っ端から思い出してみるのですが、元の曲がどうも舶来の疑いがあるのが多いですね。
「星影さやかに・・」みたいに賛美歌をベースにしているのは、具合が悪い。
「アルプス1万尺・・」「雪山賛歌」はまともにアメリカの曲だしね。
いくら困っても軍歌はイカンでしょうねぇ。
そうなって来ると、純日本製の短い曲に中々行き当たりません。
たまに短いメロディーを思い出しても、歌詞の説明が難かしいんですね。
結局残ったのは「富士山」と「海」。
歌詞の簡単明瞭さから「海」に決定。

海は広いな大きいな
月が沈むし、日が昇る

海にお船を浮かばせて、
行って見たいな他所の国

これなら何とかなりそうです。
ボール紙の箱を解体して歌詞カードを書いていると、ボブがやってきました。
ローマ字で書いたのをちゃんと読んでくれるでしょうか?

試しに私が歌詞を言って、ボブに書いてもらいました。
「もう一回言ってくれ」と何度も書いたり消したりした結果、見せてくれたのを見ると、思いもよらないシュールな文字の並びですねぇ。

Woo me what hero in a Oh key now

今度は私が書いたローマ字を読んで貰おうと頼むと「どう読むんだ?」
エッ、私のアルファベットそんなに拙いかな?
「違う!発音は(pronounce)?」
そうか!ローマ字は英語ではないんですね。
ひらかな、カタカナは1字1音ですが、アルファベットは実は違うんですね。
それで、発音記号が要るのか!
残念ながら発音記号で歌詞を書く、なんていう芸当は私は出来ません。
「I」でも「I=アイ」この発音の仲間は「like、yipe(キャァ)、mike(これなんかローマ字ならミケですね)など。「I=イ」のケースは「kick、sick、rib、rich・・・」
そう言えばNIKONをナイコンと呼ぶ人が多いですね。
とにかく読んでみてくれ、と頼んだら、

ユミワハィロイナオキナ
チュカイガシジュムシハィガノォボル

顔面コムラ返りになりそう。
どうした物かと考えたけれど、ローマ字で強行する事にしました。

何やかや話していると、びっくりするような事を言い出しました。
彼は今週末でスタッフのアルバイトを終えて、一旦 Belmont の家に帰って、その後海兵隊に入隊するんだそうです。
Belmont はサンマテオのすぐ南隣の市です。
既に志願(enlist in Marine)して、入隊許可を貰ってるんだそうです。

日本では軍隊というのは判ったような判らない存在で、特に私の年代は親、親戚から聞く悲惨な軍隊と、戦記物や映画で見る軍隊とのギャップが大き過ぎて、グチャグチャになっているんです。
子供の頃、近所で良く見ていた進駐軍と、大阪に爆弾を落とし、叔父貴たちを殺した軍隊とがどうしても同じ物とは思えませんでした。
アメリカの海兵隊は徴兵制ではなく伝統的に志願兵(volunteer=バランティーァ)で組織されているそうです。
志願して満期除隊すると、奨学金(G.I.Bill)が支給されて、大学入学に便宜を図ってもらえるんだそうです。
同じ志願するのなら Marine と決めていたそうです。
Marine の経験者は社会的に評価されるんだそうですね。
けど、Marine ならベトナムに派遣されるのではないか?と訊ねると、可能性は有るけれど、海兵隊でも大部分はアメリカ国内での勤務で、実戦部隊の一部が行っているだけだそうです。
言われてみれば、そうですね、根こそぎ全部ベトナムに行ってしまう筈が無いですよね。
通信を希望していたのが通ったと喜んでいました。
「将来は電気関係のエンジニァーになりたい、除隊したら電気工学の学位を取るんだ」と明るく言うんですが、その前に戦場へ行く可能性があると思うと、人事ながら「良かったな」と手放しで一緒によろこべないですね。

