やまなし地域文化フォーラム

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レンガでできた鉄道施設〜長禅寺架道橋〜

2025年04月09日 | 連携:山梨煉瓦研究ネットワーク

新年度がはじまり、早いものでもう一週間ですね。
山梨から新天地へ旅立った人もいれば、山梨で新しい暮らしをはじめた人もいるでしょう。
そんな私たちの移動を支えるものの一つに鉄道がありますよね〜
特急あずさ号やかいじ号に乗ったことは、みなさんも一度や二度ではないはず?(あずさ2号は現在ダイヤにないとか・・・)

特急あずさやかいじ号の走る中央本線の歴史は、今から120年以上も昔。
中央本線の開通に至る歴史について今回詳細は省きますが、八王子を起点とする現在のルートの建設は、明治29年から工事が始まりました。
その後、明治34年に、八王子から上野原の区間まで開通し、明治35年には、当時日本で最も長いトンネルであった笹子隧道が完成し、明治36年(1903)6月に甲府駅まで開通します。
今日は、そんな近代の歴史を物語る鉄道施設を紹介します。
今回は、紹介するのは、長禅寺架道橋(甲府市)です。場所は甲府五山で知られる長禅寺の山門正面にあります。

現地にいってみるとレンガで作られたものとコンクリート製のものがあります。
レンガ積みの方は中央本線用(写真手前)で、一方コンクリートの方は身延線用(写真奥)でどちらも、現役バリバリの架道橋です。ちなみに身延線の市川大門から甲府駅の区間は昭和3年に完成した区間です。


レンガは江戸時代末期にオランダ人技術者が日本で生産をはじめ、明治時代になると西洋文化の浸透とともに、建築材料として広く用いられるようになり、中央本線が作られた頃の鉄道建築材料はレンガが主流でした。
さて、この架道橋を見てみると、一段ずつレンガの長い面(長手)と短い面(小口)が交互に積まれています。
これは、イギリス積みと呼ばれる工法で、強度に優れた積み方です。
架道橋には隅石が設けられ、石垣の隅角部のように、強化するという実用的な機能のほかに、レンガとの色合いのコントラストで、装飾的な効果を狙ったと言われています。当時の技術力と美意識が垣間見れます。


当初蒸気機関車であった鉄道は、電車へと変わり、もともと単線だった線路も複線化するなど、時代と共に変化していきます。
線路周辺を歩いたりしていると、現在の街並みのなかに溶け込んで古くから活躍する鉄道施設が県内には他にもあります。
普段何気なく見ている風景から近代のロマンを感じれるなんて、少し素敵ではないでしょうか。

コメント
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