つれづれまりん

いたずら白猫マリンの気ままな日常 を経て、
超いたずら 甘えん坊 ほぼ白猫 ハンニャの気ままな日常 へ

学ぶことの重要性 他

2019年11月06日 | 学習ノート3
前記事の続きです。(Prat4)
「子どもの不適応 その原因と対応について」 より
  夏苅郁子 先生
 (やきつべの径診療所 医師)
  2017年 6月


〇発達障害+愛着障害の例
親:注意する
子:やり方が分からない
親:さらに注意する
子:反抗する
親:周囲からの非難
  自信喪失
  否定的な態度をとる
子:ますます反抗する
・・・負のスパイラル
愛着障害の合併へ 


〇不登校について
・診断名はない。
 しいて言えば、適応の障害。
・背景:素因・家庭環境・経済状態・友人環境、、、
 すべて。


〇早期診断に関連して
・周囲の理解があれば、(診断がなくても)
 子ども時代は、必要に応じて配慮してもらえる。
・子ども時代に配慮が必要だったケースでも、
 成人後は、特別な支援なくても
 やっていけるようになる例が意外に多い。
・時間がたてば改善するケースがある。
・診断をつけることが必ずしも必要とは思えない。
・早期介入は必要だが、早期診断は・・疑問。
・通級や放課後ディ利用のための診断書を書くことが多い。
 なんでも診断書が通行切符になる。
・診断名を明記しなくても、
 必要なら支援が受けられるようになるといい。


〇学ぶことの重要性
・早期診断の前に、
 精神疾患について、親子で学ぶとよい。
・みんなで学ぶことが、偏見の是正につながる。

*オーストラリアの例
・国策として、中学生全員に、
 必修科目として精神疾患についえ教える。
・精神疾患について、単なる知識として教える。
 →偏見の是正。
・学校を休むことも対策のひとつと伝える。
・悩みを聴く専門員(カウンセラー)の配置
 認知行動療法

*日本では
・プレママ教室で、正しい知識を伝える。
・子育てはとてもストレスフルな作業であると理解する。



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『正しく知ることが、偏見をなくすんだね』

学ぶことって、大事ですね。

おまけ

真上から

(2016年 8月下旬 朝 撮影)
(ピンクの丸いカゴにすっぽりマリン)
(今回も、古い画像ファイルからです)






薬物治療について 他

2019年11月04日 | 学習ノート3
前記事の続きです。(Prat3)

「子どもの不適応 その原因と対応について」 より
  夏苅郁子 先生
 (やきつべの径診療所 医師)
  2017年 6月


発達障害のひとつ、ADHDの症状
・実行機能の障害
 場に合わない行動のコントロールができない。
・報酬系の障害
 「待って得する」という遅延報酬が分からない。
・時間処理の障害
 物事を順序立てて処理することができない。
 段取り力がない。


ADHDの症状に、現在使用されている薬 
2種
・コンサータ
 実行機能・報酬系に有効
 報酬系に効く薬は依存しやすい。
 段取り力にはあまり効かない。 
・ストラテラ
 実行機能・時間処理に有効
 報酬系に作用しないので、
 依存の心配はないが、
 「待てる子」にする力は弱い。
※(インチュニブの発売は、この講演の直前)


〇多動症でコンサータ服用ケースの
 2つの事例
A)薬を飲むと「いい子になったね」とほめられる。
  しかし、本人の感覚は、
  「頭の上に重い石が置かれているよう。自分じゃないみたい」だと。
B)薬を飲まずになんとか過ごし、
  思春期になって、さらにひどい状態になった。
・どちらがよかったのかは、
 本人、家族のとらえ方によって違う。
・障害による大変さの緩和と、副作用の兼ね合い、
 何が利益となり、何が不利益となるか、
 ケースごとに考える。

〇「薬はいつまで飲むのか?」に対して
・治るまで飲む・・・は適用しない。
・自傷他害や著しい衝動行動が、
 自分でコントロールできるようになったらやめる。

〇薬について、
 賭け事のくじの話を例に、説明がありました。
 「9割の確率で当たるくじ」・・ほとんどの人が買う。
 「5割の確率で当たるくじ」・・買わない人も居る。
 ADHDの人は、どちらのくじも買う。
 治療薬を飲むと・・どちらのくじも買わない
          (過剰抑制が働く)
 つまり、健常な状態になれる薬はないのだ と。


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『薬って、難しいんだな』

お薬のおかげで、すごく助かることもあるけどね。

(2016年 8月中旬 昼 階段にて)
(少々古い画像の整理をしています)




