夫が1ヶ月半の予定で出かけた。
ホッと一息ついてさてさてと、家を出る準備をする事にした、
白く残った畳のタンス跡も、畳替えで跡形も無く寂しく消え、
そんな何も無くなった和室にダンボールを持ち込んだ、
迷いは無くなり、1ヶ月以上ある準備期間、
ダンボールもスーパーを回り
車に積みやすいように同じ形を揃える余裕もある。
姉に預かる荷物、娘の所に預けるもの、捨てるもの、
友人達に貰ってもらう物。すべて区分けする。
もちろん、そんな事とは知らない夫は
いつものように気に入らない事があると、
電話口で怒り出す事があるが、
私にはもう何も感じない。
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夫が出かけて一週間のしないうちにの突然の電話だった、
「行くところが無いのです。そちらに行っていいですか?」
夫が出発前に、
義理の娘が二人の子供を連れて家を出たらしい、
中学の入学式が迫り、制服も置いたままで、
お婿さんは、実家だと思っていたらしいが、
入学式を控え電話をしてきた、
この何年か、離婚の相談を受けるたびに、夫に反対され、
私も相談を受けるが夫からは「受け入れるな」
子供達を父親のいない家庭にはしたくない、
そのたびに何とかなだめて来ていた。
二年前には、そんなやり取りに誤解が生じ、
私とのメールのやり取りも、疎遠になっていた。
行方がわからない状態を、夫は心配をしながら、
後ろ髪を引かれる思いで出かけていった、
家を出て二週間、入学式も過ぎていた、
相当な覚悟を感じた。
もちろん、すぐに来るように言うと、
夕方、玄関先に小さなトランク一つ持った、
疲れ果てた義娘と、”久しぶり!”と、
ホッとした!双子の女の子が元気に現れた。
二人を交代で抱きしめた。