宮崎正弘の国際情勢解題」
令和六年(2024年)11月28日(木曜日)弐
通巻第8526号
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ディープステーツよ、さようなら
民主党選対内部はトランプの大勝をはじめから予測していた
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カマラ・ハリスが勝つという主流メディアの筋書きはいかにして作られたのか。トランプと接戦という脚本を書いていたのは誰だったのか?
カマラ・ハリス陣営のデビッド・プラウフ上級顧問は、「多くの世論調査でハリス氏がドナルド・トランプ氏をリードしていると報告があったが、民主党内部調査ではハリス氏がトランプ氏を上回ったことは一度もなかった」と明らかにした。
そう、一度もなかったのだ。
保守系の『ワシントン・エグザミナー』紙によると、ハリス陣営の幹部らは、選挙戦は最初から敗北必至だと述べていた、という。
ならば彼らは陣営内部も欺していたことになる。
ポッドキャスト番組「ポッド・セーブ・アメリカ」に出演したプラウフ上級顧問は「 9月下旬から10月上旬にかけて世論調査が発表され、我々が見たこともないようなリードが示されたので、人々は驚いたと思う」と語り出した。
「もし人々が真実を知っていたら、ハリスは10億ドルの寄付金を無駄にする必要もなかった」(民主党の資金から10億ドルが蒸発していた。ハリス自身が2000万ドルの負債を背負った)。
ポッドキャストはSNSのラジオ版ともいえる新興勢力だが、いまやアメリカではイーロン・マスクのXとならび、ユーチューブより影響力があるとまで言われるが、画像と同時に音声が配信される。トランプは、この三時間番組で持論を述べたが、ハリスは10分しか喋る内容がないので出演しなかった。
典型的な誤りは世論調査員のアン・セルザーだ。彼女はアイオワ州で、ハリス氏がトランプ氏を+3ポイント上回ると予想し、実際の結果からなんと16ポイントも外れた。7月にハリスが民主党の大統領候補になった後、選対本部の囁きは「ジョー・バイデンの頭がおかしかったためだ」
そう、ハリスを指名するなど、バイデンはたしかに「頭がおかしかった」
ハリス選対の内部で行われていた機密の世論調査は選挙期間中ほとんど変化がなく、トランプの勝利を予測していた。
ハリス陣営の選挙対策責任者ジェン・オマリー・ディロンもポッドキャストに出演し、選挙対策副責任者のクエンティン・フルクス、ステファニー・カッターらもこれに異論を唱えなかった。
毎回、世論調査は当てにならないことを証明している。
トランプ大勝のあと、閣僚人事が矢継ぎ早に発表された。そろいも揃ったり、全員が対中タカ派、LGBTQナンセンス、資源エネルギー重視などで一貫しており、ネオコンは追い出され、ディープステーツはきれいさっぱり不在となった。