冷戦下、ヨハネ・パウロ2世のビジョンに屈したキッシンジャーの現実主義

冷戦下、ヨハネ・パウロ2世のビジョンに屈したキッシンジャーの現実主義
コメント：水曜日に100歳で死去したヘンリー・キッシンジャーは、米国の外交政策の歴史において最も影響力のある人物の一人であった。


2001年5月23日、サンピエトロ広場での一般謁見で、ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官と握手する教皇ヨハネ・パウロ二世。
2001年5月23日、サンピエトロ広場での一般謁見で、ヘンリー・キッシンジャー元米国務長官と握手する教皇ヨハネ・パウロ2世。(写真：Arturo Mari / AP Photo / Vatican)
ポール・ケンゴール
解説
2023年11月30日
ヘンリー・キッシンジャーは外交政策における伝説的人物だった。その影響をプラスと見るかマイナスと見るか、良くも悪くも、政治的スペクトラムのどこに立つかによって異なる。しかし、その時代の分断線は、今日私たちが目の当たりにしているような左派対右派の二極化ほど予測可能なものではなかった。確かに、キッシンジャーは政治的左派の多くから軽蔑され、誹謗中傷さえ受けたが、多くの保守派が彼と彼の政策を嫌っており、右派内でも軋轢の原因となっていた。


こうした対立軸のいくつかを考察する前に、キッシンジャーがアメリカの外交政策史上、とりわけ20世紀後半において最も影響力のある人物の一人であったことを述べておかなければならない。1970年代、彼はリチャード・ニクソンとジェラルド・フォードの両大統領に国務長官と国家安全保障顧問として仕え、一時は両職を同時に務めたこともあった。

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