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記事
聖書のみ」説。後編
FR. レスリー・ランブル - 1993年1月1日
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2部構成の第2弾です。第一部はこちらからアクセスできます。
プロテスタントの改革者たちが、聖書にはキリスト教徒が信じるために必要なすべてのことが適切に書かれていると仮定したことが、プロテスタントが「伝統」に対して広く偏見を持つようになった大きな原因となっている。なぜなら、教会における啓示された真理の伝達が問題となる場合、カトリックの教義は、単なる人間的な伝統ではなく、神の伝統と呼ばれるもの、つまり、もともと神によって啓示され、聖霊の保護のもとに、歪曲や倒錯のあらゆる危険性から守られて教会に伝えられている真理に関わるものであるからだ。
さて、キリストと使徒たちによって教えられた多くの重要な教義が、新約聖書の書物、つまり本質的に断片的な性格を持つ書物に書き留められなかったことは確かである。実際、すでに見たように、新約聖書にある使徒的説教の一部でさえ、文章化されたのは、教会創立から20～30年後のことであった。
カトリック・アンサーズ・プレス新刊を入手する。リアル・レリジョン by Fr-Kirby
最初のキリスト教徒が大切にしていたのは、使徒的な教えであり、その教えは、一部は新約聖書の記述によって、一部は伝統によって、教会に残されてきたのです。聖パウロはテサロニケの人々に、「兄弟たちよ、しっかりと立って、あなたがたが学んだ伝統を、言葉によっても、私たちの手紙によっても、守りなさい」（2テサロニケ2：14）と書いている。聖ユダは "聖徒に一度引き渡された信仰 "を維持する必要性について話しています(ユダ3)。彼は、新約聖書の書物に書かれたその部分についてだけ語っているのではありません。新約聖書に書かれている部分だけでなく、キリスト教の教えはその全体がカトリック教会の公式の教えの中に守られているのである。
しかし、伝統的な教義の伝達は、新約聖書に書かれている以上に、キリストと使徒のあらゆる明白な教えが、時代から時代へと口伝えで機械的に継続的に伝えられていると考えてはならない。これらの教義のいくつかは、初期キリスト教の教父の著作に記録されているが、それは、たまたま彼らの注意を引いた特定の主題の範囲内にあるものだけである。また、考古学的な碑文や、信者の間で広まっている宗教的な習慣、あるいは規律規範や典礼書の研究から発見されるものもある。しかし、これらはすべて、いわば、教会の生きた意識が表面に現れてくるポイントに過ぎないのです。
部分的な提示に終始する
伝統とは本質的に教会の生きた記憶であり、主に教会の真正かつ無謬の教えの中に現れるもので、その中で聖霊は、キリストの約束に従って、教会の誤りを防ぎ、「すべての真理」（ヨハネ16：13）に導くのです。カトリック教会の無謬の声を聞かず、聖書だけを指針とする人々は、たとえ書かれた神の言葉に含まれる多くを正確に理解しているとしても、キリスト教の単なる部分的な提示に委ねられているのである。
ここで、C.H.ドッド教授が述べたもう一つの考え方に戻ろう。彼は、プロテスタントの改革者たちの「開かれた聖書」理論から生じた無責任な逸脱に対して、「ローマ教会は、聖書の読み方をより厳格に管理することによって答えた」と述べている。このような反応は、確かに理解できなくはない。耕す少年」でさえ、自分の言葉で聖書を読めば、その真意を知ることに何の困難も感じないだろうと考えたのは、ウィリアム・ティンダールであった。しかし、事態は彼の期待通りには進まなかった。そして今日、プロテスタントの学者たちは、なんと異なることを語っていることだろう。聖書を完全に理解するためには、広範で多様な知識の装備が必要だが、例えばシェイクスピアの学者の装備はそれと比べても控えめである。私たちは、限られた能力しか持たない人々が、部分的にしか理解していない考えと格闘しているのを目にする。
裏切り者としての翻訳者
第一に、ある言語から別の言語への翻訳が問題となる場合、つまり古代語から現代語への翻訳はさらに困難であり、原作者の意図を正確に伝えることが常に可能とは限らないということを忘れてはならない。
この難しさから、イタリアでは "Traduttore traditore"（翻訳者は裏切り者）という諺が生まれた。ということわざがあります。
