レアアース埋蔵100万トンがスウェーデンで見つかった   開発に着手できるかどうかは左翼の「環境保護」過激派との闘いに

 

宮崎正弘の国際情勢解題」 
    令和五年(2023)1月14日(土曜日)弐
       通巻第7590号 
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 レアアース埋蔵100万トンがスウェーデンで見つかった
  開発に着手できるかどうかは左翼の「環境保護」過激派との闘いに
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1月12日、スウェーデン国営企業 LKAB は膨大なレアアース鉱脈が見つかったと発表した。ストックホルムから北へ千キロ、ラップランドと呼ばれる地域で埋蔵はおよそ100万トンと見積もられている。
ノルウェーとフィンランドの挟まれた寒冷地帯である。

レアアースは多くのハイテク製品の製造に不可欠な素材で、EV、スマホから風力発電用タービン、携帯電子製品やマイク、スピーカーなどに広範囲に用いられる。日本企業は、この素材確保に汲々としている。

鉄鉱石で世界七位のLKABは従業員4000名のうち、700名が外国人労働者。CEOのヤン・モストロムは「スウェーデン国民にとって朗報なだけでなく、欧州や気候にとっても朗報だ」と述べた。

しかしスウェーデンは少数民族保護と環境保護に多くの制約があり、「年内に採掘許可を申請するが実際に採掘されるまで、十年以上はかかるだろう」とした。

 問題は費用対収益という商業的なことではなく西側の病といも言える「環境保護」である。中国は環境破壊などまったく無視してレアアース採掘を続けるので寡占状態を維持し価格を身勝手に形成している。

 すでにレアアース最大級の鉱脈は米国で見つかっているが、採掘に着手できないのは民主党政権が環境保護を楯に鉱山開発を許可しなからだ。テッドクルーズ上院議員等は、この規約撤廃に動いている。

 レアアースの世界シェア上位は中国企業である。
 筆頭格は南方稀土(チャイナ・サザン・レアアース・グループ)。2位は北方稀土(チャイナ・ノーザン・レアアース・グループ)で内モンゴル自治区にある。3位は豪州のライナス・コーポレーションで、豪州で採掘した鉱石をマレーシアで精製している。4位は中国の五鉱稀土、5位はインドのインディア・レアアース。
 市場規模は世界全体で80億ドル。

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