小沢出馬を理由に人事先送り 「勝負勘ゼロの大将」谷垣総裁

小沢出馬を理由に人事先送り 「勝負勘ゼロの大将」谷垣総裁

2010年9月2日 週刊文春

 小沢一郎前幹事長と菅直人首相の一騎打ちとなった民主党代表選で「どういう結論が出るのか、かたずをのんで見守っています」と、相も変わらず他人事のようなコメントをして、周囲を落胆させたのが自民党の谷垣禎一総裁だ。
 
「実は小沢氏出馬の直前まで、谷垣氏が頭を悩ませていたのは党内人事。そこで民主党の騒動が始まったので『これ幸い』と民主党の新体制を見極めるまで、人事を先送りする方針を打ち出しました。要は時間稼ぎができて、ホッとしたというところです」(自民党関係者)
 
「首相になれない自民党総裁」になってはや一年。存在感が薄く、党首討論でも得点を挙げられずじまいで辞任論が高まっていた谷垣氏は、七月の参院選で民主党が自滅したおかげで一息ついた。小沢氏の出馬で民主党分裂の可能性があり、自民党も政界再編の主役になり得るチャンスが出てきたが、谷垣氏は記者会見で「今の段階で申し上げることはない」「経済が心配。日本のために堂々と代表選を」と建前論ばかり。
 
「建前ではなく、本音も同じなので始末が悪い。周辺にも『菅でも小沢でも、どちらでも同じこと』『どちらが勝っても、手を組むなんてあり得ない』と真顔で語っています」(前出・自民党関係者)
 
 谷垣氏が所属する古賀派から飛び出した「たちあがれ日本」の園田博之幹事長が「政界再編のチャンス」と意気込むのに比べ、民主党と水面下で接触している気配さえない。
 
 自民党幹部は「元凶は川崎二郎国会対策委員長ら側近連中だ」と苦虫をかみつぶす。独善的な川崎氏は園田氏と折り合いが悪く、これといった他党とのパイプもない。その川崎氏に谷垣氏は頼り切りなのが現状だ。
 
 感度が鈍い谷垣―川崎ラインを尻目に動き出しているのが、谷垣氏が所属する派閥会長の古賀誠元幹事長だ。古賀氏は参院選中に小沢氏と会談したとされる。小沢氏が代表選に敗れれば、離党して公明党や自民党の一部と連携を模索するとの観測もある。その時は古賀氏がパートナーに名乗りをあげるとの見方がもっぱらだ。しかし、古賀氏は谷垣氏には一切、情報を入れず、相談もしていない。
 
「谷垣氏は総裁になった時、すべての人事を川崎氏と決めて、何も知らされなかった古賀氏が激怒したため」(古賀派関係筋)とされる。やはり谷垣氏は激動期には向かない“お公家さん総裁”である
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