突然ですが、、
大学入試に英語民間検定試験導入を見送り、
五輪マラソン・競歩を札幌開催に変更、
・・実施準備がすでに始まっているこの時期に、
関係の方々のご苦労が想像されます。

戦災からの復元がやっと終了して1年たらずで
赤々と燃え上がり崩れ落ちる首里城・・
この秋の台風、水害被害の復旧もまだまだでしょう。
・・現場の身近に居る人たちのご心痛は、
いかばかりかと思います。

ほんとうに、心折れそうなことが、
次から次へと起こってくる。
それでも、
社会はなんとか前に進んでいくんだなと。
たとえば、ラグビーW杯の感動をパワーにして、
みんなが、ほんの少しずつでも協力し合って、

「台風19号等水害復興募金」と、
「首里城再建支援募金」の
2つの箱がレジ前に並んでいるのを見て、
そんなことを思った深まる秋の3連休でした。








精神医学が抱える問題

2019年10月31日 | 学習ノート3
前記事の続きです。(Prat2)

「子どもの不適応 その原因と対応について」 より
  夏苅郁子 先生
 (やきつべの径診療所 医師)
  2017年 6月


学校に適応できないでいる子どもたちへの、
具体的対応策を考えていく前に、
「精神医学が抱える問題」
についてのお話がありました。
(2017年6月にされたお話です)


問題点 その1
〇精神疾患には、正確に診断する検査・方法がない。

・精神医学は、思考・行動の特性を
 外からの観察で診断する。
  ときには犯罪者が悪用する。

・精神科Drの役割は、難治性の病気を見つけること。
・統合失調症:一度かかると治りにくい、
  精神科の中で最も重度の病。
  ゴールは完治ではなく、
  本人の症状にあった生活ができること。
・それ以外の精神疾患は、人薬と時間薬で何とかなる、はず。
 人手と時間が足りないことが問題。
 (医療も学校も)

・発達障害と精神障害の区別が難しい。



問題点 その2
〇精神科では、
 発達障害を含めて多くの疾患が、原因が分かっていない。

・原因が分からない→治療法も曖昧
  →治療のゴールが曖昧
  →いつまで治療を続けるのか? と不安になる
・こうすれば必ず治るという定型治療がない。
・Drの考え方が、治療に大きく影響する。
・精神疾患は、原因も治療もゴールも曖昧。

・精神科で出されている薬は、
 「仮説」の上で投与されている。
  ex.「効いた」→ この薬でいいんじゃないの。


この後、「発達障害」についてのお話がありました。

発達障害は、
・原因は分からない。(治療)ゴールも曖昧。
・根本的な治療は、場数を踏んで成長を待つこと。
  成長:脳の体積が増えること
     通常より時間がかかる。
・誰がキーパーソンになって、
 いつまで関与を続けるのかを考える。
  
・核となる三つ組み
 (社会性、コミュニケーション、想像力、の障害)
 をふまえ、その子ができることを目指す。
・トークンシステム
 (社会性や道徳、規範を、ご褒美に置き換え)
 別室登校や放課後登校など
 (感覚過敏、人目が気になる に対応)
 通級指導、放課後ディ、SST
 薬物治療 (次記事へ)


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『お医者さんでも分からないこと、あるんだね』

血液検査や画像診断で、ピタッと分かればいいんだけどね。

(2017年7月上旬 午前 撮影)
(1F 広縁にて )




今日は10月最終日。(早すぎ・・)
ハロウィンですね。(あまり関係ないけど)

今月は、わりと密に更新できました。
お立ち寄りくださったみなさま、
ありがとうございました。







学校に適応できない子どもたち

2019年10月29日 | 学習ノート3
本記事は、マリン画像、2枚です。
よろしかったらお立ち寄りくださいね~。



さて、次のお話です。

「子どもの不適応 その原因と対応について」 より
  夏苅郁子 先生
 (やきつべの径診療所 医師)
  2017年 6月


子どもの不適応の原因と対応について、
「児童精神科医としての経験から
   思うこと、お伝えしたいこと」
というサブタイトルで講演されました。

まず、
教育と違って、医療は、
つまずかないために、ではなく、
つまずいたら、どう支え、回復させるかを考えている、と。

また、
精神医学に、頼れることと頼れないことがある、とも。


その上で、
「学校に適応できない子どもたち」は、
(医療にかかわるケースでは)
大まかに、2つに分けられる、と。

①その子自身に発達の偏りがある
(程度の差はあるが「発達障害」)
②「発達障害」以外

②の「発達障害」以外のものについて
・うつ病
 児童期:0.5~2.5%
 青年期:2~8%
・統合失調症
 13~14歳ごろから急増
 成人の有病率1%
・パニック障害 青年期後半から
・社会恐怖 典型例は10代半ばから
・強迫性障害
 児童思春期で0.5~4%
・摂食障害 若年女性では
  神経性無食欲症:0.1~0.5%
  神経性大食症:1~4%


