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市木もめんの歴史

2012-07-06 16:29:06 | 市木もめん(三重県の伝統織物)
●市木もめんのはじまり

江戸時代、大和地方(奈良)から御浜町市木地区に木綿織りの職人が移り住み、技術を伝え、作られたのが市木木綿のはじまり。

明治初期、大久保万次郎さんが当時、産業もなく、わずかな畑を耕す寒村だった市木村の人たちに「仕事を与えたい」と、自ら織物と藍染を研究し、技術を伝えました。


●市木もめんの繁栄

市木の土地が藍の栽培に向いていたこともあり、藍で染めた市木もめんは明治中期から大正末期にかけて盛んに生産されました。

その最盛期には45軒もの工場があり、市木織物同業組合ができるまでに繁栄し、関連して藍農家や藍染め職人や仕立て屋と、村中の人が携わる、同地を代表する産業に成長しました。


●市木もめんの衰退

やがて大量生産、化繊時代が到来。他地方の量産品に押されて多くの織元が廃業に追い込まれ、市木もめんは衰退の一途をたどることに。

市木地区の産業も、木綿作りから養蚕、そしてミカン作りへと移り変わっていきました。


●繋がれた伝統

平成16年に最後まで残っていた市木もめんの織元の大畑弘さんもついに廃業することとなり、「伝統が絶えるのはもったいない!是非、次の世代にも引き継いでいきたい!」と

向井ふとん店三代目の向井浩高さんが一念発起し、大畑さんから機織り場を借り受け、織り方を教わり、修行に励みました。

今は向井浩高さんがその技術を受け継いだ、ただ一人の織り手となっています。



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