ビットコインなどの仮想通貨が普及する上で妨げとなっている原因の一つが、価格変動の激しさだ。アメリカの電気自動車会社テスラがビットコインでの支払いを認めるという発表があったとたん、あれよあれよという間に1ビットコインが700万円まで急伸した。ところがビットコインは電気を無駄に食い過ぎるという理由からテスラが決済には認めないと方針転換したとたんに、370万円まで急落した。
こうした仮想通貨の価格変動リスクを緩和するものとして、世界中の注目を集めているのがステーブルコイン(価格が安定(ステーブル)した仮想通貨)である。これは法定通貨と連動しているため、相場の動きを予想しやすいとされる。
しかし、ビットコインもステーブルコインも今一つよくわからないというのが正直な感想だ。そこへ来て、中国やアメリカが「デジタル人民元」「デジタルドル」の導入を検討しているというからなおややこしい。
一つ確かなことは、ドルが基軸通貨として世界中に使われているという事実をアメリカが死守したいということだ。21世紀の米中の覇権争いは、いよいよデジタル通貨戦争となってきた。
それともう一つ言えることは、ドルの地位を守ろうとするアメリカは、ビットコインが国際通貨になることを決して容認しないということである。あらゆる手段を通じて阻止してくるであろう。となると、ビットコインの値上がりは金融緩和に伴う一時的な投機にすぎず、投機家の遊びに過ぎないと考えられる。こんなもので金もうけをしようなどとゆめゆめ思わないほうがいいのかもしれない。