その後、
現在の精神医学が抱える問題点、
についてお話がありました。
 (次記事へ)



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『学校に適応するっていうのも、、、』

『あんがい大変なんだよね』


『ほとんど問題なく過ごせちゃう人も居るけど』

『けっこう大変に感じる人も居るんだ』

そうだね。

(2017年 大晦日 夜 撮影)
(電気イスでゆったりマリン)


最近からの読者の方々へ、
「電気イス」についての説明です。
こちら → 「電気いすマリン」 




先週金曜日(10月25日)の、
千葉県方面に被害をもたらした大雨は、
気象庁のスーパーコンピューターでも予測が困難だったとか。

学校や幼稚園で取り残された子どもたちが居たり、
スーパーに買い物に来て帰れなくなり、
一夜を明かすことになったケースもあったり、
車で移動中に命を落とされた方もいて・・・
まさに、「不意打ち」の
短時間の極端なとんでもない豪雨だったのですね。

スウェーデンの高校生
グレタ・トゥーンベリさんではないですが、
ホントに、この明らかな異常気象、気候変動、
もう、一刻の猶予もないような気がします。
何か、私たちに今できることはないのでしょうか。







解離について

2019年10月26日 | 学習ノート3
前記事の続きです。(Prat3)

「学校臨床における愛着と心的外傷の問題」 より
  新村信幸 氏
  (中学校・高等学校 教育相談室  臨床心理士)
  2015年9月の講演


解離とは
・耐えがたい苦痛を切り離して自我を守る機制(仕組み)
・自分の身に起こったつらい体験を、
 心を切り離すことによって
 自分のことではないものとする。
☆「集中」や「没頭」といった「日常的解離」もある。


解離が生じる体験
・性的外傷体験
・虐待
・親の不仲・離婚
・いじめ    
  など
☆「過剰同調性」(いい子)が、気質的背景とも。

愛着と解離
・乳幼児は統合されていない自我状態をいくつも持っており、
 愛着形成と他者とのかかわりによって、
 それらが統合される。
・愛着形成の不全によって、
 統合されていくはずの自我が統合されずに、
 ゆるいまま成長してしまう。
 (愛着障害による解離)


DSM-5による分類
「解離性性障害群」
・解離性同一性障害
・解離性健忘
・離人感・現実感消失障害
 離人感:自分の思考・感覚・感情・身体などが
     非現実であると感じる体験
     外部の傍観者であると感じる体験
 現実感消失:自分の周囲が、
       非現実的な、
       夢のような、
       霧がかかったような
       生命感のない体験。
  (現実検討能力は維持される)
・他の特定される解離性障害
 ストレスが強い出来事への急性解離反応など


トラウマ記憶のモードと解離
・トラウマ記憶は、
 いつまでも今の現在のものであり続ける。
 常にたった今の体験として繰り返し反復される
 (フラッシュバック)→さらに傷つきを重ねる。
・時間軸が動かない
 過去にならない
・解離の機制によって処理するしかない。
・心の一部を犠牲にして、そこに閉じ込めて切り離す。

・切り離したものを閉じ込めるために
 エネルギーが必要で、
 自分が使える意識領域もどんどん狭くなっていく。
・虐待やいじめなど、繰り返されるトラウマには、
 解離が繰り返し使われる。
・封じ込めを維持するために、
 多くのエネルギーが使用され、
 使えるエネルギーがさらに低下する。


「解離性障害」は、関係性のストレス
  ・・岡野健一郎先生
・明白な心的外傷体験を幼児期に持たない場合でも、
 解離性障害が形成される可能性あり。
・虐待のように明白に与えられた外傷ではなく、
 個別的・主観的なもので、
 客観的に見極めることが難しい。
ex.娘が母親の期待に応えて
  自分の本当の気持ちや考えを
  自由に表現できずに心の底に隔離して
  「偽りの自己」で生きてきたために
  解離性が促進する。
→思春期に病理が発現するケースが多い。



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『ボクが、ボクじゃなくなっちゃう、ってこと?』

まあ、たとえば、そういうこともね。

・・っていうか、キミはどこに行ってるの。

(1F ばあばの洗面脱衣室を走るマリン)
(2018年9月上旬 夜 撮影)