日日之爺日

やほおが無くなったので、こちらで少し息抜きを

ブリトラさんの1日:その9

2020-12-10 12:48:16 | 夫庵多爺
ある冬の夕方、と言ってももう空からの光は無く、少し離れた場所の街灯の光だけが庭先を照らす頃、
ブリトラさんは一日の仕事を終えて、いつもと同じ様に家に着いた。
庭先の駐車場の門扉を開けるために、車を生垣の前の路肩に止め、エンジンを切った。
ドアを開けて降りると、黒い人影が少し遠くに見えた。
その影は、ブリトラさんを見ている様に見えた。少し身構えるブリトラさん。
少し胸をドキドキさせながら、門扉に手を掛ける。意識はその影の方に向いている。
足音がした気がした。冷たい風が頬を撫でた気がした。
「ブリトラさん。」影は聞き覚えのない声を発した。


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