この頃はまだベトナム従軍がマイナスに評価される時代では有りませんでした。
同じ満期除隊でも、海外派遣の実戦部隊は期間短縮の特例が適用されたそうです。
通信部隊ですから、敵とドンパチする事は無いだろうから、ベトナム従軍を志願する積りだと言っていましたが、まさかその後、あのような状態に、アメリカが引きずり込まれるとは、予想もつきませんでした。
結局、ボブは継続志願をして、二期目にベトナムに従軍しました。
主にヘリコプターでの通信任務に付いていたらしく、「神の思し召しめしのおかげで、誰の命を奪う事も無く又一月が過せた、神のお恵みを」と決まって文末に書かれた軍事郵便が、日本に帰った私宛に毎月届きました。
満期の数ヶ月前に帰国してからくれた手紙では「終に海兵隊での勤務中、誰の命をも奪わなくて済んだ。しかしそれは意図して出来た事ではなく、自分を守るために、敵を殺さざるを得ないような状況になって、銃を発射した事もある。その弾丸が敵を殺傷したかどうかは判らない。ただ自分の心の慰めとして、自分が殺した敵はいないと信じたい」と書いて有りました。
その後、フェニックスの大学を卒業し、ベルに就職したのですが、ここ十年来音信が途絶えてしまっています。

サンフランシスコとロスアンゼルスの中間くらいにあるLemoore という所の航空部隊の教育隊に8月の16日に入隊するんだそうです。
21日(土)~22日(日)の Over night 体験入隊にトムが慰問ついでに行く計画なんだそうです。「良ければトムと一緒に来ないか?」というので判らないながらも「行くよ!」と答えました。

「必ず来てくれよ!トムには今晩電話で言っておくからね」と帰って行きました。
体験入隊って何をするんでしょうね?
いずれにしても、トムが一緒なら心丈夫です。

寝るまでに歌詞カードを書いてしまおう!

2003/06/09:初出
2022/06/03:再録

51-BARRAR-06-U.S.A.1964-No.51(8/3)
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47-ED BARRAR-02-U.S.A.1964-No.47(8/1)

2022-06-02 16:22:50 | 虚々実々-U.S.A.-1964

火付け職人

モクモクと狼煙(ノロシ)見たいに煙を上げている方へ行ってみると、変った竈ですね。
竈というよりもなんと言えばよいのか、立ちカマドとでも言うのかな?
丸太を組んで台を作って、その上に土を盛って、火を焚いています。
こんな大層なことをしないでも、地べたで燃せば良いのに。
こんなのの上で火を燃して大丈夫なんでしょうかね。
組んである丸太に火が移ると崩壊しそうで恐ろしいですね。
そもそも、薪を隙間無く積みすぎ。
それも太い薪を湿気たまんま、これでもかと突っ込んでいます。
これでは到底燃えません。

スープはいいとして、ホットドッグ?先ずその正体を確かめないと、どの程度の、どんな種類の火が良いのか判断できません。
Tanaka さんに訊ねると、鍋に湯を沸かしてソーセージを茹でて、軽く炙ったパンに挟むんですって。トマトスープは?と訊くとソーセージを茹でたお湯にジャガイモとタマネギを適当に切って煮て、パウダー(スープの素?)を溶かして出来上がりだそうです。
こんなのは料理とも言えないと思いますがね。
順序としては、スープの調理を済まして、火床に熾火を広げてパンを温めてというのが順当ですね。
しかしそうなると、ソーセージをどうするか、そうかスープの中で温めれば良いのか!

3つのグループを集めて、見本を見せます。
燻っている薪を一先ず全部取り去って、太さで粗方分けてと・・。
腕より太いようなのは、半分か1/4に割ります。
薪の枕にする適当な石ころ、と見回したけれど、石ころが転がって無いんですね。
サイトは粗い砂みたいな地面だし、森の中は何処も彼処もフワフワの腐葉土。
仕様が無いから薪を1本横に寝かせて、それを枕にします。
乾いたシダーの皮を集めてクチャクチャっと揉んで、その上に細い枝、次に中くらいのとザックリと積み上げます。
湿気た薪は火の側に並べて置けば、そのうちに乾きます。
「マッチ1本火の用心」と火を付けると、メラメラっと炎が上がりました。
中くらいの薪に火がついたところで、折角機嫌良く燃えている火を消さないように、太い薪を充分隙間を空けて加えると、ホーラ、もう大丈夫。

「自分たちでやってごらん」というと、夫々のサイトに勢い込んで帰ってゆきました。

えーっと、水は?と見回すと、水道が引けているんですね!
「ジャガイモの皮をむいて、玉ネギも適当に切って鍋に入れて置きなさい」というと、オットット、皮をムクというよりも削っている感じで、ジャガイモがなくなりそう。
方針変更、綺麗に洗って芽の所だけをえぐる事にしました。
それでも、見ていると危なっかしくて、ドキドキしますね。

このTroop は出来たばかりで、初めてのキャンプだそうです。
Tanaka さんが SOS というのも無理ないですね。
他のグループを見に行くと何とか火が燃えています。
スープの用意をするように言って、Tanaka さんが面倒を見ている方へ行くと、こちらも何とか上手くいったみたい。
「ソーセージはスープで温めた方が段取りが良いと思うんですが」というと「オォ、そうだね!」と簡単に同意されて、拍子抜けしました。
日本だと自分より若い者の意見を、フランクに取り入れる人は少なかったんですが、お国柄なのか、Tanaka さんの人柄なのか?

