数年のブランクがあったが、完全リタイアーしたのを機に囲碁を再開した。勝負事は敗けると悔しい。だから強くなりたい。たまたま、知り合いのプロの先生から「オンライン依田塾に入ってひそかに強くなりませんか」と勧められた。依田先生はこれまでに36のタイトルをとった大棋士であり、その技を学ぶためにプロもこの塾に参加している。
入ってみて1日で沼にハマった。教え方が今までと全く違う。教える熱量が半端ない。いろんな手筋を惜しみなく披露してくれる。ドンドン強くなることが実感できた。昨日の自分と今日の自分が違う。朝の自分と夕方の自分が違う。
そんなことを感想に書いたら、すぐ主催者の原幸子4段(依田さんの奥様)から連絡がきた。受講者の声として掲載してもいいかと。もちろんOKした。こんな素晴らしい講義はもっと多くの人に聞いてもらいたいと思ったからである。
入塾して2週間が過ぎた。そこで入塾前と入塾後の自分の打ち方を比較するために、これまでに打った棋譜を残しておくことにした。ものすごく恥ずかしいが、あえて恥をさらす。
次の棋譜は2023年5月7日の棋譜である。入塾11日目で私の白番である。
この碁は序盤でいろいろ反省点があった。
(反省点)
①白16は17だったか
②白18は19から2段バネで行くべきだったか。シチョウがよく読めず、自信がなかったので18へと転じた。
③白22は23にはね出して戦うべきだった。
④白24は三々に入るべきだったかもしれない。
⑤黒25は愚形の見本。左辺の黒を攻める気持ちがあったからこんな打ち方をしてしまった。
結局この碁は敗けてしまった。
次の棋譜は山田規三生元王座に4子で指導していただいたものである(入塾13日目)。
山田先生の指導碁は、プロ同士の対戦に見られるような「力でねじ伏せるような手」を決して打ってこない。63手目あたりまでは悪くないと思っていたが、74手目が敗着となった。どうしてこんな手を打ったのだろう。中央の「消し」に回らなかったのが悔やまれる。
次の棋譜は6年前に洪爽義5段(当時2段)に3子で打っていただいたものである。当時はプロの先生に3子で稽古をつけてもらっていた。
この後、白AからBの切りを打たれてしびれたが、最後に2目残ったのは幸運だった。ただし,洪先生に3子で勝たせてもらったのは後にも先にもこの1回だけである。後の講評で様々な指摘をいただいたが、この碁はそれなりによく打てたと思う。
最近ようやく自分の囲碁に何が足りないのか少しずつ見えてきた。忘備録として記しておく。
(囲碁三戒)
1⃣ 攻めても取るな
2⃣ 両方打とうとするな(まず一方を安定させよ)
3⃣ 中盤以降、熱くなるな。常に冷静に宇宙から自分を見よ。そうすれば相手の狙いや己の石の弱点がみえてくる。
先日一緒に写真を撮っていただいた瀬戸大樹8段を思い出した。瀬戸先生はいつも冷静である。見習わなくちゃ。
依田塾のおかげで少しずつ戦闘力がついてきた。さて1年後、自分の碁がどのように変わっているか。楽しみである。