PCEは総合コアともに鈍化し、市場予想と一致しました。
1月27日公開の米商務省のデータによると
個人消費支出(実質)は2ヶ月連続で減少し、
インフレの鈍化は確実になっています。
Personal income……個人収入(この図では前期比)
Personal saving……個人貯蓄
Personal Outlays……個人支出
DPI(disposable personal income)……個人の可処分所得
出典 米商務省
Personal Income and Outlays, December 2022 | U.S. Bureau of Economic Analysis (BEA)
ただ、70年代のオイルショックでは
一度インフレが収まったように見えて利下げしたら
またインフレがぶり返してきて、
前よりさらに上がってしまったという
スタグフレーション(インフレと失業の共存)の
苦い教訓があるので、
舵取りの難易度はかなり高くなっていると思われます。
さらに、景気指標がまちまち(製造業は景気後退、住宅は下落、サービスと失業率は堅調)で
景気判断が難しいそうなので、
今の市場の楽観的な株高は
裏を掻かれると結構痛い目に遭いそうなんですよね。
それと、FRBの買いオペ残高がかつて無いほどに膨れ上がっているので、
QTでの消化をやりきらないうちに
不況になってしまうと、
次の量的緩和ではインフレがさらに加速しやすくなると思います。
とはいえ、インフレが鈍化しつつ、失業率が低く、
経済成長率のGDPや可処分所得、貯蓄率、
そして株が上がっている以上、
今のところはソフトランディング軌道ですね。
(私が見る限りでは、某投資系ユーチューバーさんが言っておられる
「クレジットカードで借金まみれ、危ない!」という
感じではないですね……あるいは節約志向なのかもしれないですが)
短期的(数ヶ月~半年程度)にはリスクを大きく取って
株式投資が正解のようです。
私はエネルギー株・金鉱株・銀行株を売り払い
30年の超長期米国債を買ってしまったので
資金の大部分を動かせません。本当にありがとうございました。
ちょっと判断を急ぎすぎたようです。
まぁ、ミニマルFIREは資金が減らないのが一番。
保守的に、慎重に行きたいところです。
(以下、ヒマ人さん向け)
私が気になった
細かな用語について
「個人支出」と「個人消費」って似たようなもの、もしくは同義だと思いますが、
ググると
個人支出とは?
個人が支出した金額。
「個人消費支出」ともいいます。
自動車や家電製品などの「耐久財」、
食品や日用品、衣料などの「非耐久財」、
旅行や外食などの「サービス支出」の3つで構成されており、
サービ ス支出が全体の約6割を占めています。
米国は個人消費がGDPの7割を占めることから、
個人の消費動向が把握できるとして、注目されています。
わかりやすい用語集 解説:個人支出(米国)(こじんししゅつ(べいこく))
とあるのですが、
アメリカ合衆国商務省経済分析局の検索用語集だと
個人支出とは?
Personal outlays
The sum of personal consumption expenditures (PCE), personal interest payments, and personal current transfer payments.
Personal outlays | U.S. Bureau of Economic Analysis (BEA)
=個人消費支出 (PCE) + 借金の利払い + 移転支払い(政府機関への寄付金、手数料、罰金など?)
personal current transfer paymentsとは
Payments consisting of transfer payments by persons to government and to the rest of the world. Payments to government include donations, fees, and fines paid to Federal, state, and local governments, formerly classified as "personal nontax payments."
Personal current transfer payments | U.S. Bureau of Economic Analysis (BEA)
個人経常移転支出
個人による政府および国外への移転支出からなる支払い。
政府への支払いには、連邦政府、州政府、地方自治体への寄付金、手数料、罰金などが含まれ、
以前は「個人非課税支出」として分類されていました。
と書いてあり、こっちだ!と自信を持って言えないので、
微妙にモヤモヤしています。
もし、個人消費=個人支出であるのならば、
アメリカ経済の7割を占める個人消費が減れば、
次のGDP成長率もEPSも下がり、
リセッションになるはず。