自分の受け持ちに戻って、本格的に燃え出した火に薪を足すように言って廻ります。
「そろそろ出来ますがどうしますか?」と訊ねに行くと、
「どんどん進めて!(Go ahead!)」
スープがグラグラ沸き立ったので、クーラーボックスからソーセージを取り出して投入。

ついでにスープの素も投入。
次に、熾を脇に広げてパンを炙る準備。
「パンは?」と訊ねたらデッカイ箱に入ったのが出てきました。
適当な小枝を削ってパンを刺して、手に手に熾で炙ります。
炙れたらナイフで切れ目を入れて、スープから引っ張り上げたソーセージをはさんでケチャップをドロドロ、食器にスープを入れたら一丁上がり!。
時計を見たら17:00。
こんなに早く夕飯を食べてどうするんでしょうね。

Tanaka さんは上手くいったと大喜び。
せめてスープだけでも、と勧められたので、スープを頂きながら、今後どう手伝えばよいのかを教えてもらいます。
オンヤ、このスープは美味しいですね!
日本のキャンプだと先ず米をといで、飯を炊くのに結構手間がかかるんですよね。
その点アメリカのキャンプは楽?
朝ご飯はシリアルと牛乳とフルーツ。
キャンプで牛乳?
そうか電気が有るから食堂の冷蔵庫が使えるのか!と思ったら、冷蔵庫に入れなくても傷み難い牛乳が有るそうです。
まさか、あのどうしようもなく不味い給食の粉ミルクじゃあないでしょうね?
「朝ご飯は子供達だけで出来るだろう」そりゃ出来ますよ!
「朝飯は7:30の予定にしている、一緒に食べよう、いいだろ?9:00からロープワークの訓練をしたいから手伝って欲しい、午後は自由に遊ばせる積もりだから、良ければ遊びに来ないか」
せめて最初だけでも、食堂の朝飯を食べておかないと拙いかな?と思ったので、訳を言って朝食後に来る事にしました。
こんな仕事とも言えない事でお金がもらえるなんて、楽勝ですね。

「じゃあ又明日」と皆に手を振って自分のテントに戻りました。
椅子に腰掛けて森を見ていると、なんともいえずいい気分です。
18:00にラッパの音がするので駐車場の方へ行ってみると、皆んな色んな場所で、同じ方角を向いて立っています。
此処からでは見えないのですが国旗掲揚柱のある広場の方向のようです。
ラッパが終ると又夫々の方角に散って行きました。

そろそろ夕食の時間が近づいたので、食堂へ行くと、スタッフが集まっていました。
ボブと私を含めて6人、内2人が Ranger と呼ばれる野外活動の指導資格をもっているそうです。
食堂はズンヅリ・ムックリした小熊みたいな小父さんが1人で切り回しているんだそうです。
1人が鍋を覗いて「Boo!」。
今日のメニューはリスのグレィビーとマッシュポテト、キュウリとオレンジ1個だそうです。
リスのグレィビー??まさかリスがドデンと尾頭付き(オカシラツキ)で入っているんじゃあないでしょうね?
ステンレスの皿を持って自分でよそいます。
マッシュポテトは判りますが、リスのグレィビーがねぇ。
ボブが鍋からよそってくれたのは、焦茶色のシチューみたいな物。
マッシュポテトと一緒に食べると結構美味しい。
「リスは何処?」と訊くと、小さな肉切れみたいなのを探し出して、
「これがリスさ」
こう小さくなって居たんでは、リスでもゾウでも見分けが付きません。
姿煮は物によってはツライ場合が有りますが、見分けが付かなくなっていると、リスであろうが、ネズミであろうが抵抗無く食べられます。

