抗好中球細胞質抗体 (ANCA)のページを更新
- 抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody: ANCA)は、白血球の一種である好中球の細胞質内顆粒とリソソームを対応抗原とする自己抗体の総称です。 ANCAはANCA 関連血管炎において、顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA),多発血管炎性肉芽腫症(granulomatosis with polyangiitis:GPA),好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(eosinophilic granulomatosis with polyangiitis:EGPA)を含む診断に役立つ自己抗体であり、疾患活動性を反映するマーカーとして有用です。
間接蛍光抗体法の蛍光染色パターンによりP(perinuclear)-ANCAとC(cytoplasmic)-ANCAに分類されます。なお、ANCAの対応抗原には10種類以上が同定されており、そのなかでも血管炎と関連性が強く示されているのがMPO-ANCAとPR3-ANCAです。 P-ANCAはmyeloperoxidase(MPO)、C-ANCAはproteinase3(PR3)を主な対応抗原としています。
検査法には酵素免疫測定法(enzyme immunoassay: EIA)のうち、近年は化学発光酵素免疫測定法(chemiluminescent enzyme immunoassay: CLEIA)、蛍光酵素免疫測定法(fluorescence enzyme immunoassay: FEIA)が主体になっています。
<出典:日本リウマチ学会>