抗インフルエンザ薬のページを更新
- 抗インフルエンザ薬は、感染者の体内でインフルエンザウイルスに直接作用し、増殖させないことで、症状を抑えるものである。COVID-19に対してもウイルスの増殖を抑える治療薬の開発は進められており、①侵入抑制、②増殖抑制、③放出阻害と大きく3つの作用機序(生体に作用する仕組み)のタイプが存在する。
- ● 侵入抑制
- ウイルスがヒトの細胞に接着し、細胞内に侵入することを抑制する。ウイルスはヒトの細胞内に侵入できなければ増殖できない
- ● 増殖抑制
- 細胞内に侵入したウイルスが自身を構成する遺伝子・タンパク質をヒト細胞内で生成させることを阻害し、ウイルスの増殖を抑制する。もともとは新型インフルエンザ治療薬であり、COVID-19への有効性が検証されている「ファビピラビル(販売名アビガン)」はこのタイプに該当する。
- ● 放出阻害
- 感染したヒト細胞内において増殖したウイルスが細胞外に放出されるのを阻害する。ウイルスが細胞の外に放出されなければ、体内のほかの細胞に感染できないため、体内での増殖を抑えることができる。抗インフルエンザ薬では、この放出阻害のタイプに該当するノイラミニダーゼ阻害薬(例:タミフル、リレンザなど)の登場によって治療が大きく変化した。