CD147 (Bsg、EMMPRIN)のページを更新
- CD147 (ベイシジン、EMMPRIN) は、2 つの Ig ドメインを持つ 58 kDa の膜糖タンパク質で、多くの癌細胞や間質細胞で高発現しています。これまでの研究で CD147 は、腫瘍の成長、浸潤、転移などを促進する MMPs (MMP-1, MMP-2, MMP-3, MT-1 MMP) の発現を調節することで、悪性腫瘍の発達に重要な役割を果たすことが明らかとなり、CD147 siRNA による悪性黒色腫の増殖、浸潤、転移の阻害や抗 CD147 抗体によるMMPs 産生及び腫瘍細胞浸潤の阻害なども示されています。また CD147 は VEGF の発現を誘導し、腫瘍の血管新生を促進するほか、全身性エリテマトーデスに関与することも示唆されています。
CD147はEMMPRINとしても知られ癌を進行・悪化させるタンパク質である。我々はこれ までに癌遺伝子治療のために腫瘍抑制因子であるREIC/Dkk-3遺伝子をコードしたアデ ノウイルスベクター(Ad-REIC)を開発した。その治療的効果は癌細胞の増殖抑制に基づ くが、その根底にある分子機序には明らかになっていない部分がある。この解明のため 我々はLNCaP前立腺癌細胞においてAd-REIC添加によるCD147の発現動態を調べた。 ウェスタンブロット法でAd-REICによりCD147の発現低下が確認された。Ad-REICはま た、LNCaPの細胞増殖をも抑制した。本研究は、前立腺癌細胞においてAd-REICによる CD147の発現低下を示した初めての研究であり、Ad-REICの治療効果の一部が、癌進 行・悪化因子CD147の発現低下に起因する可能性がある。
ベイシジンは、上皮細胞、内皮細胞、神経前駆細胞、白血球など、多くの細胞種で発現している。ヒトのベイシジン(ベイシジン-2)は269アミノ酸からなり、N末端の細胞外領域には高度な糖鎖修飾が行われたC2型Ig様ドメインが2つ形成されている。また、細胞外領域にさらにもう1つのIg様ドメインを持つ形態のもの(ベイシジン-1)も同定されている
<出典:Wikipedia>
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