旅の感動

2014-05-31 14:59:16 | 日記
旅の興趣は日常を離れて初めて味わえるものと実際に接して感じられる感動との二種類あるように思われる。

 過日ベトナムを南のホーチミン市から北の首都ハノイまで縦断してみた、勿論かつて米仏二大強国、更には中国までと長期間継続して戦い屈しなかったこの国ではあり、激戦の名残りは注意して観察すれば、建造物や更には枯葉剤散布によって健康或は肢体に影響された青年達にも見られる。

 然しこの人々はその恨みを口にし対事国を貶めたりはしなかった、謙虚で礼儀正しく訪れた我々観光客に優しい微笑みで接してくれた、それは我々日本人には特に感動を受ける「おもてなし」そのものだった。

そして激戦地跡で見たくま無く張り巡らされた地下道と、まさにA4版程しかない偽装された出入口から出現し逃避する忍者戦士達の動作を見て、象を倒す蟻の故事を連想したのは私だけではなかったろう。

いま、また彼等の近海は横暴無法の中国によって支配されようとして風雲急を告げている状態だが、おそらくベトナムの人々は力による無法に屈することはないだろうと信じる。

ただ吾人願うは、彼の国の再び戦乱の巷に化さざる事である。


アイガー北壁