作品はガラスの展示ケースに入っておらず、しかも自由に写真撮影をしてもよいとのこと。たくさんのデッサンや、絵筆、岩絵具なども展示されていた。平日の静かな館内で本物だけが持つ圧倒的な迫力にしばし浸ってきた。
平山は15歳の時に 広島で原爆にあい、20代の後半原爆症を発症し生死の境をさまよう。その体験から、過酷で苦しい砂漠を一人で旅をしてきた僧侶が息絶え絶えにたどり着いたイメージが湧きあがった。そのイメージを玄奘に託して描いたのが「仏教伝来」という作品である。平山29歳のときである。
(仏教伝来)
この作品が注目されたことから、平山の仏教の源流を訪ねる旅が始まる。そして150回にも及ぶ源流の旅を重ね、さまざまな作品を生み出す。
平山の生い立ちを知ると絵の重みがまた違って見えてくる。
次の作品は「病室の窓辺の花」と名付けられ、平山が最後に描いていた未完成の作品である。
旅行から帰って、さっそく平山郁夫の複製2つと東山魁夷の複製1つを購入した。
先日、ネットオークションで購入した東山魁夷の作品とあわせて玄関とリビングに飾るつもりでいる。
今まで絵画の世界とは無縁であったが、絵のことをもっと知りたくなって本まで買ってしまったのは愛嬌というものか(笑)。
69歳にしてようやく絵画や音楽の楽しみを知った。
囲碁にはない魅力がある。