つれづれまりん

いたずら白猫マリンの気ままな日常 を経て、
超いたずら 甘えん坊 ほぼ白猫 ハンニャの気ままな日常 へ

少年鑑別所

2020年01月28日 | 学習ノート3
そろそろ、
カテゴリー「学習ノート3」記事に戻そうと思います。


再スタートはこのお話から。

静岡少年鑑別所  所長
(法務少支援センター静岡) 
 吉田智子 先生による
「少年非行の現状
 子どもたちの心と大人の対応」
(平成30年 5月 聴講) より


まず、最初に、
法務省(関連の)キャラクターは
ペンギンだというお話がありました。
ペンギンは更正の象徴で、
飛べない 飛行しない(非行しない)
から、だと。
おもしろ~い!
 
後で調べたら、
法務省保護局の公式Twitterに、
更生ペンギンのホゴちゃんが居ました。 
また、法務省HPのきっずるーむに、
ホゴちゃんとサラちゃんが居ました。


そして、本題へ。

少年鑑別所 とは・・
・法務省矯正局所管の施設
 全国に52か所
・昭和24年少年法・少年院法により発足
 平成27年施行少年鑑別所法に基づき業務運営
 *やっと法律ができた、と。
・非行にかかわった20歳未満の少年が対象
*非行のアセスメントが強み
 医療的ケアはできない

設置目的
①家庭裁判所の求めに応じ、鑑別を行う
②観護措置決定による収容者に観護処遇を行う
③地域社会における非行および犯罪の防止に関する援助を行う


業務の概要
1 鑑別
・非行などに影響を及ぼした要因(性格、環境)を明らかにし、
 立ち直りのための指針を示す。
 (医学・心理学・教育学・社会学などの
  専門的知識技術に基づいて)

2 観護処遇
・家庭裁判所の観護措置の決定によって、
 審判前に、一定期間収容する。
・少年をよく観て観察し、保護的にかかわる。

3 地域援助
・「法務少年支援センター」として、
 地域社会における非行および犯罪の防止に向けた活動
 個人、関係機関からの相談に対応する。


次記事は、
「鑑別」についてです。


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さて、本記事のマリンちゃんはこちら。

ジョーバの上に居ますね。

左手伸ばしでリラックスしてるね。


マリンの体にベストフィット座面だもんね~

『まあね』


『でも・・・』

あ、下りちゃうの?

(2918年6月中旬 夜)







感覚統合

2019年11月13日 | 学習ノート3
前記事の続きです。(Part2)


2017年6月
静岡県こども精神保健フォーラム
「合理的配慮の実際を考える」

第2部 シンポジウム
「様々な現場における合理的配慮の実践」
での

「合理的配慮 リハビリテーションの視点」
  伊藤信寿先生
   聖隷クリストファー大学
   リハビリテーション学部
   作業療法学科 准教授
   多機能型事業所むく 代表
 より



○感覚統合(作業療法のひとつ)
 通常、自分の身体や周囲の情報(感覚刺激)を
 うまく整理して取り入れることで、
 適切な反応や行動をするのだが、

 さまざまな感覚刺激を
 うまく整理して取り入れることが
 苦手な場合、

 遊具やさまざまな感触が得られる玩具等を使用して、
感覚情報をうまく整理し、
 適応行動を引き起こすことを
 目的とした療法。

ex.姿勢の悪い子
 悪くても頑張っているときがある。
 まず、頑張っていることをほめる。
 トレーニングとして、
 バランスボールに座らせる 等


○リハビリの視点からの合理的配慮
 支援を必要とする子どもの行動の背景には、
 感覚統合の未熟さがある場合もある。
 極端な感じ方を示す子どもは、
 行動の現れ方が極端。

 そのような子どもに、
 「みんなと同じで」は、難しい。
 その子に合った感覚アイテムや対応が必要。

 聴覚が過敏な子にイヤーマフ、のように、
 前庭覚や固有覚の感じ方に偏りがある子に対しても、
 アイテムや配慮が必要。


〇事例A 小4 男子 通常級
 状況:怒りやすい、
友達とトラブル、
  隣の子がお世話してくれても怒る
 アセスメント:
感覚鈍磨により落ち着かない
 支援:
  お手伝いを与えた
  (空き缶を押しつぶす、花壇の水やり等)
  席の工夫:おとなしい子らを周りに。
  授業中に触っていいアイテムを与えた。
  (セラプラスト(商品名セラピーパテ))

〇事例B 小5男子 情緒支援級 
 状況:夏でも長ズボンを履く、
集団に入れない
 アセスメント:触覚過敏
 支援:
  リラックスできる場をつくる
  強制しない、努力させない
  圧迫刺激を加える
  アイテム:
   ぬいぐるみ、スポーツ雑誌、ダンボール