メーンはこのリス料理と、シチュー、フライドチキンの三種類。
それが三日ごとに変るだけなんですって。
付け合せは原則として2日続いて同じ物だから「9種類の献立だ」と小熊小父さんは力説しているそうです。
リス料理と、シチューは、残れば鍋ごと冷蔵庫に入れて、次回はそれに足して作るんですって。
すると、この中には何世代ものリスが入っていることになりますねぇ。
フライドチキンはエンジェルズ・キャンプの例の店から運んで来るそうで、これは人気メニューで絶対に残ら無いんだそうです。
キュウリは1本そのまんま、オレンジは当然コロンと1ッ個。
食べ終わると食器は各自で洗って籠に入れるんです。
次回はその籠から取り出して使うから、小熊小父さんはノータッチかと思ったら、毎日籠ごと熱湯で消毒しているそうです。
これなら1人で充分調理できますね。

マッシュポテトはジャガイモから作るのではなくて、粉をお湯で練るだけなんだそうです。
付け合せの他のバリエーションはマメ、コーンなんだそうですが、それらは大きな缶を開けるだけ。
恐る恐る昼の献立を聞くと、ドーナッツ、サンドウィッチ(材料が並べてあって自分ではさんで作るんだそうです)の2種類+フルーツ(今なら桃かオレンジ)毎日同じですって。
サンドイッチに挟む材料は古くなるとシチューになるんだそうです。
だから「夕食のシチューは1種類じゃなくて、毎回違うんだ」というのが小熊小父さんの主張だそうです。
25¢で各種の卵料理が頼めるそうです。
5種類も出来るというから、念のために訊いたら、Sunyside up(目玉焼き)、Turn over(目玉焼きの両面を焼いたの)、Scrambled(カキタマゴ)、hard-boiled(固茹卵)、three-minute(半熟卵)。
目玉焼きは fried eggs というんだと、アメリカに来て初めて知りました。
最初は卵のフライ?珍しいなぁ、と思ったんです、フライと言えば衣の付いたフライを想像してしまいます。
何故か必ず卵2個で作るんだそうです。

スタッフは長くても大体2週間ぐらいで入れ替わるそうです。
大ボスの Mr. Leverend Edurm Halison さんと スタッフのボスの Mr. Robert D Ritchie さんはシーズン中此処に居続けで、三食共、食堂で食べているんだそうですが、忍耐力有りますね。
Hinman さんがエンジェルズ・キャンプで仕入れた食料には、お二人の注文品もかなり有ったようです。
そりゃ、そうでもしないと身体を壊しますよ。

スタッフは皆んな同じくらいの年恰好で、私の初仕事が火付けだった事を皆知っていて、「Fire man」のニックネームを頂きました。
何時 Honey へ移動するのかと思ったら、私の勘違いで、ミーティングは食堂でするらしい。
ミーティングといっても、キッチンからリスの補充をしてくれと言われているし、最近リスが増えすぎているから、手が空いたらリス撃ちを頼む、という他は特に何もなく、私は明日の午前中は Troop 7 の手伝い。
もう1人の Woodside から来ている Christopher C Wells というスタッフ は 地元 Woodside の Troop 159 のサポート。
夫々、手が空いたら、ここへ来て Mr. Robert の指示を受ける、とほんの10分ほどで終わりました。
Mr. Robert もボブなんですがヤヤッコシイので、皆んなリックと呼んでいます。

ボブが「日本ではしょっちゅう山に登ってたんだって」と言ったことから、日本の山の話になりました。
富士山の他にも1万フィート近い山が幾つもあるとは知らなかったようで、どんな動物が居るのか、どんな木が生えているのかと質問されるんですが、カモシカ、オコジョ、ヤマネ、なんか英語でなんと言うのか知らないので説明が大変。
中でもクリスが熱心に、相当突っ込んだ質問をするんです。
彼は 登山が好きで、何時かはアジアの山にも登ってみたいと思っているんだそうで、
「もし来るのなら案内するよ」と言ったら、その時は必ず連絡するよと住所をメモに書いてくれました。
木にしても、ハイマツ、ダケカンバ、シラカンバ、ブナなどの英語はわかりませんし、高山植物にいたっては完全にお手上げ。
一番のお気に入りのミヤマオダマキすら情け無いことに英語名を知らないんですねぇ。
その辺りの紙に絵を書いて説明したんですが、きっと判からなかったでしょうね・・。
21:00にRitchie さんに追い出されて森の中に散在している夫々のテントに散らばって帰りました。

真っ暗な中で横になっていると、ドサドサ、ガサガサと厭に騒がしい森です。
しかし中央アルプスの国有林と同じ針葉樹の香りがするので、何だか安心です。

2003/06/06:初出
2022/06/02:再録

48-ED BARRAR-03-U.S.A.1964-No.48(8/2)
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2022-06-02 16:19:22 | 虚々実々-U.S.A.-1964

オイ、Ed!

