[1]タイトル(続編・OVA・映画のタイトル含む)
夏雪ランデブー
[2]140字の紹介文(Twitterに投稿しているため)
一目惚れした8つ年上の女性は、今もなお死人の夫に想いを寄せる花屋の店長。攻略難易度トップクラスであるにも関わらず果敢に攻め続けていたある日、初めて上がった彼女の家にいるはずのない夫が立っていた。膨れ続けた想いはどこに向かい収束するのか?手詰まりになるはずの関係性が、動き出す――。
[3]ジャンル(独断と偏見かつ勝手に作成したジャンル区別一覧に基づく)
恋愛
[4]話数(時間の違いは「ショート」「ショートショート」「映画」で区別)
計11話
[5]キャラ名+「CV.」(dアニメの作品情報を主に参考にしています)
- 葉月亮介(CV.中村悠一)
- 島尾六花(CV.大原さやか)
- 島尾篤(CV.福山潤)
- 島尾ミホ(CV.冬馬由美)
[6]その物語を作った人(構成作家・原作者など)
シナリオ(シリーズ構成):松尾衡
原作:河内遙「夏雪ランデブー」(祥伝社・フィールコミック)
[7]主題歌(可能な限り劇中歌も入れる)
〈OP〉SEE YOU「松下優也」
〈ED〉あなたに出会わなければ~夏雪冬花~「Aimer」
[8]感想(※ネタバレ不可避なため、ネタバレ歓迎or視聴済みor視聴する気のない方に読んで欲しいです)
鬱、ウツ、うつ……と最近は心を締め付けられる作品ばかりだったので、チェイサー(誤用です)を挟もうと思い、恋愛ものを選んでみました。そもそも鬱アニメビギナーだった頃は、必ず脳死アニメ(日常・ギャグなど)とセットで視聴していましたが、近頃は鬱三本同時並行視聴も平気でできます。これはもう玄人と呼んでもらっても差し支えないです……よね?ちなみに私はヲタクではないと思っています。真のヲタクは「リアルイベントは強制参加」「コラボも必ず回収」「物理的なもの(フィギュア・グッズ)などをコレクションする」を兼ね揃えた強者だと認識しています。私の財力では現在不可能であるため、ヲタク道はまだまだ遠いようです。
少し話を戻し、恋愛ものを選んだのはある漫画を見てハッと気づいたからです。同じ系統ばかり見ていると変な耐性が付いて、作品の味わいを軽減させてしまうのでは?と。私も{アンドレノミクス}に倣って、敢えて無関係そうな方向性のアニメを見ることでより好きなジャンルを楽しめるのではないか?と考えました。私にもMの素質が宿っているのかもしれませんね(痛みに強い方ですが痛いのは嫌いです)。
dアニメの恋愛ジャンルで探していると、「ランデブー」という文字が目に留まりました。ランデブー→ガハラさん→もれなくツンデレサービス→いただきます、という経緯で選びました。ランデブーという言葉の意味は「男女が予め待ち合わせをして会うこと」だそうです。
んで、1話を視聴したらまぁ見事に予想を外してました。ツンデレ要素皆無ですし、脳死では見れません。私が勝手にそう感じているだけかもしれませんが、かなり考えさせられる内容です。好きです、はい。
きっと半年ぐらい前に見ていたら、あまり美味しくいただけていなかったかもしれません。というのも、三角関係を形成している3人みんな割と自分本位、悪く言えばかなり自分勝手な印象に捉えてしまいました。でもいろんな経験から、私もかなりの自己中だと自負しているので、3人の思考はすごく理解できます。見始める時期って、実はかなり大事な要素なんですね。
私の場合ですがどんなに相手を思った行動でも、起点は「自分のため」であることに気づきました。もちろん人間誰しもそうだとかこの世は偽善しかないとか言うつもりではありませんし、本気で相手のことしか考えていない真の善行もきっとあります。でも少なくとも私の善行は偽物ですし、3人の行動もそれに近しいものだと感じました。