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『いろいろ工夫してくれるとうれしいね』

しっかりアセスメントしてからね。


『そしたら、うまくやれることがきっと増えるね』

そうだね。

(2019年 6月中旬 朝)
(出窓でまったりマリン) 








感覚過敏・感覚鈍麻

2019年11月11日 | 学習ノート3
次のお話です。

2017年6月の
静岡県こども精神保健フォーラム
「合理的配慮の実際を考える」

第2部 シンポジウム
「様々な現場における合理的配慮の実践」
にて、

聖隷クリストファー大学
リハビリテーション学部
作業療法学科 准教授で、
多機能型事業所むく 代表の
伊藤信寿先生のお話
「合理的配慮 リハビリテーションの視点」
がありました。

その中から、少しまとめてみます。

まず、逆立ちをして本を読んでいる子の画像を提示し、
この子はこうしていると落ち着くのだと話されました。


○感覚の種類
・物や環境を知る感覚
 ・視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚
・自分の体を知る感覚
 ・触覚・前庭覚・固有覚
  (普段は無意識)
*固有覚とは、
ex.目を閉じていても(見なくても)文字が書ける感覚


DSM-5の
「自閉症スペクトラム」の診断基準の中に、
 感覚入力に対する敏感性、鈍感性、
 感覚に関する環境に対する普通以上の関心、
 がある。

発達支援を必要とされる子どもたちの中には、
好きな感覚が極端に限定されたものだったり、
感覚に対して、
極端に繊細(過敏)、極端に無頓着(鈍麻)
な場合がある。

感覚の感じ方が極端なことが、
極端な行動となって表れる。
生活に支障をきたす場合もある。

○感覚入力に対する敏感性(過敏)
・防衛反応として、
 逃げる、集団に入れない、
 攻撃的になる
・強い緊張感、不安、拒否的

○感覚入力に対する鈍感性(鈍麻)
・気づかないため、
 ボーッとする、眠くなる
 やる気がないように見える
・感覚を積極的に求める
 多動傾向(貧乏ゆすり、手足そわそわ、
 髪の毛をいじる、鉛筆やハンカチを噛む)
・姿勢が悪い、椅子を傾ける
・力加減が分からないため、
 暴力的、物を乱暴に扱う
・不器用、運動音痴
・人との距離感が近い
・人との境界線が分かりにくい


感覚は、
イメージされにくく、共感されにくい。
まず、認めてあげる。
その後、脳機能調整活動を促す。


  次記事に続きます。

 ここまでのお話に近い内容の記事が
 過去にありました。 
 こちら → 「感覚と運動の機能」



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『ボクは、すごく敏感なんだ』

そうだよね~。
なでたとこ、必ず舐めるもんね。


『猫って、そういう(感覚過敏な)もんなんだ』

いやいや、キミはとりわけ、だと思うよ ( *´艸`)


『だから、いろいろ大変なんだ』

そうだね。
いろいろ丁寧に優しくしてるつもりだけど・・

(2019年 6月中旬 朝)
(出窓でまったりマリン)







合理的配慮

2019年11月09日 | 学習ノート3
次のお話です。

2017年6月、
静岡県こども精神保健フォーラムが、
「合理的配慮の実際を考える」のテーマで開かれ、
参加してきました。

(夏苅先生のお話を聞いた2週間後ですね)

第一部で、
桑原 斉(ひとし)先生
(浜松医大 子どものこころの発達研究センター)
による、基調講演
「高等教育機関における合理的配慮」
がありました。

その中から一部をまとめてみます。

〇「障害者の権利に関する条約」
・2006年、国連で採択、
 2014年、日本で批准。
*タイムラグがあるのは、
 2006年当時、日本がまだ批准する土壌になかった。
 障害者の権利に関して遅れていた。

・目的(第一条)
 すべての障害者の人権、基本的自由の
 完全かつ平等な享有を促進、保護、確保すること、
 障害者の固有の尊厳の尊重を促進すること

・定義(第二条)
「障害に基づく差別」とは、
 あらゆる区別、排除、制限のこと。
 政治的、経済的、社会的、文化的、
 その他あらゆる分野において、
 他の者との平等を基礎として、
 すべての人権、基本的自由を認識、享有、行使を
 害し、妨げる目的、効果を有するもの。
 あらゆる形態の差別を含む。
 (合理的配慮の否定を含む)
「合理的配慮」とは、
 障害者が他の者との平等を基礎として、
 全ての人権、基本的自由の享有、行使の確保のための、
 必要かつ適当な変更、調整。
 特定の場合において必要とされるもの。
 均衡を失した、また、過度の負担を課さないもの 
*サービスや慈悲でなく、社会として当然のこと。


〇障害者差別解消法
 (2016年施行)
・第7条「行政機関等は・・・」
 社会的障壁の除去を必要としている旨の
 意思の表明があった場合において・・・
 必要かつ合理的な配慮をしなければならない。
・第8条「(民間)事業者は・・・」
 必要かつ合理的な配慮をするように
 努めなければならない。