ヒィーホッホッ、ホッホッ、ヒィーホッホッ、ホッホッ、ヒィー
けたたましい鳴き声で目が醒めると、まだ薄暗く、4:00を少し過ぎたところです。
Honey の向うから聞こえてくるようです。
こんな突拍子も無い大きな声で、朝っぱらから傍若無人に鳴くのは一体何なのか?
動物、鳥?声のエネルギーからして虫であるはずは無いし・・。
誰も起きてくる様子が無いところを見ると、私が知らないだけなんでしょうかね?
昨夜は疲れていたのか何時の間にやらガクンと寝てしまいました。
おかげで寝足りてはいるんですが、あんまり夜明け前からガサガサ歩き回るのは皆さんに迷惑だろうし、とエフィが持たせてくれたリプトンのグリーン・ティのティバッグでお茶でもいれて、森の夜明けを楽しむ事にしました。
ギャー!と啼いているのはカケスの声に似てますが、アメリカにも居るのかな?

貸してもらったガソリンストーブは初めて見るタイプで、何時も使っていたホエーブスのように余熱する構造になっていません。
タンクに使い方のようなシールが貼ってあるんですが、字が薄れていてもう1つハッキリしません。
ヘタに好い加減な事をして火達磨にでもなったら一大事です。
貸してもらったガソリンランプは昨日ボブに使い方を習ったんですが、ストーブの方はうっかりしてましたね。
同じメーカーなので、同じやり方で使えるかな?
良く見れば主要な部分の構造は共通見たいです。
加圧ポンプを押して、点火レバーを捻って火を付けると、オ~ッ、綺麗に燃えますね!
音も静かだし、これは中々良いなぁ。
色だけは番茶に似ているけれど、味もシャシャラもないグリーン・ティでも、肌寒い早朝の森の中で飲むと、美味しく感じます。
しかし、このお茶は日本では絶対に売れ無いでしょうね。

リスが起き出したみたいです。
昨日聞いたのと鳴き方が違うのは、夫々に意味が有るのかなぁ?
この明るさで、あの動きの速さでは、写真を写しても何が何やら判らないでしょうね。
時間が有るから、ちょっとスケッチ。
う~ん、リスやらカワウソやら判らん絵になったなぁ。
何時見ても、尻尾を伸ばしてますね。
こいつはリスらしく尻尾を巻いているポーズをしないんでしょうか。

しかし、我ながらヒドイ字ですね・・。
実はこれはまだましな方で、本文の何か、まるで唐草模様。
よっぽど、字のところは消そうかとおもったんですが、出来るだけそのまんまと思いましてね、

ヒョェーホッホッ、ホッホッ、フィーホッホッ、ホッホッ、ヒィー
何物か知らないけど、思いっきりウルサイ奴ですね。
移動しないで、同じ場所で鳴いているような気がします。
何なんでしょう?縄張りを宣言でもしてるんでしょうか?
折角の静かな森の雰囲気がぶち壊しです。
もっとも、静かな森というのは現実にはあんまり無くて、結構いろいろな音がして騒がしいものなんですが、この声ばかりはあまりにも異常です。
そろそろ大分明るくなってきたので、声の主を確かめに行きました。
Honey の向うから聞こえていたような感じなのでそちらに向かって行くと、
ヒョェーホッホッ
まさしく、Honey の近くです。
昨夜食堂に居た時には、こんな鳴き声を全く聞かなかったですね。
オヤ?小さな広場があって、杭につながれているのはひょっとしてロバ?
ワッ、鳴いた、ロバってこんなとんでもない声で鳴くんですか?
そう言えば、今までロバを近くで見たことが無かったですね。
ロバってのは、どういう風に呼ぶんでしょう?
口笛を吹いても、手をY叩いても、ト~トットット(これはニワトリか?)といっても近寄ってこないで、横目で見てるだけです。
何んだかあんまり友好的な雰囲気では有りませんね。
こっちから近づいて蹴っ飛ばされでもしたら馬鹿馬鹿しいので、手懐けるのは諦めました。

