元凶は「日朝平壌宣言」である

西村眞悟

元凶は「日朝平壌宣言」である

・・・・伊原局長は、北朝鮮側に「拉致問題が最重要課題だということを明確に伝えた」と安倍総理に報告し、
 安倍総理は、公邸で、オウム返しに次の二点を記者団に語った。
 「拉致問題が最重要課題だと言うことを改めて明確に北朝鮮側に伝えた」
 「北朝鮮側から過去の調査結果にこだわらず、新しい角度からくまなく調査を深めていくとの方針が示された」

 そこで言う。
 この訪朝団、馬鹿か、こいつら、と。
 また、安倍総理にも言う。
 官邸で、この訪朝団を、叱責、しかりつけたのか、と。
 総理が、この訪朝団を叱責したと北朝鮮に伝わることが、
 この度の訪朝のせめてもの効果であり、相手から見くびられない方策でもある。・・・

だから、伊原局長が、平壌で為すべきことは次のことであった。
 会談冒頭に、相手に「拉致問題に関する調査を報告されたい」と切り出す。
 相手が、「拉致問題の報告はない。一体金何円で骨を渡す、墓参は認める・・・」と話し始めるや。
 直ちに席を立って、「では、平壌にいる必要はない。直ちに帰る」
 この断固たる態度を示してきてこそ、我が国の政府代表団ではないか。
 何故なら、訪朝団の任務は、伊原氏が総理に報告したように、
 北朝鮮に「拉致問題が最重要課題である」と伝えることであったからである。
 それを、伊原団長よ、こそこそ帰ってくるな。・・・・

 しかるに、この北朝鮮が既に全ての約束を破っている「日朝平壌宣言」を、
 外務省は、本年五月のストックホルムにおいても、日本側の基本的方針として冒頭に掲げて北朝鮮と合意している・・・・

しかし、事ここに至っても、外務省は「日朝平壌宣言」から離れることはできない。
 何故なら、この宣言は、外務省が作成し時の総理大臣に署名させた宣言であるからだ。

 この宣言から離れる決断は総理大臣にしかできない
 よって、総理大臣は、外務省主導の「日朝平壌宣言」に則った今までの偽りの「拉致被害者救出ルート」をいったん切断して、 新たな交渉団即ち救出団による交渉に切り替えるべきである

ところで、我が国が廃棄すべき自虐史観に染まった文書はおよび宣言そして談話は、
 河野洋平官房長官談話や村山富市総理談人談話だけではないのである。
 「日朝平壌宣言」こそ、村山や河野談話と共に破棄すべきである
 断固として席を立って、胸をはって帰ってくるべきだった。

 

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