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<新約> 最後の晩餐

2006年10月14日 | 歴史関連



 ユダに新たな解釈



 エジプトの砂漠で発見された約1700年前のパピルス文書は既にぼろぼろの状態で、そこに書かれたメッセージは永遠に失われる寸前だった。


              


 1700年の眠りから覚めたパピルス文書の写本の最終ページ。最後の行の文字は、「ユダの福音書」と読み取ることができる。

 朽ちかけたパピルスの束にコプト語で記されたこの文書は、これまで裏切り者の代名詞だったユダこそ、実はイエスの一番弟子だったと物語っている。

 さらに、イエスは自らの魂を肉体の牢獄から解放するために、ユダに指示して密告させたとも書かれている。


               


 パピルスの断片をつなぎ合わた結果、ユダの福音書は次のように始まっていた。

 -過越の祭りが始まる3日前、イスカリオテのユダとの1週間の対話でイエスが語った秘密の啓示-

 ユダとは、イエス・キリストに選ばれた弟子の一人でありながら、銀貨30枚と引き換えにイエスを裏切り、接吻を合図に敵の手に引き渡した使徒。

 その名は今も裏切りの代名詞となっているが、新たに発見されたユダの福音書に描かれたユダ像は、まるで違ったものだった。

 


 イエスの一番弟子



 「ユダこそイエスの一番弟子であり、他の弟子たちと違ってキリストの真の教えを正しく理解していた。ユダがイエスをローマの官憲に引き渡したのは、イエス自身の言いつけに従ってのことだった。」と書かれている。

                   


 ユダの福音書の中で最も重要なくだりは、イエスがユダにこう語る部分。「お前は、真の私を包むこの肉体を犠牲とし、すべての弟子たちを超える存在になるだろう。」

 つまり、ユダがイエスを死に追いやったのは、イエス自身の望みに従った行為であり、イエスをその肉体から解き放つことにより真のキリスト、つまり内なる神が解放されるというのだ。


                   


 「ユダがこの役割を任されたのは、弟子たちの中で特別な地位にあった証拠である」とこの福音書には書かれている。

 確かに、これから裏切ろうとしている人間にキスはしないし、ユダがイエスの死後、ローマの官憲からもらった銀貨全てを捨てて自ら命を絶ったことからも、この福音書の信憑性は高い。

 ユダの裏切りによるイエスの死は、ユダヤ人迫害の元凶になった出来事。

 これらのことが事実ならば、長年のユダヤ人迫害の歴史に終止符を打ち、名誉を回復するまたとない機会といえます。



 布教のための方策




                  
 

 イエスがユダに語った「お前は、真の私を包むこの肉体を犠牲とし、すべての弟子たちを超える存在になるだろう」という言葉。

 その真の意味は、こういうことなのかもしれません。


 「群衆の目の前で自分を殺させ、自分の死を衆知させた後、クローン技術で肉体を再生させて群集の前に再び現れることで、自らの存在を神の地位にまで高めること」


 群集に自らを「神」だと信じ込ませれば、自らの教えが”聖なる教え”となり、布教の規模や速度が格段に高まるためです。

 印刷機やブログなどが無い時代には効果的な方法といえます。


             


 つまり、イエスを「神」にする手助けをすることで、ユダはすべての弟子たちを超える存在になるということなのかもしれません。




【記事引用】「SECOND STAGEマガジン/日経BP社」「新約聖書」  
      「ナショナル・ジオフラフィック日本版5月号/紹介記事」     
      「複製された神の遺伝子-科学が謎解くイエスの本質-/角川書店」          
【画像引用】「レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐」 「SECOND STAGEマガジン/日経BP社

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