けど、何でこんな所にロバが居るんでしょうか?
ボブに聞けば判るでしょう。
朝飯の時に聞こう、えーっと、ロバは英語では donkey だったなぁ。
ん?トイレに行きたくなったぞ!ついでだから、昨日教えてもらったトイレに行きました。
ドアを開けて仰天。
何だ?細長い小屋の中の一方の壁際がベンチのようになっていて、穴がポコポコ開いてます。
仕切りも何にも無し、此処に並んで座ってするのかなぁ?
小さい方用のはそんなに違和感が無かったけれど、これはちょっとなぁ・・。
まぁ、しかし朝も早いし、しておこう、と座りました。
どうにも落着きませんね。

しばらくすると、ガタンとドアが開いて「Hi!」とボブが入ってきた!
「良く寝たかい?」といいながら、ズボンを下ろして隣に座り込んで何か鼻歌を歌ってます。
これではどうにも力が入りません。
「Donkey の声で起こされた。うるさい声だね、何故ロバがいるんだい?」
「アァ、あの Ass ね。あれはボスのペットさ。Ed ッて名前さ、Ed Barrar のエド」
Ass ?Ass って尻じゃぁ無かったっけ?
ロバも Ass というんだそうです、子供のロバは Foal だそうで、もう頭が付いて行きません。
ペット?犬かネコかせめてウサギくらいならわかるけれど、あんなでかいペット、シーズンが終ったらどうするんでしょうね?
「ボスは牧場を持ってるからね、ブタじゃないだけましさ」
ブタが走り回ってるキャンプ場も感心しませんが、ロバが朝早くから雄叫びを上げるのもどうですかね。

「この辺りは、カリフォルニアのゴールドラッシュが始るきっかけになったところでね、ロバというのはゴールドラッシュのシンボルみたいな物なんだ」
判らんことを言いますね?一体どういうことなのかなぁ。
「金を捜す連中は、荷物を担がせたロバ1頭を連れて、キャンプしながらこの辺りの谷を歩き回ったものらしいよ。インディアンと並ぶアウトドアーの大先輩さ。だから野外活動のシンボルとも言えるね」
ヘェ~!
ドアが開いてリックが入ってきました。
「早起きだなぁ!(Hi!Eary birds!) 良く眠れたか?」
「ハイ、快適でした」
「何を話していたんだい?」といいながらズボンを下ろして、ボブの向こう側に座り込みました。
「Ed に起こされたそうですよ」とボブ。
全く良くマァこんな状態でナニが出来るもんですね。
私は、聞き取るのに一生懸命、話すのにも一生懸命、気が散って全く駄目。
静かに瞑想に耽りながらでないと、出る物も出ません。
これは、何が何でも明日から、スコップ片手に大自然の中でしようと決心しました。
幸い地面は穴が掘りやすそうですし、蚊やアブ、ヒルも居ないので助かります。
懸念は蛇とバッジャーです。
そんなのに尻をかまれてはたまったものでは有りません。
幸い、両方ともウヨウヨいるのではないそうです。
万一出喰わしても、手元に棒切れかスコップが有れば、何とか防戦できるでしょう。

「明日から、森の中でしても構いませんか?」
「エッ?場所さえ適当なところを選んで、後始末をきちんとすれば構わないけど、どうして?」
「こういうのは慣れていないんで、落着かないんです」
「ヘ~、日本じゃぁどうしているの?」
「簡単ですけど、1人ずつ別れてるんです」
「又、何でそんな事をするんだろう?」
そういわれると、何ででしょうね。
こういう風に和気アイアイと話をしながらなんてのは、経験がありませんし、理由と言われてもねぇ。

トイレに付き物のハエが居ないし、匂いも余りしないので、何故かなと思ったら、座っているところが蝶番でガバッと開くんです。
使う度に、開いて、部屋の隅に置いてある消臭殺虫剤の粉を撒くんですね。
汚したら、汚した本人が掃除をする事になっているので、便所掃除役はいないそうです。
こういう考え方は、大した物で、日本は全く敵わないなぁ、と思います。

 

我が国では、江戸時代の長屋の厠でも個室だったそうですね。
外国では個室でも、上下が大きく開いた扉で、足が丸見えのが多いのは、こういう事の流れでしょうか。
ず~っと後になって、中国でいわゆるニーハォ厠所で同じような状況に遭いました。
こちらは溝を跨いで縦1列に並ぶんです。
端の方で何か喚いたと思ったら、タバコの袋とマッチが手渡しでやって来たりするんですよ。
マレーの海岸で、朝三々五々浅瀬にしゃがんで沖を眺めている光景を見ましたが、恥ずかしさの基準が違うんですかねぇ?



