大変お待たせしました
昨日の物語の続きです
『…リアはどうなのかなあ…。僕のことを、どう思ってくれているのかしら。…そう思うと、顔が赤くなるのでした。恋、なのでしょうがアレクセイには初めての事で、どぎまぎするばかりでした。
リアが眠っている離れの一室。そこは母屋から渡り廊下で行くのですが、こんな時のために夫妻が増築していたのです。[結核がうつるといけないので] ドア [注:] の前へは行けませんが、遠回りして庭からながめたりしました。
[注:前に機械に記録していた私の語りの原文では、「ドア」の文字が抜けていたため、補追しました]
できることなら、僕が替わってあげたい、そんな気までしました。
へやでうつうつとしていると、昼間から夢を見ました。一人の少女が飼い葉おけをかついで庭へ行きます。と、そこでどうと倒れて、中身をこぼしました。すると、黄金の馬が来て、わらをもしゃもしゃと食べ始めます。少女はにっこりして馬をなで、その背に乗って、行ってしまいました。
待って!行かないで! アレクセイは呼びますが、聞こえません。やがて少女は遠乗りをして、駆けて戻って来ました。アレクセイは手綱をとり、
ああ、よかった。君が遠くへ行ってしまわなくて。と、笑顔で近寄りました。そして、少女の目を見ると、茶色い目でじっと見返してくるのでした。ほお笑みをたたえて。…リア!
そこで目が覚めました。
アレクセイは、何とかして日延べをして、違う所に滞在してもいいから、ロスターティン邸に近い所にケオドフと宿をとり、自分の両親に頼んで夏休みの終わりまでいられないか、と手紙を書こうかと思いました。
そうしたら、なるべくリアのそばにいられる。会えなくても、近くにいるということで、リアを勇気づけてあげられる。そんな気がしました。
ケオドフに相談しようとしていると、転機が来ました。ケオドフと二人で散歩して、町に出ていた時のことです。アレクセイは大通りに面した公園で、ベンチを見つけ、そこに座っていよいよ話を切り出そうとしました。
「ケオドフ、あのね、話があるんだが…、」
と、その時です。通りの向かい側の花屋から出てきた人物が渡って、こちらにやって来ました。ターシャです。二人を見つけたのです。
彼女はにこにこして、
「ごきげんよう。二人でお出かけ?今、ご連絡しようと思ってたの。」
と言いました。』
…ここまでが、かつて子供の翠さんが書いた物語の『穴』の部分に、わしが近年追加した文面じゃな、そのすぐ後に、例の昔のノートの写真にあった文章の後半部分が、続きます…
『赤いバラを二本持っています。ターシャは、1本ずつ二人に渡しました。
「明日、パーティーがあるの。私のバースデーなのよ。来てね。」
「残念だけど、行けないんだ。リアが病気なんだ。」
ケオドフがしょんぼりと言いました。
「病気ぐらい、すぐ治るわよ。ネ、来てちょうだい。」
二人は黙っています。』
どうです、みごとに文章の流れが続いて、調和がとれているじゃろ?
最初のノートの、中間部分の欠けた穴の状態のままだと、
レストランにいたアレクセイ達に、突然初対面のターシャが来てバラを渡し、パーティーに招くことになり、ずいぶん不自然じゃが、
わしの今述べてきた文章を『穴』の所に追加して埋めると、アレクセイ達とターシャが初めて (森の中で) 出会ってから日が経ち、ターシャのアレクセイへの思いがつのり始め、アレクセイの方も、自分のリアへの気持ちを確かめ始めたことが、よくわかるでしょう……
ネ、だからこの作品は昔私が子供の翠さん(=イブ=ミロク) に、啓示を下ろして直感的に書かせたものだというのです… (『穴』の部分だけわざと抜いて、書かせていなかった)
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