トモエデンキの屁の突っ張り

関西では役に立たないことを「屁の突っ張りにもならない」と言いわれますが、そんな倉敷の電器店ブログです。

「漏電は忘れた頃にやってくる」の巻

2021年06月26日 | 店主
「家中の電気が使えなくなったのでなんとかして欲しい」


新規のお客様からそんな依頼がありました。


お客様は最初に、お家を建てられた住宅メーカーへ連絡されたらしいですが、あいにく住宅メーカーでの対応には時間が掛かると言うことでお客様に近い当店を紹介されたようでした。


私はエアコンの取り付け工事中でしたので、とりあえず電気が使えるようにと次の指示をさせていただきました。


ご年配のお客様でしたが、私のつたない電話での指示どおり的確に操作をしていただけましたよ






まず、分電盤のメインブレーカー(漏電遮断機)が切れている(OFF)と思われますので





次の順番で漏電している所以外の電気が使えるように復旧操作をします。

(ここからの内容は中国電力様のホームページより抜粋させていただきました。)







①メインブレーカー(漏電遮断機)と安全ブレーカーのすべてを切り(OFF)にします。





②メインブレーカー(漏電遮断機)を入り(ON)にします。





③安全ブレーカーをひとつずつゆっくりと入れ(ON)ていきます。





④入れている途中に再びメインブレーカー(漏電遮断機)が切れ(OFF)ましたら






⑤その安全ブレーカーだけ切り(OFF)、そのままの状態にしておきます。







⑥その他(⑤以外)の安全ブレーカーすべてを入れ(ON)て最後にメインブレーカー(漏電遮断機)を入れ(ON)ます。多分、それ(⑤)以外はメインブレーカー(漏電遮断機)が切れないと思います。


これで⑤の回路以外は電気が使えるようになりますので、あとは電器店にお任せください



とりあえず、工事が終了したあと急いで訪問


で、今回の漏電原因は




電動昇降吊り戸棚でした。



漏電しそうな所を色々と探しましたが、“ピン” ときたのがこの吊り戸棚でした。




(電源を外す場合は感電の恐れがありますので真似をしないように)



で、吊り戸棚の電源を外してブレーカーを入れ(ON)て見たところビンゴ!でした。

電源を外したので器具と電気回路が分離され、電気の流れが寸断して漏電がなくなりました。



吊り戸棚が漏電してしまった原因は




下に付いた照明器具が濡れたため





通常だと洗った食器類を棚に置けば、雫が下のプレートに落ち排水口に流れて受け皿にたまるのですが

今回はプレートにヒビが入っていたためにそこから水が浸透して、ヒビの下が照明器具のソケット固定部分にあたり、固定しているネジの部分に水滴が落ち、そこからさらに浸透し




ソケットの電極に伝わって電気が流れ漏電となりました。



蛍光管のソケット部分を分解すると濡れていましたよ



このソケットの上にあたる部分の天板(アクリル板)にひび割れ





長年の使用で、蛍光管のソケット部分の熱により劣化したものと思われます。




このひび割れから水が染み出して水滴が照明器具に落ち漏電に至りました。


対策として



照明器具のネジ部分にアルミテープを貼り保護




アクリル板も上と下の両方へアルミテープを貼り応急処置


本来ならアクリル板を取り寄せて交換すれば良いと思われますが、交換するには吊り戸棚を分解しなくてはいけないため、かなり手間が掛かりそうなのと

この電動昇降吊り戸棚が16年以上の為、メーカーに部品があるかどうか、あっても交換費用が高額になるだろし・・・・


まぁ、今回の処置で大丈夫でしょう

安くあがりましたね



おさらい


漏電でブレーカーが切れた(OFF)ら


①全てのブレーカーを切る
②メインブレーカー(漏電遮断機)を入れる
③配線用のブレーカをゆっくりと順番に入れていく
④どれかの配線用ブレーカを入れた時にメインブレーカー(漏電遮断機)が切れたら、その配線用ブレーカの回路が漏電していることになるので、それを切ったままにして他の配線用ブレーカーを入れメインブレーカーも入れる
⑤該当の回路を専門家に見てもらう



以上、現場からでしたぁ~



きょうはここまで



つづく