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高校でもゼミ教育を! 2000年5月5日
私は高校でもゼミをやるべきだと4~5年前から提案しています。実際、三国丘高校の49回生の3年生の選択授業(1996年度 現代社会)で、たまたま20人余りのクラスができたことがあり、実際にゼミ方式でやったこともあります。
生徒に好きなテーマについて、約1時間報告させます。介護問題あり、ケネディ暗殺問題あり、アボリジニ問題あり、安楽死問題ありと、とても楽しい授業で、生徒にも大好評でした。中には、実際に特別養護老人ホームを訪問し、館長さんに質問をしその結果を取り入れて発表した生徒もおりました。まず現地調査をするというこの研究態度は、大学生にも通じるものであり、一同感心しました。
最後に「卒論」ならぬ「ゼミ論」を課しましたが(400字詰め原稿用紙で10枚以上)、受験前の忙しい時期であるにもかかわらず、ほぼ全員が提出してくれました。今では懐かしい思い出です。
今の教育は教えすぎです。生徒は口を開けて餌をくれるのを待っています。本来、教育とは餌の取り方を教えることであるはずです。もっと生徒の自主性を引き出す必要があります。早急に少人数のゼミ方式の授業を取り入れるべきだと思いますが、いかがでしょうか。そのためには、一方で200人くらいの大教室での講義を作っても構わないと思うのですが・・・。
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ちなみに、特別養護老人ホームまで行って調査をし報告してくれた女子生徒は、今は大学の教員になっています。最近、課題探求学習を設定する学校が増えていますが、ようやく時代が追い付いてきたかなという感じがします。
(注)なお、上の写真は今回の記事とは直接関係ありません。元UVF(IRAに対抗する過激派のテロ組織)のテロリストで、のちに牧師になった人を招いてゼミを開いた時のものです。