まゆげクリニック

メンタル、フィジカル両面に弱点を有する患者のリハビリ日記。

『手紙』 written by 東野圭吾

2007-01-07 23:59:22 | カルテ
歌舞伎町の松屋にベルトコンベアーが導入されていました。

まったく想像していなかった近代化に驚きを隠せない患者です。


さて、全日本コール連盟普及委員会北関東支部構成員である私(自分で飲むのは苦手)ですが、実は年始の連休を利用して早速2007年最初の活動を行ってきました。

全日本コール選手権のDVD片手に訪れたるは、静岡県は磐田市。

中高と共にソフト部のセンターラインを死守してきたT甲氏の洗脳に挑戦してみました。

結果、大成功とは行かないまでも、一定の満足はしていただいたみたいです。

今後は、T甲氏には全日本コール連盟普及委員会東海支部構成員として、そして今年の夏からはブラジルに異動ということなので、南米支部長としての活躍を期待したいところであります。


ところで、給料が日本の底辺(フリーター・ニート除く)である私ですので、移動には青春18切符を活用していたのですが、土浦から磐田までの鈍行での所要時間はなんと約6時間。

というわけで、その時間を利用して電車に揺られながら東野圭吾の『手紙』を読んでみました。


手紙

文藝春秋

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※※※

武島直貴の兄・剛志は、弟を大学に入れてやりたいという一心から、盗みに入った屋敷で、思いもかけず人を殺めてしまう。判決は、懲役15年。それ以来、直貴のもとへ月に1度、獄中から手紙を送る剛志。一方で、進学、恋人、就職と、つかもうとした人生の幸福すべてが「強盗殺人犯の弟」というレッテルによって、その手をすり抜けていく直貴。日を追うごとに、剛志からの手紙は無視され、捨てられ、やがて…。

※※※

重いテーマが淡々とした文章で綴られており、じわじわと胸を締め付けられる感じ。

とても考えさせられる作品だと思います。

「強盗殺人犯の弟」という逃れられない現実が繰り返し主人公に立ちはだかる様子はもちろんですが、彼を取り巻く『世間』の戸惑い、差別、同情、苦悩、冷たさにも胸がざわざわ。

当然その『世間』には「私」も含まれるわけで、本書の中で描かれる『世間』の反応には、「なんて冷たいんだ!」と思う反面、「でも、世間って(自分も含めて)そんなものかもしれない」と思ってしまいました。

逆に「じゃあどうしたらいいんだ?」と聞かれても、「分からない。」としか答えようがないですしね。

人間って難しいなぁ。


それにしても、電車で移動しながら本を読むというのは非常にいいものですね。

本に没頭していると、気づいたら自分がいつの間にか見たことのない場所に立っている。

その感覚がとても不思議で、不安で、心地よくて。

今年は本片手に気まぐれ一人旅を積極的に敢行してみようと思います。

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
きぐー! (AB)
2007-01-08 04:12:32
うちも今朝もっかいどうから帰るお供に買って読んでたの!!
なまらだなー。
ちょっと旬から遅れてこの偶然・・

なまらもやもやした。
まだ途中だけど。
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Unknown (つざki)
2007-01-08 12:24:43
サードの結婚式に行って、T甲のはなしを
エースとキャッチャーとP
からきいたよ
卒業してからあってないけどブラジルいくらしいとは。

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Unknown (患者)
2007-01-08 20:17:31
>AB氏
あら、これは本当に奇遇。
最初から最後までモヤモヤしっぱなしの作品ですよ。
今度映画も見てみようと思います。

>つざki氏
彼は立派な世界的教養人ですから。
とりあえずブラジリアン柔術をマスターすると言ってました。
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