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氷月神示 他の暗号解読編 590 (赤穂事件編)

国之常立神より皆様へ

(江戸城異変の続き)

…それから柳沢吉保は、別室に寝かされて手当てを受けた吉良上野介を訪ねて見舞った
幸い、吉良は深手ではなかった
彼は、上様のご様子と、儀式が無事に行われるのか、気にしていた
…吉保は、傍らに座ると、こう言った
「…のう、吉良殿。こたびは、不運でござったな
…浅野殿は短気故、見境なくて、困る」
吉良は、はっとして身を動かした
驚きの色がありありと眼に浮かんだが、黙っていた
吉保は、続けた
「追って沙汰あるが、両者のいさかい、今はさておいて、今後の儀式は無事に済ませなければならぬ
…不祥事を起こした浅野殿を解任し、戸田能登守殿と交代させたので、ご安心下さるよう、」
それから吉保は、
「ご協力いただければ、軽微な処置に留まると思う、」
と言った
体のいい、口止めだ
吉良は何か言おうとしたが、口をつぐんだ
幕閣達の、あまりの策略にあきれもしたし、また致し方ないことのようにも思えた
(浅野殿……)
彼の心中を思うと、いかばかりか…そして、どのような御沙汰が彼に下るのか…
そう思うと、ゾッとした

ここで、言い直しじゃ
先ほど、書き手のヒヅキサンにもう少し当時の事を調べてもらった所、幾つか訂正点が見つかった
まことに、申し訳ない

調べたこと
勅使饗応役→勅使は江戸城近くの伝奏屋敷という宿舎に一週間程滞在するので、饗応役の浅野内匠頭は、そこに共に寝泊まりし、勅使より遅く寝て、勅使 (朝6時頃起床) より早く起きる習わしだった
ご馳走を出したり高価な贈り物を渡したり、話し相手をしたり、勅使の行く先の内装を整えたりする役目で、非常に忙しい
また、費用も大変かかる

この3日間は、初日は勅使は綱吉に年頭の挨拶をし、彼の母の桂昌院への従1位の贈呈が決まったことを告げた
次の日は、みなで能楽 (猿楽?) 鑑賞
最後の日は、江戸城にて勅使が帰るので、綱吉が答礼をする予定

事件が起きたのは3日目の午前11時頃で、綱吉がその報告を受けたのは午後1時頃、午後2時には浅野の代わりに戸田が饗応役を交代している
吉良は身に覚えがないと答えた後、籠で自分の屋敷に帰された…

…そこで、わしが話したことの中で矛盾を訂正したい
1. 浅野は饗応で忙しいが、3日目に綱吉にもし呼ばれたら、彼が滞在している伝奏屋敷は大手町にあり、江戸城とは目と鼻の先なので、すぐに来ることはできる
しかし綱吉と対面したとしたら、短時間であったと思われる
(同じく饗応役の伊達も、同様)
従って、当日早めに呼ばれたが、やはり綱吉の愚痴や叱責は短くなくてはならない
しかし、綱吉が激怒する原因があれば、短時間でも事件が起きても不思議ではない

2. 初日に勅使から、桂昌院への従1位贈呈の喜ばしいたよりがあった
→だったら綱吉は安心して、眠れないことはないだろうと思われるがしかし、朝廷の使者への接待は1つのミスも許されないものであり、(これは綱吉の治世に限らず、各将軍とも同じらしい) 非常に神経を使う疲れるものであったらしい…
だから、小姓のお茶の運び方がほんのちょっとおかしくても、とがめられる可性はあったようだ
そして、せっかく従1位の贈呈が決まっても、実際に贈呈されたのはそれより10ヶ月後の翌年2月であり、もしその間に不祥事があれば、取り消される可能性はあった
だから、綱吉はこの儀式を無事に終えるのをピリピリして見届けようとしていた…と、考えられる
しかし、私の語りでは従1位の贈呈予定を聞かされて、喜んだ綱吉の心理が描かれていなかったので、お詫び申し上げる

…ということで、恥ずかしながら2点、訂正させていただきました…

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