足立・葛飾・江戸川「下町三兄弟」の幸せな毎日

楽しく読めて 勉強になりました 記者さん ありがとう
2016年03月06日(日) 週刊現代

「東京23区格差」のウラ側
足立・葛飾・江戸川「下町三兄弟」の幸せな毎日

カネはないけど人情がある

東京23区には、多くの都民が「そういえば行ったことがない」そして「正直に言って、あまり行きたいと思わない」と口を揃える場所がある。それが、東京都の東端にまるで防波堤のように陣取る、北から足立・葛飾・江戸川の3つの区、すなわち「下町三兄弟」である。

この「下町三兄弟」は、他の区から「あの辺はもはや千葉でしょ」と、東京扱いしてもらえないことすら日常茶飯事の、哀しい地域

葛飾区は地下鉄が通っていない「陸の孤島」といまだに言われる

港区民の年間平均所得が900万円を超えているのに対し、最下位の足立区は323万円と、ほぼ3分の1

至るところに店を構える銭湯だ。入り口の唐破風が立派な千住のとある銭湯は、まだ日のあるうちから、近所の住民たちで大賑わい

文京区や世田谷区などの住民はおよそ半数が大卒なのに比べ、「下町三兄弟」の大卒者の割合は2割前後と23区で最低

ガラの悪い地域」と見られがちな東京東部にあって、とりわけ足立区の刑法犯認知件数は、'06年~'09年のワースト1位だった。葛飾区はまだしも、江戸川区も足立区とほぼ同等の「犯罪多発地域」

足立区にある公園に行ったら『池に犬を投げ込まないでください』と書かれた立て看板があった」などといった「都市伝説」

実はここ数年、都内で最も犯罪件数が多いのは、一般的には静かな高級住宅街と思われている世田谷区

日本で最も出生率の低い東京都の中でも、全国平均と遜色ない出生率を誇るのが足立・葛飾・江戸川なのだ。 足立区立第十四中学校は生徒数850人以上と、この少子化の時代にあっては異例のマンモス校。江戸川区にも、700人越えの中学校が珍しくない

東京の他の区とは『家族のあり方』が全く違うということでしょう。

若者も高齢者もひとり暮らしが少なく、子持ち世帯や3世代同居の世帯が他区に比べて圧倒的に多い。決して家の面積は広くないのに、1世帯の人数が多いんです」

もともとは東京都市圏に含まれていなかった

この一帯は、以前は田んぼとして使われていた

この辺りにはね、人情ってのが生きているでしょう。浅草(台東区)みたいに、内心はお高くとまってるような『人情』じゃなくて、お節介というのかな。困っている人がいたら見て見ぬふりはできないっていう、そういう人情

小岩に住む飲食店勤務の20代女性は、「イヤなこともいっぱいあるけど……」と前置きしてこう続けた。

「でも私、この町がやっぱり好きなんですよ。渋谷で別のバイトが終わって、小岩駅で降りたら『ああ、帰ってきた』ってホッとしちゃうんです。面白いところなんか全然ないし、道にゴミはいっぱい落ちてるし、古い店ばっかりなんだけど……どうしてなんですかね?」

カネや地位なんてなくても、見栄を張らなくても、この町でなら生きていける。東京砂漠の東には、「下町三兄弟」というオアシスがある。


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