〇(本人の)意思の表明
*障害のある方と合理的配慮提供者が、
 よく話をしましょうということ。
 双方の建設的対話による相互理解を。
*「前例がないから」と断ってはダメ。
 まずは、本人と交渉を。

〇合理的(適当)であること
*その活動、その事業の本質は変更してはいけない。
 本質を守りながら、環境調節をすること。
 ex.アクティブラーニングの能力を本質とする授業で、
   配慮として、〇×式のみの学びをさせる、は違う。

〇過重な(過度の)負担でないこと
・物理的、人的制約  ・技術的制約
・体制上の制約  ・費用・労務
・事業への影響(第三者の権利利益の侵害)
*担当者が「ちょっと疲れるから」程度では、
 「負担」には当たらない。

〇社会的障壁の除去
・環境因子を適合させる。
・教育プログラムの調整
 介護の提供、補装具の提供、
 日常生活用具の提供
*これまでは、
 訓練、トレーニングによる、
 個人因子の向上が強いられてきた。
 今後は、
 環境因子を変えようの方向に。

〇「統合モデル」
*合理的配慮だけで、
 本人がHappyになるわけではない。
 長い歴史の中で、
 治療・訓練・SSTによる
 個人因子への働き掛けも向上してきた。
*いろんな価値観を本人が選べるように。

*結果として、その人のパフォーマンス向上、
 機会均等になることを目指す。


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『合理的配慮って・・・難しいよ~』

意味も、実際も、ね。


『眠くなってきた』

最先端であるはずの国会でも、
れいわ新選組の議員さんきっかけに、
バリアフリー化、やっと第一歩、とのことで。
(差別解消法施行から、まだやっと2年半だものね)

(2019年 6月中旬 朝)
(出窓でまったりマリン)







見通しと工夫

2019年11月07日 | 学習ノート3
前記事の続きです。(Prat5 最終)

「子どもの不適応 その原因と対応について」 より
  夏苅郁子 先生
 (やきつべの径診療所 医師)
  2017年 6月


最後は、
学校に適応できず、医療にかかった子の、
見通し(予後 将来の回復状況)と、
夏苅先生が工夫されていることの
お話がありました。


〇見通しの評価
・医師の視点:縦軸 個の一生を見る
・教師の視点:横軸 個の集まりである集団を見る


〇見通しの予測に影響するもの
・IQ:平均ぐらいあれば、良い
・発達の偏り:少ない方が、良い
・トラウマの数:少ないほど、良い

・IQの問題や、多少の発達の偏りはあっても、
 よい環境で育った場合、見通しは良い。
・不登校や通信制の高校、障害者施設で働くことはあっても、
 長期のひきこもりや犯罪、自殺は起きていない。
・引きこもりや犯罪・自殺を防いで、
 その子なりの人生を送ることができるように支援すべき。


〇事例からいえること
・境界知能でも発達の偏りがあっても、
 親や周囲から慈愛に満ちた接し方をされた子は、
 社会適応できている。

・挫折してしまった子や親が、
 立ち止まってしまったら人生終わり、
 と考えてしまう風潮を何とかせねば。
・縦軸の生き方への社会の理解が必要。


〇そのためにやっている工夫
・子は横軸の中で生きているので、
 横軸を見ながらも、
 縦軸の予想(この子は将来どうなっていくのか)
 を織り込む。
・親の理解を得て、やる気を出させる。
 今後の見通し、予測をし、
 親の不安を軽くする。

・うまくいかないと他人のせいにするケースについて
 ex.「親のせい」は、「防衛」と考えて。
 自分のせいにすると死にたくなるから。
 うまくいかないと自分の人生が苦しいから。
 説教でなく、時間を与える。
 待つことは最大の支援。

・その子なりの努力を期待する。
・その子なりの努力を引き出せるように支援する。
・孤立させない。かかわること。
・診断名から決めつけるのでなく、
 将来どうなっていくのかから考える。
・診断名より、状態像を見る。

*トラウマが少ない子
・時間薬を期待し、学校の中でできることをやる。
 みんなと同じようにできなくても、
 縦軸の見通しは良い
*トラウマが多い子
・親の問題が大きい。
・担任は、できる範囲の配慮をする
・本人の希望を大事にする。


☆人薬:信頼できる人に相談する。
 孤立させないこと。
 仲間がいると思えるように。

☆時間薬:その人が回復するまで待つ。
 待つというのが最大の支援。


☆親が支援を拒否するケース
 その時にできる最善を尽くす。


夏苅先生のお話からの記事は
今回で終わりです。


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『(回復を、その子なりの成長を)待つ、って・・』

環境を整えて、見守る、ってことかな。


『大事なことなんだね』

難しいけどね。

(2018年 3月下旬 昼 撮影)
(玄関マットの上でごろりんマリン)