本当に検事の個人的な資質の問題なのか。報告書には、問題の背景や動機への言及さえほとんどない。第三者を入れない身内の調査に、市議らから「甘い」という批判の声が出たのは当然だ。
供述の誘導が組織的な指示ではないとしても、何が何でも自白させるよう求める無言の圧力などはなかったのか。検察は、個人の責任に終わらせず、自白偏重と批判される捜査手法を含め、組織として再発防止を図るべきだ。
検察は現在、自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件の捜査を進めている。 恣意 しい 的で不公正な取り調べだと再び非難されないように留意する必要がある。
検察には、捜査から起訴までを一貫して担う強力な権限がある。それを支えるのは国民の信頼であることを忘れないでほしい。