とある国語教師の日記

来年から国語教師になる、とある人の日記です。日記代わりに、日々考えたことをとりとめもなく書き積んでいきます。

「夜のクラゲは泳げない」を見た教師のたまご

2024-07-02 21:03:26 | 日記

制作発表から1年以上、動画工房が繰り出す青春アニメ「夜のクラゲは泳げない」(夜クラ)は、1年待った視聴者をしっかり満足させてくれるものだったと思う。

テーマの一つが「なりたい自分になる」だったと思う。

「なりたい自分になろう」がメッセージの作品なんて山ほどあるのだが、その中でも「夜クラ」は、しっかりと埋もれない個性を見せてくれた。

 

「嫌でもなりたくない自分になってしまうことがある」

「なりたい自分になろう」と言う作品が多くとも、このポイントにスポットを当てた作品は少ないと思う。

もちろん、渡瀬キウイのことである。

「なりたくないのに胸が大きくなって困る女の子がいる」なんて、正直、男に生まれ育った私は考えたこともなかった。「背は高い方が良い」「女は痩せている方が良い」「男はムキムキの方が良い」「胸は大きい方が良い」……考えてみれば、すごい刷り込みだ。

かなり偏見に目を向けて是正しようとする世の中にはなってきたが、それでも、かなり多くの人が同意することは、偏見と言われることがない。「化粧なんてしなくていい」と言う男がちょっとだけ存在しても、世の中は変わらない。

 

胸が大きくなりたくない女子だっている。背が高くなりたくない男子だって、きっといる。痩せたくない女子だって、ムキムキになりたくない男子だって、絶対いる。

 

世の中の99.9%がそう思っているからと言って、目の前の一人もそう思っているとは限らない。

大事にしないといけない考え方だ。

そして、学校の先生が絶対に持っておかないといけない考え方だろう。

 

渡瀬キウイもまた、進路に教師を選んだ2024年春アニメキャラクターの一人。

キウイは「馴染めなかった子の味方をする先生が一人くらいいても良いじゃないか」と、大体こんなことを言った。

これもまた、アニメやドラマで教師を目指すキャラクターが教師を目指すと決める際に挙げる理由の中で、トップクラスに多い考え方だろう。

この考え方が強制的に引っ張り出してくるのが、「教師は大体学校に良い思い出がある人がなっている(ので、そもそも学校が合わない子がいることを理解できない)」という意見である。

 

実際、そういう面は多くあるかもしれないが、だとしたら、その人たちって学生時代に周り見なさすぎじゃない・・・? というのが正直な私の印象。

周りに不登校の生徒はいなかったのか。周りに学校そのものが嫌いな人はいなかったのか。というか、いじめられている子を見て当時どう思ってたのか。

 

こうなると、結局「周りをよく見る」に行き着く。

自分のものさしで見てはいけない。知らないうちに世間の大多数の考えを目の前の一人の人間に当てはめてしまうかもしれないから、気をつけて周りを見なければ。

 

きっと、キウイも久美子も良い先生になる。

自分も、頑張ろう。



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