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聖書のみ」説。後編
FR. レスリー・ランブル - 1993年1月1日
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プロテスタントの改革者たちが、聖書にはキリスト教徒が信じるために必要なすべてのことが適切に書かれていると仮定したことが、プロテスタントが「伝統」に対して広く偏見を持つようになった大きな原因となっている。なぜなら、教会における啓示された真理の伝達が問題となる場合、カトリックの教義は、単なる人間的な伝統ではなく、神の伝統と呼ばれるもの、つまり、もともと神によって啓示され、聖霊の保護のもとに、歪曲や倒錯のあらゆる危険性から守られて教会に伝えられている真理に関わるものであるからだ。
さて、キリストと使徒たちによって教えられた多くの重要な教義が、新約聖書の書物、つまり本質的に断片的な性格を持つ書物に書き留められなかったことは確かである。実際、すでに見たように、新約聖書にある使徒的説教の一部でさえ、文章化されたのは、教会創立から20～30年後のことであった。
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最初のキリスト教徒が大切にしていたのは、使徒的な教えであり、その教えは、一部は新約聖書の記述によって、一部は伝統によって、教会に残されてきたのです。聖パウロはテサロニケの人々に、「兄弟たちよ、しっかりと立って、あなたがたが学んだ伝統を、言葉によっても、私たちの手紙によっても、守りなさい」（2テサロニケ2：14）と書いている。聖ユダは "聖徒に一度引き渡された信仰 "を維持する必要性について話しています(ユダ3)。彼は、新約聖書の書物に書かれたその部分についてだけ語っているのではありません。新約聖書に書かれている部分だけでなく、キリスト教の教えはその全体がカトリック教会の公式の教えの中に守られているのである。
しかし、伝統的な教義の伝達は、新約聖書に書かれている以上に、キリストと使徒のあらゆる明白な教えが、時代から時代へと口伝えで機械的に継続的に伝えられていると考えてはならない。これらの教義のいくつかは、初期キリスト教の教父の著作に記録されているが、それは、たまたま彼らの注意を引いた特定の主題の範囲内にあるものだけである。また、考古学的な碑文や、信者の間で広まっている宗教的な習慣、あるいは規律規範や典礼書の研究から発見されるものもある。しかし、これらはすべて、いわば、教会の生きた意識が表面に現れてくるポイントに過ぎないのです。
部分的な提示に終始する
伝統とは本質的に教会の生きた記憶であり、主に教会の真正かつ無謬の教えの中に現れるもので、その中で聖霊は、キリストの約束に従って、教会の誤りを防ぎ、「すべての真理」（ヨハネ16：13）に導くのです。カトリック教会の無謬の声を聞かず、聖書だけを指針とする人々は、たとえ書かれた神の言葉に含まれる多くを正確に理解しているとしても、キリスト教の単なる部分的な提示に委ねられているのである。
ここで、C.H.ドッド教授が述べたもう一つの考え方に戻ろう。彼は、プロテスタントの改革者たちの「開かれた聖書」理論から生じた無責任な逸脱に対して、「ローマ教会は、聖書の読み方をより厳格に管理することによって答えた」と述べている。このような反応は、確かに理解できなくはない。耕す少年」でさえ、自分の言葉で聖書を読めば、その真意を知ることに何の困難も感じないだろうと考えたのは、ウィリアム・ティンダールであった。しかし、事態は彼の期待通りには進まなかった。そして今日、プロテスタントの学者たちは、なんと異なることを語っていることだろう。聖書を完全に理解するためには、広範で多様な知識の装備が必要だが、例えばシェイクスピアの学者の装備はそれと比べても控えめである。私たちは、限られた能力しか持たない人々が、部分的にしか理解していない考えと格闘しているのを目にする。
裏切り者としての翻訳者
第一に、ある言語から別の言語への翻訳が問題となる場合、つまり古代語から現代語への翻訳はさらに困難であり、原作者の意図を正確に伝えることが常に可能とは限らないということを忘れてはならない。
この難しさから、イタリアでは "Traduttore traditore"（翻訳者は裏切り者）という諺が生まれた。ということわざがあります。
