霞が関幕府が 実権を握っている!

谷沢永一 「人間通」
霞ヶ関幕府

進駐軍が去って再び独立が達成されたあと、半世紀にわたって日本を支配したのは政党政治ではない。立法府である衆議院を構成した議員たちは法案を作成して通過させる能力をもたなかった。(中略)

すべて官僚の立案を形式的に審議する仲買人の群れにすぎない。議会での質問および答弁も官僚に与えられた草稿の棒読みであった。(中略)

大臣は精一杯に衣裳をまとった猿芝居の舞台で胸を反らしている無邪気でお粗末な演技者にすぎない。(中略)

実権を握って恣に国家を統治しているのは霞が関幕府である。
我が国の骨組みは絶対に民主主義ではなく、骨組みの官主主義であると銘記せねばならぬ。
更に恐るべきは我が国の運営方式が厳正な法治国家ではなく、法に拠らない法に基づかない統治によって締めつけられている実情である。
官僚は通達という絶対命令を各方面へ自由に発する。
これはもちろん法ではないから罰則を伴わない。
しかし万が一にも違反すれば省庁を挙げての圧力を受けて悶死せねばならぬ。また官僚は行政指導なる強権を発動する。
これまた法ではないが従わなければ破滅である。
そして官僚は文書として明記を避けた談話形式を活用し、暗示と仄めかしと皮肉と恫喝とによって自由自在に誘導する。
証拠を全く残さぬ完全犯罪
なのである。
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