2003/06/07:初出
2022/06/02:再録

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46-ED BARRAR-01-U.S.A.1964-No.46(8/1)

2022-06-01 09:55:40 | 虚々実々-U.S.A.-1964

新米スタッフ

毒蛇セットの使い方を習っておこうと缶の中身を出してみると、意外に簡単な中身が出てきました。
吸出し器具、剃刀の刃、止血用のゴム、消毒ガーゼ、説明書、少し拍子抜けしました。
これなら教えて貰うまでも有りません、止血して、噛傷の上をキの字に切って血を吸い出せば良いのです。
バイパーがどの程度強い毒をもっているのか、それも神経毒なのか血液毒なのか?
ボブによると神経毒で、そんなに強くは無いそうです。
それなら、処置が早くて、血清さえ有ればそんなに心配しなくても良さそうです。

こういう風に書いてあると、如何にもスムースに話が通じているようですが、どれだけ苦労した事か・・・

蛇の血清は噛まれた蛇と同じ種類のでないと効果が有りません。
幸い、2種類しか居ないらしいのですが、その2種類の見分けがつけにくいんだそうです。
いっそ、両方の血清を混ぜて注射すればOKという具合に行かないんでしょうか? 幸い、アメリカでもこの辺りは毒蛇が少ないんだそうです。
南の州や砂漠地帯には、あのガラガラ蛇が居るそうで、種類によっては2m以上になるのが居るんだそうです。
そんなところのキャンプ場へはあまり行きたくありませんね。

その点、マムシしか毒蛇らしい毒蛇が居ない日本の本州は恵まれていますね。
ヤマカガシも毒が有るとは言え、毒牙が奥のほうに有るのと、性質が温和なので先ず噛まれる事は有りません。
沖縄や南西諸島に行くとハブが居て、コイツは桁違いに気が荒くて、毒も強いのでこまりものですなぁ。
ネズミを追い駆けて家の中に入ってきたりするらしいので堪りません。
大体気温が10度を下回ると、ほとんどの蛇は動けないんですが、気候が暖かいと年中活動するのも困り物ですね。
なお悪い事に、赤外線センサーを装備しているそうで、暗闇でも油断できんらしいです。

色々な木の実の標本や写真も並べて有ります。
ハシバミ、胡桃はまだ季節が早いし、キイチゴはもう済んでいるでしょうね。
残念だなぁ、というと、キイチゴはまだ種類によってはシーズン中だそうです。
「これなら沢山有るよ」と指差したのは形はキイチゴでも、熟した桑の実のような赤黒い色をした見たことのない種類です。
「どのくらいの大きさ?」と訊くと、指で作った丸の大きい事。
ほー、それは食べ応えが有りそう。
ナッツ以外の木の実の種類には全部「何とかベリー」と名前が説明書きに書いて有ります。
小さな粒粒の集まったキイチゴ風のや、グミみたいな実、草の実、木の実、いろもマチマチ、それでも名前はほとんど「何とかベリー」。
どうやらラズベリーから〇〇ベリーと言えばキイチゴの仲間と思っていたのは大きな間違いみたいです。
そう言えば、イチゴもストロウベリーですね。

此処でいつまでも時間を取っていられないので、テントへ向かいます。
ワッ!ステキですね。
木のしっかりしたデッキの上にテントが張って有ります。
山小屋の上半分がテントといった感じです。
その上、椅子まで有ります。
しかも1人で使うには勿体無いくらい広い。
天井が高いので、私なら背をかがめ無くても大丈夫、これは快適そう。

「気に入った?」とボブ。
「最高!ところでリーダーのサポートってどんな事をすれば良いのかな?」
「一番多いのは火の燃やし方の指導かな。上手く火を燃せる子供って意外にいないんだ。
1人だと幾つものグループの面倒を一度に見れないから、どうしても食事の支度に時間が掛かってしまって、他のプログラムをする余裕がないのさ。」
「薪(firewoods)はどんなのを使うの?」
「枯れた大枝は危ないから、見つけ次第切り落とすし、倒木も有るから、そんなので充分間に合ってる。Cedar や Redwood がほとんどだね」
広葉樹の中には、頑として燃えるのを拒否するのが有るんですね。
そういうのは一旦燃えると火持ちが良いんです。
それに、なだめたり、すかしたりして燃やすのは腕の見せどころでも有ります。
両方とも針葉樹ですから、火持ちはともかく、燃やすのは簡単な筈なんですけどね。
普段の生活で火を燃やすことが無いので、なれてないんでしょうね。
そう言えば、街で物を燃やしているのを今まで見ませんでした。
何か規制があるのかも知れません。

