まず多言語より始めよ

少しでも多くの人々に英語以外のマイナーな言語について知ってもらい、面白さを伝える

ノルウェー語とドイツ語の関係

2024年08月25日 | 日記

Hei, alle sammen! Jeg heter Mangespråk.

ということで改めましてこんにちは。Mangespråk です!

正直今回は初っ端からオタク度の高い話になっちゃうので、苦手な方は飛ばしてくださって結構です。。。

 

今回のテーマは、「ノルウェー語とドイツ語の関係」って話なんですけど、よくありがちな

「○○語と××語って実は文法や単語がよく似ている関係で~、ウンタラカンタラ...」

みたいな内容とはちょっと違います。

今回取り上げたいのは、ノルウェー語とドイツ語の発音の関係についてです

 

実はノルウェー語って、初見だと「なんでこの文字の組み合わせでこんな発音になるの!?」っていうものばっかりなんですよね笑

ということで今回はそんなノルウェー語の発音について、ドイツ語の発音をもとに紐解いていきたいなと思ってます

注1:今回の内容は、ドイツ語についてある程度経験がある方を対象にしています。経験がなく、全く分からないという方はググっていただければと思います。もし、僕のページで完結させたいという方がいらっしゃれば、追々書いていこうと思いますのでお待ちいただければと思います🙇

注2:今回の内容には個人的な考察が含まれます。専門家ではないため、言語学的・歴史的には間違っている可能性があります。それらを踏まえたうえで、あくまで参考程度にしてください。

 

では早速見ていきましょう!

 

1. ノルウェー語の発音

恐らく、そもそもノルウェー語の発音なんて知らねえよって声がほとんどですよね。ごもっともです。

ここではどんなパターンがあるのか、いくつか例を見ていきたいと思います。今回は k を含む単語の発音について見ていきます。

 

1. kanskje → カンシェ 「多分」という意味

2. kjøpe → ヒョェーペ 「買う」という意味

3. Kina → ヒーナ 「中国」の意味

 

ざっと3つくらい挙げてみました。まぁいろいろと突っ込みどころがありそうな感じがしますが、とりあえず最後の3番が一番トリッキーな気がしますね

あとは恐らく2番目の発音表記どうなっとんねん、っていう声もありそうですね。でもしょうがないんですよ、無理やりカタカナ表記でできるだけ正しく表そうとするとこうするしかない。

ノルウェー語の ø って文字は、ドイツ語の ö に当たります。発音もドイツ語とほぼ一緒です。

別名「日本人泣かせの音」なんて揶揄されたりしていますけど、実はそんなに苦労せずに習得できると思うんですよ。

 

試しに画面の前で、口の形を日本語で「お」って発音するときの形のままにして、「え」って発音してみてください。

最初はすんごい気持ち悪い感覚になると思います。全っ然しっくりきませんよね。

でもこれを日常的に繰り返していくと、ある時から自然に発音できるようになるんですよこれが。

 

とまあ、ちょっと脱線してしまいましたが、いずれの3パターンに共通することと言えば、k らしい発音が全くされないってことなんですね。

ということで、これからこの理由について自分なりの考察を交えながらお話したいと思います。

 

2. ドイツ語の発音から紐解く

まず先に、今回の考察に必要なドイツ語の発音についてまとめたいと思います。今回カギとなるのはchの発音です。

ドイツ語におけるchの発音には大きく分けて4パターンあります。

 

1. 母音A, O, U の後にくる場合:喉の奥から息を出すような摩擦音になる(汚ならしい例えになりますが、オッサンが「カーッ ペッ!」ってやるときのイメージです)

Ex. machen (マへン), doch (ドほ), Buch(ブふ)

 

2. それ以外の母音、または子音の後にくる場合:日本語の「ヒ」の弱いバージョンのような音になる

Ex. ich (イヒ), Milch(ミルヒ), recht(れヒト), China(ヒーナ)

 

3. s の後にくる場合:日本語の「シャ」行のような音になる

Ex. schenken(シェンケン), Schuhe(シューエ), Geschmack(ゲシュマク)

 

4. s の前にくる場合:k の音になる

Ex. sechs(ゼクス), wachsen(ヴァクセン), Lachs(ラクス)

 

もう察しの良い方は気づいたかもしれませんが、実はもうこれで8割方今回の話は終わったといっても過言ではないんですね

それでも流石にしっかりと説明はいたします

 

上記の ch の発音における4番目の法則から考えてみると、ch と k が置き換え可能とは考えられないでしょうか。

つまり逆に言えば、先ほど挙げたようなノルウェー語における、訳わからん発音をする単語に含まれる k を ch に置き換えてみようということです。

試しに一つずつやってみましょう!

 

1. kanskje → kanschje 

 

どうでしょうか?ヨーロッパ系のほとんどの言語では、j が「ヤ」行のように発音されることを敷衍すれば、あとは簡単なはずです。

先ほどの ch の法則の3番目を適用します。するともう分かりましたよね?これなら無事「カンシェ」と読めそうです。

どんどん行きましょう

 

2. kjøpe → chjøpe

 

今度も同じように、今度は ch の法則の2番目を適用します。すると、「ヒヨェーぺ」→「ヒョェーペ」と読めることが分かりますよね

次で最後です!

 

3. Kina → China

 

さて、どうでしょう?一目瞭然ではないですか!まんま ch の法則の2番目の例に出てきましたよね

もちろんこれで「ヒーナ」と読めるわけです

 

 

いかがだったでしょうか?ノルウェー語に興味がある方も、そうでない方もお楽しみいただけたでしょうか?

今回のような言語を跨いだ考察も、多言語学習の醍醐味だと僕は思うんです。

他にもまだネタはあるので、マイペースに出していけたらいいなと思ってます

 

ではまた!Ha det bra! 👋



コメントを投稿