2020年7月23日
古代ウイルスDNAは、バイキング時代の北ヨーロッパで天然痘が広まっていたことを示唆している
査読付き出版物
アメリカ科学振興協会 (AAAS)
新しい研究によると、古代の人間の遺体から分離されたウイルス DNA により、7 世紀の北ヨーロッパで天然痘が存在していたことが明らかになり、この病気が人間に存在した決定的な古さが 1,000 年近くも延びることになった。また、バイキング時代のヨーロッパ中に広まっていた可能性がある、これまで知られていなかった現在は絶滅した天然痘ウイルスの系統も明らかになった。天然痘は、痘瘡ウイルス (VARV) によって引き起こされる最も毒性が強く、壊滅的な人間の病気の 1 つで、20 世紀だけで 5 億人もの死者を出し、それ以前の数世紀の人間の犠牲者は計り知れない。40 年前、天然痘は人類から根絶された最初で唯一の病気となった。天然痘の根絶は公衆衛生の最大の勝利の 1 つであるが、天然痘に似たウイルスが再び出現したり、意図的に放出されたりするのではないかという懸念は残っている。残念ながら、人間における天然痘の起源と進化については、多くのことが謎のままである。現在考えられているのは、アフリカの天然痘に似たウイルスの祖先が数千年前にげっ歯類から人間に伝染し、非常に毒性の強い現代のVARVに進化したということだ。しかし、このウイルスの最古の遺伝学的証拠は1600年代半ばにまで遡るだけだ。感染の可能性を記した曖昧な文書記録や、古代エジプトのラムセス5世のミイラに見つかった皮膚病変を除けば、古代における天然痘の具体的な例はつかみにくい。Barbara Mühlemannらは、ハイスループットショットガンアプローチを使用して、およそ31,000年前から150年前に生きていた1867人の考古学的遺物から古代の天然痘を探し、13人からウイルス配列を回収した。そのうち11人はすべてヴァイキング時代(西暦600年~1050年頃)の北ヨーロッパ出身だった。 Mühlemann らは、天然痘感染の最も古い証拠を 1000 年近く遡らせたことに加え、