[1]タイトル(続編・OVA・映画のタイトル含む)
バビロン
[2]140字の紹介文(Twitterに投稿しているため)
自殺法――それは生きるという選択肢と同等の価値があり、誰しもが自分の意志を尊重できる権利。しかしそこに立ちはだかるのは「生きることは善いこと」という圧倒的で普遍的な価値観。本当の正しさなんて存在しない世界で、あなたは何に正義を見出し、善悪を決めるのか――決して思考を止めてはならない。
[3]ジャンル(独断と偏見かつ勝手に作成したジャンル区別一覧に基づく)
哲学・ミステリー
[4]話数(時間の違いは「ショート」「ショートショート」「映画」で区別)
計12話
[5]キャラ名+「CV.」(dアニメの作品情報を主に参考にしています)
- 正崎 善(CV.中村悠一)
- 文緒厚彦(CV.小野賢章)
- 九字院 偲(CV.櫻井孝宏)
- 瀬黒陽麻(CV.M・A・O)
- 守永泰孝(CV.堀内賢雄)
- 半田有吉(CV.興津和幸)
- 野丸龍一郎(CV.宝亀克寿)
- 齋 開化(CV.置鮎龍太郎)
- アレックス(アレキサンダー・W・ウッド)(CV.田中秀幸)
- テイラー(テイラー・グリフィン)(CV.乃村健次)
- エドムンド(エドムンド・ジュリアーニ)(CV.土師孝也)
- ハーディ(サミュエル・ハーディ)(CV.竹本英史)
- 曲世愛(CV.ゆきのさつき)
[6]その物語を作った人(構成作家・原作者など)
原作:野﨑まど「バビロン」シリーズ(講談社タイガ刊)
[7]主題歌(可能な限り劇中歌も入れる)
〈ED〉Live and let die「Q-MHz feat. uloco.」
〈ED〉イノチ食ム魂「Q-MHz feat. Mikako Komatsu」
〈ED〉イノチ食ム魂(requiem ver.)「Q-MHz feat. Mikako Komatsu」
〈ED〉The next new world that no one knows(blood stained ver.)「Q-MHz feat. Namirin」
【劇中歌】Passion ※演奏曲?
※〈OP〉は音楽のみかつおそらく90秒もなかった
[8]感想
この作品では「自殺法」というなんとも斬新な法律が、日本の新たな領域「新域」と呼ばれる場所で誕生します。作中で自殺するほとんどの人は、曲世愛の圧倒的魔性力で自殺を唆しているので、殺人と捉えられても私は反論できませんが「自殺を選択できる」という考え方自体に私は喜びを感じました。というのも、信じるかどうかは置いといて、私はうつ病を患っています。でも正確には「うつ病であろうとしている」というか、意識的に不幸せな自分を望んでいるという節があるので、世間一般的に言ううつ病とは違うでしょう。でも私は自分をうつ病とカテゴライズすることで自分を保っていられるので、私はうつ病だと言っています。専ら最近は、死にたいという気持ちを正当化したい、もっと言えば死にたいという衝動を衝動という言葉で片付けるのではなく「こうだから死にたい」という根拠のある明確なものにしたいのです。この作品を見始めたのもそれが起因ですが、やはり視聴して良かったと思います。この作品のおかげで「自殺は悪くない」という自分勝手な正しさを見出せたからです。おそらく製作者にとって大変不本意だろうと想像しますが、仮に私が自殺してもこの作品には一切問題はないとここで公言しておきます。
さて、まだまだ脱線していきますが、何故自殺を肯定できたのに、私はこの記事を書いているのか?それは私にはまだ自殺するための力が不足しているからです。その力とは「覚悟」つまり死を選択する覚悟です。死ぬために必要なのは覚悟のみだと私は考えています。苦しい、痛いならまだしも、自分と関わっている方々に必ず影響を及ぼすことが分かっていてもなお死を選択できるのは、ある意味選ばれた特別な人間だけだと思います。私は死にたいという衝動の力を借りて、全ての友達との縁(連絡先)を切り、仕事を辞めました。ちなみに仕事内容がどうこうではなく、純粋に急な退職ができない、すなわち死にたいときに死ねないという状況を回避するための決断です。自分の考え得る死ねない状況を着実に潰していったわけですが、でもまだ甘かったようです。なぜなら私には身内を無視して死を選ぶ覚悟が足りませんでした。どんな自殺方法を選んでも、それによって身内に悪影響が及ぶと考えると実行できないのです。