①津波のメカニズムが知りたいです
海底を震源とする地震で起きるが,海底のずれかたの違いが一番大きな要因
→正断層・逆断層(片方の断層がずり下がる・ずり上がる)の場合が多い.
また,深さも関係しており,上下のずれが海底に生じた時に発生する.
→浅い地震の時はズレが表面に生じるが,深い地震の時は途中で吸収されて海底の表面にずれが生じないため津波は生じにくい.
直近10年間の平均で言うと,M6.8震源の深さが26kmで津波が発生する(東北地方太平洋沖地震は特異なので除く)
M5クラスでも地震が起きたことがあり,これは海底の火山が海底を押し上げて海面の変化を生じた場合である.(噴火まではいかない)
→これは鳥島近海で過去何回も起きてきている.
②マグニチュードとモーメントマグニチュードの違いは?
そもそもマグニチュードはたくさんある.
いわゆるマグニチュードは気象庁マグニチュードと呼ばれるもの.
3.11以降にモーメントマグニチュードが使われるようになってきた.
気象庁マグニチュードとは,地震の周期を基にして揺れ幅(偏位)がどれだけかを表したもの.
モーメントマグニチュードとは,地震そのもののエネルギー
=岩盤が壊れた面積×岩盤の滑り量×岩盤の剛性率(硬さ)
のことである.
地震のエネルギーはモーメントマグニチュードの方が正確だが計算に時間がかかり,2-3分で津波が来る場合などは計算が間に合わない.
そのため,地震波形を基に即計算できる気象庁マグニチュードが運用されている.
気象庁マグニチュードは建物の被害を見る場合に有効である.
1995年1月の兵庫県南部地震では,
気象庁マグニチュードはM7.3だが,モーメントマグニチュードはM6.9と差が出たりする.
逆に2011年3月の東北地方太平洋沖地震では
気象庁マグニチュードM8.2(一時M7.9)
モーメントマグニチュードM9.0となり,津波警報を正確に出せないなどの課題があった.
USGSのサイトでは地震発生の20-30分後に世界の地震のモーメントマグニチュードを公表している.
③ぐっさんの思う最近気になる地震は?
本日未明の関東東方沖の地震M5.0深さ10km
M5.0とそこそこ大きく震源が浅いのが気になる.
プレート境界で起きる大きく浅い地震は気になる.
3.11の時も2月の半ばからプレート境界でのM5クラスの地震が起き始めていた.
最初のマグニチュード-1が最大余震であるが,これを大幅に上回る地震が起きていると注意.
また,震源の位置が動いていく時は,岩盤の破壊が周囲に波及して行っている可能性があるため,大地震につながる可能性がある.
震源が深い地震はまず無視.M3クラスでも浅い(20-30kmより浅い場合・ごく浅いなど)地震は気になる.
震度の大小では地震そのものの持つ意味は判断できない.
最初から大きな本震が来る場合は予知は不可能であるが,こういった地震には注意が必要.
④首都直下型地震の起きる確率は?
向こう30年間で70%の確率で起きるのではないかと言われているが,
首都直下型地震という地震の定義(どこからどこまで)がそもそも曖昧である.
都県を跨いで起きる地震を総合して出しているが,具体的にどこかはわからない.
インパクトのある表現であるため,早めの段階で防災減災の意識を持ってもらうことが大事.
3つのプレートの重なる場所に首都があるのは世界で日本だけである.