ソフトバンクは海外メディアから「傷んだピザ」と呼ばれている

リーマンショック後の10年は金余り時代だった
のちの説明でリーマンショック後2010年から2019年までは大航海時代のように大金余り時代と呼ばれるかも知れない。

象徴的な例はファラーリ投資やIT企業の上場ブームで、典型的なバブルだが参加者はバブルに気づかなかった。

フェラーリ投資とは新車でフェラーリを買って倉庫に入れておけば値上がりする投資法で、金融投資より儲かったそうです。

IT企業を新規上場(IPO)するとただの紙切れが噂だけで瞬時に10倍になり、上場すると100倍になったりしました。

美味しい商売に目を付けたのがソフトバンクの孫正義氏で、IPO転がし専門の投資会社「ソフトバンクグループ」を立ち上げた。

第一弾ファンドはサウジアラビアなどから出資を集め10兆円ファンドになり、第2弾を募集したが応募者は現在まで「ソフトバンク」だけだそうです。
孫正義氏は常識外れの高額で投資するのに定評があり、英IT企業アームを3兆円で投資した時は世界を驚かせた。
孫氏が高額で買うのは高値で買う行為によって評価株価を吊り上げ、次いで上場して株価を数倍にし巨額の利益を得る手法でした。
たとえばここにパッとしない新興IT企業があり株価が10円だとしたら、孫氏がそれを100円で買えば株価は100円になる。
バラ色の業績予想を発表しIPOの手続きをすると評価額は500円くらいになり、実際に上場するとストップ高で1000円になる。
2010年代にはこんな夢みたいなことが次々に起こり、例えばフェイスブックは2012年に上場しました。
学生同士の情報交換サイトが今や時価総額60兆円に達し、創設者のザッカーバーグは全米有数の資産家になった。

孫マジックはバブル期の土地ころがしと同じ
個人商店が巨大企業になる過程で、株式上場時にその会社を所有していた人が最大の利益を勝ち取る。
ソフトバンクの上場戦略は最初うまくいっていたが米ウーバーやウィーワークで綻びを見せた。
ウーバーは配車アプリ、ウィーワークはレンタルオフィスだが創業以来一度も利益を出したことがない。

その後もソフトバンクが投資した企業の不祥事が相次ぎ、最近ではワンウェブが経営破綻すると言われている。
ソフトバンクの株価は2020年2月21日に5664円だったが3月19日時点で2687円まで下落している。
ソフトバンクグループが投資した企業の株価が下落して含み損を抱えているためで、NYの株価は1か月で30%以上下落した。
過去の経済危機の経験則からはダウ平均は50%以上下落する筈で、大恐慌では89%下落しました。
こうした経済危機では「危機の時に買う余力がある者」が勝者になり、バブル期に買ってしまった者は敗者になります。
ソフトバンクはバブル期に高値で買ってさらに高値で売るというバブル商法をしていたが、コロナショックでうまくいかなくなった。

もとより孫正義氏やソフトバンクの投資グループは、従来ファンドのように企業の価値を吟味して長期的に育てるのを苦手としている。

海外ファンドは日本の回転ずしチェーンを買収し業績を改善して株価を上げて利益を出すが、ソフトバンクにそうした能力はない。
ライブドアや山一證券はバブルに踊った企業として歴史に残ったが、ソフトバンクも歴史の1ページになるかも知れない。