「なるほど!ここが穂織か!!」
「やっと着きましたね!」
私、二条院羽月は刀にかなり興味があった。一緒に付き合ってくれた彼女は三司あやせという。私達は伝説の刀がこの穂織の神社にあると聞いて、夏休みを利用してやって来たのだ!あやせくんも刀に興味があったみたいで、2つ返事で付き合ってくれた。本当は暁くんと七海くんも付き合ってくれることになっていたのだか、急にお父上に呼ばれて実家に帰って行った。実家の用事なら仕方ない……
「それにしても、古き良き街並みですね」
「そうだな…。なんか時代劇に出てきそうで興奮する……」
「え?なんです?」
「い、いや…気にするな」
「はぁ…そうですか?」
彼女とは友人になったとは言え、まだ私の時代劇好きを言ったことはない。知っているのは暁くんだけ…。だから今回は彼に来て欲しかったな…この喜びを共有したかったのだが…
「へ〜い!そこのお二人さん!」
「わ!?なんですか??」
「外国人か!?」
いきなり和装を着た金髪の女の子が現れた。私達と同い年くらいか…。どこかあやせくんに似ているような……。しかしまあ…
「大きい……く……」
なぜか悔しそうにしているあやせくん。
「お二人は観光か何かですか??」
「そうなんだ。この街には伝説の刀があると聞いてな…。あと、有名な温泉旅館があるとか…そこに泊まることになっているんだが…」
「Oh!その旅館とは『志那都荘』ですか??」
「確かそうだったような…」
「そうですよ!『志那都荘』です。」
「Wow!私、そこで仲居として働いています!ご案内いたしますよ〜」
「それはありがたい!是非とも頼む!」
「承りました!ようこそ!穂織へ!」
旅館へ移動し、客室へ通された。あの子、本当にこの旅館の仲居だったのか…。早く刀が観たい気持ちをグッと我慢して、今日はゆっくり旅館で過ごすことにしよう。
「ところでレナさん、この街には伝説の刀があると聞いたが…」
ここに案内してくれた、あの金髪の仲居さんに聞いた。彼女はレナ・リヒテナウアーというらしい。レナと呼んでくれと言われたところだ。
「おそらく『叢雨丸』のことではないかと思うのですよ…。」
「『叢雨丸』…ですか…」
この2人、どこか似ていると思ったら、声か…
「2人共、どこか似ていると思ったら、声がそっくりだな…」
「「え!?そうですか??」」
「やっぱりそっくりだ!ははは」
「うう…そんなに似ていますか?………それならある部分も似てくれると良かったのですが……く……ボソ」
また悔しそうな表情をしている何かあるのだろうか…
「どうかしたのか?」
「い、いえ…気にしないで下さい…あはは…」
何かあるのだろうが気にしないようにしよう…
「そこで『叢雨丸』はどこにあるだ?」
「『建実神社』という神社にありますですよ」
「なるほど!神社にあるのだな!」
神社にあるとは……本当に宝刀か何かだろうか……。レナさんは更に…
「『叢雨丸』はもちろんですが、実はもう一つ注目して欲しい人物がいるのですよ」
「注目して欲しい人物??」
「建実神社の巫女姫様ですよ!」
「巫女姫様か…」
どんな人物なんだろう…凄く気になる…
「巫女姫様の舞も楽しみにして下さいね!」
『叢雨丸』に巫女姫様か……明日がより一層楽しみになってきた…
「さて、そろそろ温泉行きますか?」
「すまん、もう少しレナさんから話を聞くから、先に行ってくれるか?」
「分かりました!ではお先に!……私はその方が……バレずに済みますし…ボソ」
「何か?」
「いえ、何も…あはは」
あやせくんの挙動不審も気になるが、私はレナさんを質問攻めにするのだった…
〘続く〙
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