「天国」への密入国

MSN産経ニュース ‎-2014.9.5

 車が渋滞で止まっていると、警官たちが現れ、目の前のトラックの荷台を開けて黒人の若者たちを次々と引きずり下ろしだした。警官たちは抵抗する者を警棒で追い払うが、隙を見て別のトラックに潜り込もうとする者もいる-。

 フランス北部の港町カレーからカーフェリーに乗って英国に戻ろうとして遭遇した光景だ。気がつくと、追い払われた何十人もの若者がこちらの方を遠巻きに見ていた。恐怖を覚え、急いで窓を閉めた。

 英国に渡ろうとする避難民たちと、それを阻止しようとするフランスの警察当局との間で連日のように繰り広げられるいたちごっこだった。特に、車が渋滞する週末が多いという。

 英紙によると、その多くがエリトリアやスーダンのほか、シリアやアフガニスタン、イラクといった紛争国から逃げてきた避難民たちだ。英国は避難民の人権が守られる「天国だ」と言われ、ギャングたちに何千ポンド(数十万円)も支払って密入国しようとするのだ。

  現在、1400人ほどのカレーの避難民は、年内に5千人に膨らむとみられている。そうなると、フランスの港で繰り返される“戦い”は、さらに熾烈(しれ つ)になる可能性がある。カレーの問題は、混乱する世界の象徴である。困難でも、問題解決の努力をすべきだ。(内藤泰朗)

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