特に島尾篤君(以下、島尾君)は善悪で区別するならおそらく「悪」よりです。彼は六花ちゃんと夫婦であり病気で命を落とした幽霊なんですが、葉月君の恋路を邪魔するし、許可済みとはいえ葉月君の身体を乗っ取って、もう返さなくてもいいか?みたいな考えを持ってしまいますし、しまいには六花ちゃんを殺して(自分で手を下したいというわけではない)自分と同じ世界に来てから体を返すなんて言っています。かなりヤバイです。
でも島尾君にも同情の余地はあります。生前は身体がかなり弱く、好きなフラワーアレンジも満足にできません。生涯を共にしたい奥さんができたのに、入院などの所為で我慢させてばかりという認識。別に強くなんてなかった六花ちゃんを結果的に強い女性にしてしまい、自分の前では笑顔ばかりで弱音を吐くどころか全く甘えてくれない。
そういう面も考慮して、島尾君は自分に嘘をつきながら、前を向いて生きてもらうため六花ちゃんに離婚届を出させようとしたり、死んだら遺品全て捨ててお店(二人で作った花屋)をたたんでもいいと言ったりします。しかし時すでに遅し。六花ちゃんは離婚届を笑顔で破り捨てますし「初めて付き合うから、別れ方なんて知らない」の一点張りです。
結果的に最後まで寄り添った六花ちゃんの想いで、島尾君は自ら突き放すことが叶わず、未練を残して幽霊となりました。いつでも六花ちゃんを見ていられる反面、触れられない語りかけられない関与できない事実に、生前の隠し続けた想いが重なって膨らんで、独占欲の塊と化します。後々、その事実が六花ちゃんを自殺を試みさせるくらい悲しませることになります。
アニメ作品に限らずですが、好きな人が死人っていう人と付き合うってかなりムリゲーですよね。想い人も人間ですから気をひくくらいならできるかもしれませんが「死人(好きな相手)より幸せになってはいけない」「あれだけ恋はもういいと思ったのに、揺れてる自分が苛立たしい」「中途半端な気持ちは相手(好きになってくれた人)に失礼」という思考はかなり最強だと思います。とてもじゃないですが私はそれを打破する術も気力もありません。
しかし葉月君は猛者です。かなり強引な攻めもありますが、結果的は六花ちゃんに好きと言わせる境地に辿り着きます。想いの強さというのは自分を強くする力になるときもあれば、全てを捨ててしまう(=自殺)という考えを持たせてしまう足枷にもなります。バランスよくなんて綺麗事は分かっているのにそれができない感情コントロールの不完全さ、とても難しいですね。
作品全体に感じたことと言えば、途中から葉月君が迷い込む島尾君の絵本の世界がメルヘンであるため、とても柔らかく話の内容の割に起伏が緩やかな印象を持ちます。また相手の問いに対して比喩で返したり、うやむやにしたりすることが多く感じたので、個人的な補正が絡んでいきます。つまり見る人次第で意見が変わり得る感想戦もってこいの作品です。もし今はなき(死んでない)友人が視聴済みだったら、お泊り会必須でしたねきっと。
エンディング曲についてですが、高音過ぎず太くて気持ちのいい伸びを感じる声、知ってる声だなと思ったら「鬼滅の刃 遊郭編」のOP・EDを担当した「Aimer」さんでした。特に「残響讃歌」は今でも宇随さんを想起させてくれる素晴らしい曲です。それらの曲で初めてAimerさんを知ったのですが、2012年に製作されたこの作品のEDを歌っているということは、かなり前から名の知れた歌い手さんだったんですね。ノスタルジックに感じるとても心地いい曲でした。
最後に……
今回も思いのまま綴ることができました。当初の目的を大分達成できているように感じています。いつか新しい意見を言及してくれる方が現れることを楽しみにしながら、これからも記事を気ままに書いていきます。
【作成日:2022年8月26日】
【最終更新日:2022年8月31日】※誤字修正
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