正義感の強い青年が、女性の"パンティ"を顔に被ると超人的なパワーを持った変態仮面に変身する…。勇気を振り絞ってもう一度繰り返そう。ドMの刑事とドSの女王様を両親に持つ色丞狂介が、女性の"パンティ"を被ると「フオオオオオオッ!!」と雄叫びを上げ、変態仮面に変身する。
正確に作品を紹介しただけで襲いくるこの羞恥心。こんな"トンデモ作品"が健全なる青少年のバイブル「週刊少年ジャンプ」に連載されていたのだから、1990年代とはまことに平和な時代であった。そして、そんな作品を実写映画化してしまう2013年、超リスキーな色丞役を引き受けてしまった期待の若手俳優・鈴木亮平…。誰もが「何を血迷ったか…」と思っただろう。しかし! 鈴木のハジけっぷりが尋常ではないのだ。大袈裟ではなく、パンティを被り「フオオオオオオッ!!」と叫ぶその演技は、ブルース・リーの「アチョー!」を見たときの衝撃に等しい。
さらに注目すべきは、変態仮面が抱える心の"闇"だ。自らの抑えきれぬ変態性、そして正体を隠さなければならないジレンマ。悶え苦しみ、それでも彼は巨悪に立ち向かう。なるほど、これはスパイダーマンやバットマンといったアメコミ作品への秀逸なオマージュだ。ちょっとくらいパンティを被っていても、心は"王道のヒーロー"なのだ!
15kg増量したうえで脂肪をそぎ落とし、完璧な肉体でキレキレのアクションを見せた鈴木は、本作で役者としてひと皮向けた。同時に日本のヒーロー映画史に名を刻んだと言っていいだろう。ちなみに、彼は色んな意味で話題のヒーロー映画「ガッチャマン」にも出演している。あっちで着ていたのはスタイリッシュな緑のスーツ、こっちは顔にパンティ…。どっちが似合うかって? 本作を見た誰もがこう叫ぶだろう、HK(変態仮面に、決まってる)!
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今日の「変態」なこの1本
『HK/変態仮面』
監督は「コドモ警察」「勇者ヨシヒコと魔王の城」でコアなファンを掴んだ異才・福田雄一。衣裳担当が「ダウンタウンのごっつええ感じ」のコント「放課後電磁波クラブ」と同一人物と聞いて、妙に納得!?
●2013年
●監督:福田雄一
●出演:鈴木亮平/清水富美加/ムロツヨシ/安田顕/片瀬那奈
おおお、変態仮面…!!!
実写版を遣るのは知って居たんだけど漫画より格好良い感じがするんですけどf(^^;