飛ぶクラブ選びの条件「ドライバーのライ角度」

「今から行っても大丈夫ですか？」とお電話頂き、予定通りにご来店下さった広島市の“Ｎ”様。他のお客様とブッキングしてしまい、少々お待たせして申し訳なかったが、まずは今お使いのクラブを点検させて頂く。

カスタムメイドと思われるフルセットだったが、１Ｗはライ角５９°とアップライトで、３Ｗは５７°とフラットである。シャフトもＳＲのカーボンシャフトで１Ｗの固有振動数は４５インチで２４２cpmと柔らかめ。６Ｉの方はＤＧ ＳＬ（Ｓ３００）が組み込まれており、固有振動数３３０cpmと結構硬めである。

実際に打ってみて頂くと、１Ｗのヘッドスピード：４８m/s、スイングプレーン：４８°、スイングテンポ：５、スイングドクターで診る限り少しリストターンに見えるのだが、グリップスピードテスターで計ったリストターン比率：９とボディーターンと出るのである。

こうなれば実際に色んなタイプのシャフトで実打テストをして頂いた方が良いと考え、色々と打って頂いた結果、グラファイトデザイン ツアーＡＤ　Ｉ－６５（Ｓ）が圧倒的に打点が正確で、「これはヘッドが走る気がして振り心地が良い。」とお気に召して頂き、まずシャフトは決定。

ヘッドは以前のヘッドがアップライト過ぎたのだろう「フックばかり出ていたんで・・」との経緯もあり、スイングプレーンから判断してフラットな物を、そして「あまり大きく見えない物を」とのご希望もあって、ライ角５６.５°のミズノ　ＭＰ－００３　８.５°（実効ロフトは９.５°前後）を推奨させて頂いて決定。

アイアンのライ角には気を遣う方でも、とかく１Ｗのライ角には無頓着な方が多い。しかし、芝を削らない１Ｗと言えどもライ角が変化すれば、実質的なフェースの向きが変化するのは当然であり、自分自身のスイングプレーンに合う物が好ましいのは当然の事。(＾＾)／“キッパリ !

「今日は１Ｗだけお願いしますが、その結果が良ければ次回はアイアンもお願いしたいので・・」と仰り、アイアンフィッティングもしっかりとさせて頂いた後、「１Ｗが出来上がり次第、宅配便でお送りしますから、最初は少しスライスするかも知れません。」「それをストレートにしようと練習して頂く事で良いスイングになられますからね。」と念を押してお見送りした。

※画像はＭＰ－００３のライ角をグリーンゲージで計っているところ。