毎日自分を殺す想像をしても覚悟のなさを痛感するのみ。そんな、言ってしまえば足枷のような存在に私は生かしてもらっており、平然と食べて、寝て、したいことをしているので、なんて恵まれているのだろうと感じると同時に、私の衝動の正当性が揺らいでいきます。でも仕方ないですよね、死にたいという気持ちは事実なのですから。でも身内を理由にして自殺できないのはなんか嫌なので「本当は苦しいのが嫌だからに決まっている」と決めつけてなんとか心の平穏を保っています。そして、どうすれば自殺に見えない自殺ができるかを模索中です。例えば、熱中症、餓死、火事に突っ込むなど、頭がおかしいとどこかで感じつつも、本気で実践しようか考えています。まあ想像でしかないですけど、どれもかなり苦しいのは間違いないですね。結局、呼吸をするように死ぬことを考えている私の衝動は、現段階では「あー死にたい」が口癖のメンヘラと何ら変わらないようです。
意図的な脱線はここまでにして、作品の感想に戻りますが、作中に「九字院 偲」という人物が早期から登場します。彼の声を聞いた瞬間「なんか忍野メメがちゃんと就職した世界線じゃね?」という印象を持ちました。その感覚は間違えでもないようで、「忍野メメ」役と「九字院 偲」役のボイスは同一人物(櫻井孝宏)さんのようです。僕は声優にはまだまだ疎いあまちゃんですが、やっぱりどちらの役も物語、主人公にいいかかわり方してるなと感心しました。ちなみに本当は、声優さんをもっと知って、その人生を知って、どんどん推しを増やしたいという気持ちはありますが、その一線を越えるとヤバイ、そしてキャラクター自体の魅力が薄れてしまうことを懸念して今はなんとかその欲を抑えています。
アレックスのような「考える人」が私の理想形だと思いました。「考え続ければ、大抵のことは答えがでる」という言葉を私は強く信じたいです。まあでもアレックスも言っていたように「いつも考える時間が足りない」のも事実でそこのバランス、折り合いをつける力も私に必要なんですよね。
この作品では「善いこと=続くこと」「悪いこと=終わること」という一つの結論が出されます。僕はすごく納得しました。物・考え・行動、あらゆるものにおいて悪いものは無くなり、善いものは今も存在します。「それなら殺人はどうなるの?」という声が聞こえてきそうですが、私にとっても殺人は悪いことのように感じますが、一口に殺すと言ってもそこに至るまでの過程は様々です。もし誰かを殺すことによって誰かが幸せになるというのなら、やはり殺人も一つの善いことになってしまう。でも殺された側の遺族を思うと、やはり悪いことです。どうやら私の頭では解決できそうもないので時間をかけて納得していきます。
最後に……
私は形から入るタイプで、いつも何か始める時の一番初め、いわばとっかかりにかなりの時間を要します。
最初の記事は何にしようかと悩みに悩み抜いて、いつの間にか宣言記事から既に2ヵ月が経とうとしていました。結局一番最後に完結した作品に落ち着いてしまう、いつも通りの私でした。
記念すべき第1回は「鬱アニメ」で検索して目に留まった「バビロン」です。私は「感動・哲学・鬱」の三拍子が特に心奪われてしまいます。この作品に関して言えば、私のアニメ歴において「SchoolDays」「ハッピーシュガーライフ」に続くバッドエンド作品です。でも「バビロン」に関しては、一応私の中で一つの正解というか、腑に落ちる答えを見出せたので、ダークエンドとも言えると思います。
もしかしたら今の自分だから内容が響いたのであって、見る人によってはわけが分からないまま終わってしまうと感じるかもしれません。それでいて残酷なシーンが苦手な方には、一生のトラウマになり得るハードさも持ち合わせています(リアルな死体とかではなく、人が殺される時の痛みや苦しみ、いわば過剰に想像すれば、という話です)。本当の正しさなんて存在しませんが、原作者が導き出した正しさ、正義、善悪の価値観を知りたい方にはお勧めです。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
【作成日:2022年8月7日】
【最終更新日:2022年8月10日】※誤字修正
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