車庫に入った
田舎の電車
キ、キ、キ、シュー
さ〜、骨休み、骨休み
明日も元気に走ろう…ね
駅長さんが手をかざし
田舎の電車に、敬礼
お空の星が、キーラ、キラ
駅の電気が一つ消え
2つ、3つと消えていく
田舎の電車さん
今日も一日、ご苦労さん
駅長さんも
車掌さんも
みんな帰って
だーれもいない
小さな駅舎
ひとりになった田舎の電車
おやすみなさ~い
ガタン、ガタン、ゴットン、ゴットン
疲れた、疲れた、疲れたよー
田舎の電車が呟いた
お空にキラキラお星さま
もうすぐ車庫につきますよー
ゴトンゴトン、ゴトン
終点で〜す
よっこらしょ、ガヤガヤ、ガヤ
お客さんが降りていく
次から次と降りていく
改札口のおじさん
今日も一日、ご苦労さん
お客さんが手を振って
田舎の電車は、のんびり電車
窓から見える、遠い山
カラスの声が、カア、カア、カア
夕日が案山子に、さようなら
山の向こうに消えていく
ガッタン、ゴットン
電車が走る
ドンドコ、ドンドコ
電車が走り
隠れた夕日が、顔出した
赤い顔して照れていた
もう一回のさようなら
今度は本当に、さようなら
夕日がお山に隠れていった
田舎の電車は、ガッタンコ
ガッタン、ゴットン、ガッタンコ
おばあさんが、よっこらしょ
気合を入れて
よっこらしょ
オッ、ト、ト、ト
ガッタンコ
ガッタン、ゴットン、キー、キ
電車が止まって、どっこいしょ
荷物を背負って
ドッコラショ
おじいさんが乗ってきた
発車オーライ
ゴーン、ゴットン、走り出す
咲いて散る
花の命を
尋ぬれば
四季の時節に
また逢うという
煮えたぎる
釜に入れたし
この恨み
惑うまにまに
冷えて消えゆく
向き合って
怒りの所在
訪ねれば
こころの底で
ここぞと笑う