「他には?」
「水泳の時の監視の手伝いもあるなぁ、それとロープワークとか簡単な野外工作だね。動植物の観察の指導は Ranger 達がするから」
それくらいなら何とかなりそうです。
「ところで、ボブは Ranger なの?」
「うん。最初のシーズンで資格を取ったんだ」

突然、キチキチ、ともカチカチとも聞こえる大きな鳴き声。
すぐ側の木をデッカイ Gray Squirrel(リス)が駆け降りて来ました。
頭を下にして降りてくるんですね!
これは大きい、胴体だけでも30cmくらい有りそうです。
尻尾は食べるところは無いのでしょうが、胴体と同じくらいの長さで盛大に毛がフワフワしています。
一匹が姿を現すと、そこいら中の木でリスが駆け上がったり駆け降りたり、賑やかな事。
「その内にリス撃ちをしようね」とボブは行ってしまいました。
リスは少々騒がしいけれど、見たところ害が有りそうにも思えません。
コイツを殺すんですか?どうも気が進みませんねぇ。

荷物を片付けて、見取り図に書いてくれた Troop 7へ向かいます。
他にもサン・マテオの Troop 45、Woodside の Troop 159 が来ているようです。

左の地図の右下隅が Troop 7のサイト。
食堂の横を通って、国旗掲揚柱のある広場を横切って行った緩い下り坂の先に有ります。
テントが並んでいて、煙が上がっています。
もう食事の用意をしているんでしょうか?
近くで出会った子供に「Troop Master は何処?」と訊くと連れて行ってくれました。
アラッ、どうやら日系の方ですね。
Yosiya Tanaka さんといって、やっぱり2世の方です。
嬉しい事に私の英語とドッコイ、ドッコイですが日本語を話せます。
問題は、少し複雑な事柄になると、お互い相手の理解できない言葉でしか言えないことです。
それでも、なんだかホッとしますね。

最初のうちは別に何も考えずに、東洋系の顔をしている人を見ると「日系の方ですか?」などと気軽に言っていたんです。
ところが日系だと思ったら中国系だったり、韓国系だったり、最初に間違ったのはエスキモー系でした。
中国系、韓国系の場合、間違うと「いえ〇〇です」と少し強く言われたり、ちょっと厭な顔をされる事があるんです。
ほとんどの場合、ごく自然に「〇〇系です、我々は顔立ちが似ているから判り難いですよね」と言ってくれるんですけどね。
それからは、先方が言わない限り、強いて訊かないようにしているんです。
大体名前で判断できますし、名前を訊いて判断できなくても、あえて何系かを聞くことも無いですしね。

Troop 7はサン・マテオの東洋系の子供達のTroopなんですね。
小学校高学年から中学1年位の子供ばかりなのは、対象になっている地域が、新興住宅地で親の年代が比較的揃っているのかも知れません。
昨日此処に来た時は、父兄が何人か来ていたので何とかなったのですが、昼食が済むと父兄が帰ってしまったんだそうです。
明日は月曜ですからね。
昨日の経験で、この調子では食事の支度も到底ままならない、と思って、アシスタントを頼んでいたんですって。
父兄が手伝ってくれていても、1つのグループの面倒を見て、やっと火が燃え出したと思えば、他のグループの火が消えかけて燻りだすので、サイトの中をアッチへ行ったりコッチへ行ったりで、大変な目に遭ったそうです。

「ところで晩御飯は何ですか?」と訊ねたら、
「ホットドッグとトマトスープ」なんだそうです。
「良かったら一緒に食べて行かないか?」と誘っていただいたのですが、お昼もホットドッグを食べているのと、せめて最初の夕食は食堂で食べて、まだちゃんと挨拶していないスタッフとも話したいので、今回は遠慮しました。
5mから10mぐらい離れて円形にテントが張ってあって、テントの後ろにカマドがあるらしくモウモウと煙が上がっています。
「グループの半分を頼むよ」と言われて3つのグループの夕食作りの手伝いをする事になりました。

2003/06/05:初出
2022/06/01:再録

47-ED BARRAR-02-U.S.A.1964-No.47(8/1)
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