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卒業生訪問 その3

2024-10-28 13:26:00 | 日記

[ムサ美校友会 静岡支部 卒業生訪問企画 その3]

「高須英輔造形デザイン室」主宰 高須英輔様(熱海市)油絵科  訪問日:2024年9月14日 

 猛暑の9月14日、熱海市網代にある高須英輔(たかすひでほ)氏のアトリエを訪問しました。高須氏は、建築意匠デザインを手がけながらレリーフ、屋外彫刻・モニュメント碑等コミッションワークを数多く手がけてみえ、今なお次から次へと創作に励んでおられます。相模灘を望む小高い丘の上の瀟洒な住宅兼アトリエは、とても居心地が良く、室内には氏の作品も展示してあって、さながら小さな個人美術館のようでした。参加メンバーは私と事務局の亀山さん、前回OB訪問させて頂いた鳥羽漆芸の鳥羽さんの3名でした。

 高須氏は1946年生まれで70年油絵科卒。70年安保の真っ只中だったため、大学での寝泊まりも何度か経験されたとのこと。卒業後、アシスタントを務めていた彫刻家井上武吉さんのアトリエを見て「油絵じゃなく立体をやらなきゃ!」と思い立ち、30歳でデザイナーとして独立。以後、彫刻から建築と幅広く活動の場を拡げることとなりました。

 86年より取り組む代表的なシリーズ「蘇生組積」は「一つの善が二つの善に。それが無限に広がって限りなく善にあふれて世界になってほしい」という氏の平和に対する願いがこもった作品群です。初めての大仕事はキャピタル東急ホテルで、以後ANAインターコンチネンタル石垣リゾートをはじめ、パブリックアートにスタンスを置きながら、ホテル、マンション等の展示物を数多く手掛けられました。また、展覧会やエキジビションへの出展は数知れません。2010年より、ライフワークとして古材を使用した「輾てん轉 -TEN TEN DEN-」プロジェクトをスタートされました。

 元々建築のご経験があるため、クライアントや施工会社とコミュニケーションを取りながら仕事を進めるスタイルは「とてもやり易い」と評判のようです。計画段階で必ず模型を作って確認されるということですが、奥様によると、あまりにも模型に凝り過ぎて赤字になってしまうこともあったとか!ちなみに、奥様は以前ギャラリーのキュレーターをされてみえましたが、中々ご主人の作品は展示してもらえなかったとのこと。たまたま設計依頼を受けて制作した階段の模型を見て初めて「これなら展示してあげる!」となったそうです。これが後の階段彫刻シリーズへと繋がって行きます。

 ガレージを改造したアトリエには、制作中の作品や過去の作品が並び、雑然としながらも整理整頓され、とても使い勝手がよさそうでした。奥の倉庫には、杉やケヤキなどの様々な古材や流木が出番を待っています。作品制作の際は愛用のナタを振るって木を割るとのことで、それが健康の秘訣かもしれません。

 訪問する直前の今年8月までは、玉川高島屋の大型壁面作品制作で忙しい日々を送られており、相変わらず精力的に活動されています。(来年8月末まで展示。添付写真最下段をご参照下さい。)

【訪問を終えて】

 お会いする前は「芸術家だけに気難しい方かもしれないな」と少しドキドキしながらお邪魔したのですが、予想に反してとても気さくな方でした。これだけの実績を残されているのに、何より全く偉ぶったところがなく、初対面の我々にもカジュアルに接して下さいました。奥様もとても楽しい方で、高須先生をしっかり支えてみえるご様子が窺えました。終了後、奥様も交え親睦会を行い、とても楽しい時間を過ごさせて頂きました。

 

【略歴】

1983年より空間デザイナーとして建築関係の空間づくりに携わりながら彫刻・彫刻的家具(漆)を発表。
1995年より階段をテーマとした彫刻作品の発表をはじめる。
2003年に作品集「57の階段彫刻」が加藤義夫芸術計画室より出版にいたる。
2010年より旧建築・古材使用し、持ち主の「おもい」と共にアート作品への再生する、「輾てん轉 -TEN TEN DEN-」プロジェクトを本格的にライフワークとしてスタートする。

詳細プロフィールと作品写真は下記HPよりご確認下さい。

高須英輔 HIDEHO TAKASU (earthvision.jp)



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