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あとはおまかせ
韓国の非常戒厳が失敗した原因は、軍の出動が遅かったから
「特殊部隊」のくせに市民や野党議員より遅く国会に到着して議員と戦う事になった。命令への意思統一もされていなかった
ユン革命は失敗した
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は24年12月3日夜に緊急のテレビ演説を行い、「非常戒厳を宣布する」と発表したが翌4日朝には非常戒厳を解除すると発表した
この間に国会で野党議員が集まり非常厳戒の解除を求める決議案を可決したからだが、国会は戒厳令の実施と同時に封鎖していた筈だった
国会は警察が警備していたものの人員が不足していて集まった市民と野党議員に押されて突破され、憲法で戒厳令を解除する要件の国会決議を許してしまった
韓国軍も国会封鎖の命令を受けていた筈だが既に市民に包囲され野党議員の侵入を許した後だったという薄ノロぶりですぐに撤退してしまった
もし韓国軍の出動が数時間早く完全な国会封鎖を実施できていたら、今回のユン大統領による緊急戒厳は成功していたと考えられます
その後ユン大統領は検察の捜査対象になり韓国からの出国を禁止されていて、現状軍と警察を掌握できていないのでもう戒厳令を繰り返すこともできなくなった
古今東西あらゆるクーデターや戒厳令や革命の類はすべて軍と警察権力を把握する事で成立し、今のロシアのプーチン政権も警察と軍が従っているので独裁政権足りえています
過去の韓国の独裁政権は李承晩初代大統領から始まっているが、李承晩を任命したのは占領していた「アメリカ軍」なので軍事独裁政権だった
1950年に北朝鮮軍が攻め込んできたのを幸いに李承晩は軍事独裁政権を樹立し、推定100万人の韓国人を粛清して日本のせいにした
朝鮮戦争では北朝鮮軍による死者よりも李承晩の粛清による犠牲者のほうが多かったと言われ、李承晩を支持しない人間を「北のスパイ」として片っ端から銃さつしました
美談として有名な歴史上の事件も実際には軍と警察が加担したからそうなったので、1989年11月9日のベルリンの壁崩壊は壁を守っていた警察が市民を排除しなかったので起きました
1789年7月14日にパリのバスティーユ牢獄が襲撃されて武器弾薬が奪われてフランス革命が起きたのも、牢獄を守っていた部隊がサボって見逃したために革命が成立しました
「革命」はなぜ失敗したか
韓国の非常戒厳に話を戻すと尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は就任以来政権基盤が不安定で、24年4月の総選挙では300議席中190議席を野党に取られてしまいました
多数を握る野党はユン大統領と妻の疑惑を追及して断崖や不信任決議を準備していて、12月4日はまさに国会で野党がなんらかの動きを始めるとされていた
ユン大統領の側近はイエスマンばかりだがこれは韓国の大統領全員に言える事で、絶対的権力者であるために盲目的に従う人ばかりが集まって次第に世間ずれしてくる
ユン政権の国防相が非常戒厳を働きかけたと言われていて、戒厳令なら絶対確実に権力を掌握でき野党を抑え込めるとでも言ったのでしょう
この辺はウクライナに侵攻したロシアのプーチンの取り巻きにも似ていて、プーチンは数人の側近の意見だけを聞いて「無抵抗で1週間でキエフを占領できる」と信じていたそうです
現実にはロシアは2年10か月後も国境から100キロ圏内で足止めされているし、韓国軍の特殊部隊は野党議員より動きが遅く国会に到着した時にはすべてが終わっていた
韓国軍の特殊部隊「707特殊任務団」北朝鮮の首脳攻撃などを任務とする部隊だが12月3日夜に出撃命令を受けて軍用ヘリに乗り込んだ
だが行先は「国会議事堂」で行動目標も知らされずに中庭に着陸し、議事堂に向かうと野党議員たちに占拠された後でバリケードで封鎖されていて、侵入を試みたが失敗した
戒厳軍を事実上指揮していた金龍顕(キム・ヨンヒョン)前国防相は現場の司令官に「議員全員を拘束せよ」と命令したが、707特殊任務団は従わずに撤退しこの時戒厳令は失敗した
原因は軍への出動命令があまりにも遅く、しかも行動計画が特になく指示が不明確で、部隊の指揮官や兵士に対する命令の徹底も行われていなかった
特殊部隊の兵士は「決意すれば10~15分程度で実行できたが武装していない民間人を相手に銃器まで手にして攻めるのはあまりにも過度だと思った」と要するに命令違反でサボタージュをしたと告白している
もし出動命令が戒厳令と同時だったり、遅れたとしても行動目標や命令を現場と共有徹底できていたら、野党議員は国会に入れなかったか拘束されていました
クーデターや革命や独裁政権とはこんな偶発的な事件で成功したり失敗したりするもので、フランス革命も牢屋の警官がちゃんと「仕事」をしていれば失敗した可能性が高い
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