銀河パラダイス

 オリジナルのケモノ耳の少年を描いた、MACHOのラフ画を中心に、ミィ~ネの駄文も

声、そは等しくて、異なる

2011年04月29日 04時59分01秒 | 短文
 私は、耳に残っている声を探していた。

…いつも、誰かに話掛けているような、独り言にも似た言葉。
けれど、その声と同じ人は存在しないのだ。ある日、深い闇の中
そう、闇が深く、息が止まりそうな恐ろしい想いに精神に異常を齎した。
ああ……それが、探していた声だった。悲鳴にも似た、私の声と同じ声。

人は、孤独を忘れなければ生きていけない。だから、私の声、個を忘れた声。

 記憶が呼び起こされる。深く、底へと沈みこむ奈落。その時、いつも探していた声。それが聞こえる前、私の意識は完全に失われてしまう。だが、声が放つ言葉から誰かに語りかけているのだと分かる。私? いや、違う。

孤独という概念を持たぬ世界に、満ち足りた生を受けた生命の鼓動だ

思えば、私が私であるという、個という概念さえも知らぬ、ちっぽけな

 様々な個に分裂する前、生き物は他者を区別する必要性さえも

ただただ、生きているだけで満ち足りていた生命。その悲しみとは、生ある限り、己を感じ続けられることを感じられなくなること、死。でも

…で、死の世界に存在するのは、無限に続く、かっての世界。世界……自分しか存在しない

そうだ。はじめっから、孤独など存在してなどいなかった。

 「ボクは、私。キミは、誰?」

小さな点が連なった、生命。たくさんの、生命。その生と死。私の、私の、

 沈黙 ずっと変わらぬ静寂