筆者(58)が小学5年生の時分の話である。社会科の授業中で先生が「アメリカは大量の核爆弾を持っていてけしからん」云々と事ある毎に話すので、ある時何人かの級友と「ソ連や中国も核ミサイルを持っていますが、それはいいのですか?」と聞いてみた。
すると先生曰く、「アメリカの核は侵略のための悪の核だけど、ソ連と中国の核は自衛のためだから正義の核なんだよ」。このセリフは今でもハッキリと覚えている。
ベトナム戦争真っ只中の当時、反核運動の主体だった「原水禁」や「原水協」に関わっていた人たちの認識は、この先生と同じようなものだった。これらの組織は旧社会党や共産党系なので、実質は中ソの指示下に活動していたのだろう。
その後、ソ連が崩壊して国際的共産主義運動のご本尊は消滅してしまったが、中共は相変わらず各国への工作活動に勤しんでいる。それも単純な反核運動を超えて、「反原発」「地球温暖化対策」運動への工作と手が込んできている。
その一方で反核どころかこんな恫喝も。
JBpress7/21配信記事↓
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日本が台湾有事に介入したら核攻撃、中国で拡散した動画の危険度
(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66147 )
「日本が台湾有事に軍事介入すれば、中国は即座に日本への核攻撃に踏み切る」という戦略をまとめた動画が中国全土に拡散した。
この「日本核攻撃戦略」は米国、インド、韓国、台湾などで多数のメディアによって報道された。だが当事国の日本ではまだあまり報じられていない。中国政府や軍当局が公式に表明した戦略ではないにせよ、日本はこんな自国の存亡にかかわる威嚇を無視することはできないだろう。(以下略)
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ネット、SNS規制を進めている中共がこの動画の拡散について沈黙しているという事は、とりもなおさず日本への恫喝として使えると思っているからであろう。いきなり政府レベルの恫喝ではなく、徐々にプレッシャーを与えてゆこうという一種の「サラミ戦術」だ。
去る6日の広島、今日9日の長崎と式典で述べられたのは、核廃絶のために「米ロ」へ働きかけてゆく…という方針。見事に中国が欠落しているが、おそらく反核運動の人々は無意識に中共の核をスルーする癖が抜けないのだろう。
あるいは「中国を刺激する日本が悪い」とでも主張するかも知れない。こんな恐ろしい恫喝が行われているというのに…。