29日現在、ある日本人が中国のポータルサイト百度で注目度1位になっている。その人物とは映画監督「北野武」氏だ。注目を集めているのは、オリンピックの開会式に関するあの歯に衣着せぬ発言だけではなく「親子関係」だ。
中国メディアのテンセントは28日、「北野武氏”開幕式暗すぎる!”と発言 このかわいいおじいさんの人生は、なぜこれほど破天荒?」との記事を掲載。記事は、開幕式に関する北野氏の発言を分析し、同氏に深い影響を与えた母親サキさんの存在について詳しく述べている。
記事は、これまでの北野監督の人生を振り返りながら、「お笑い芸人、タレント、映画監督として有名になりながらも、たびたび様々な事件を起こしてきた」と紹介し「このかわいいおじいさんは、なぜこれほど破天荒なのか」と問いかけている。「その両極端な人格形成に影響を与え、支えてきたのが母サキさんの存在」と述べ、昔気質でストレートな物言いをする、厳しくも愛情のあるお母さんの存在について紹介している。
さらに、北野監督の母サキさんは、自分が亡くなった後に苦労しないように、と息子からの仕送りをすべて貯金していたことも紹介。その額は1000万円にも上っていたという。すでに映画監督としてお笑い芸人として地位を築き、財産を持っていたにもかかわらず、常に陰ながら同氏のことを心配し支えてきた母親の存在について紹介している。後に、北野氏も「自分の昔の友達はみんなろくな人生を送っていない。今の自分がいるのも母親の存在があったから」という趣旨の発言をした、と述べている。
記事はまとめとして、「母の死後北野氏は後悔の思いを語っている。家族に対しては率直に思いを伝え、愛を伝えよう。不満や小言ばかりを口にするのではなく、家族といい関係を築けるようにしよう」とまとめている。 破天荒ながら独自の映画作品を撮り続け、お笑い芸人としても一時代を築いた北野氏。北野監督の作品は、黒澤明などと並んで今でも中国で高く評価されている。今回、開幕式の発言で再び注目を集めた北野氏だが、体制に迎合することなく自分の道を突き進む生き方を中国メディアも評価し「愛すべき人物だ!」とまとめている。(編集:時田瑞樹)(イメージ写真提供:123RF)