お彼岸に

キヨミさんが

小さな箱に入って

島に戻ってきた。

少し湿った風の中

キヨミさんの家がある、1番遠くの集落へ

車を走らせた。

誰もいない家だから

供える花はシャボンフラワーにした。

いたずらっ子で、キヒヒと笑う陽気なキヨミさん。

上目遣いでおデコを寄せてきて、ゴッツン。

行きたいところには、制止を振り切って突進するパワー…

そんな彼女に

ひまわりの花を選んだ。

大好きだったアイスの「サクレ」

メロンパン…

お供えには無理かな

…そうだ

「コーヒー！コーヒー！」って言ってたな〜。

大好きなコーヒーを買っていこう。

依頼

日本舞踊の会から

発表会の司会の依頼があった。

以前…10年程前に一度

別の日舞の会から依頼あり

司会をしたことがある。

…が、

それ以後何も話がないのは

高評価ではなかったからかな…と思っていた。

特にそんな前の事とは関係なく

依頼された今回の司会。

…とりあえず…

依頼された事を喜んで

全うします。

あびの実

あそびと文化のNPO「あびの実」の理事長を

来年度引き継ぐ事になり

来年度の活動計画案と予算案の打ち合わせ。

「参加型のファミリーコンサートをやりたい！」

先日会った、高校の同級生二人のチェロ奏者が

「次は島でコンサートやりたい！」と、言ってくれた。

マリンバの先生にも

「コラボできませんか？」と、話すと

「ぜひぜひ〜！」との回答。

子ども達と親達が、この3人と楽器に触れ合える楽しいコンサートができれば素敵だな〜。

活動計画案の打ち合わせで、役員に話すと

「いいですね〜！参加型！やりましょうよ！」

早速昨日

その3人の演奏者がラインで繋がり

コンサート実現に向けての一歩を踏み出した。

…まだ、活動計画案も予算案も会議にかけていないのに…。

 

　(↑今日の島の海の動画撮ってみました)

絶望

都会の空は

赤くぼやける。

キヨミさんの死因は不明のまま。

でも

「絶望と増薬だと思う。」

ほこちゃんが言い、私も頷く。

島に帰れない絶望と

増やされた多量の向精神薬。

「何もできなくて…ごめんなさい…」

つくばでの別れの儀式に

それしか言えなかった。

「キヨミちゃんは、よく頑張ったよ」

と、元上司は言った。

「皆さんに来ていただいて、大事にされていた事がわかった」

と、親戚の方は言った。

「食事をこぼしてしまうから、ペースト状にしました」

と、施設の方は言った。

…いやいや…

行き場のない思い。

絶望で息絶えてしまうんだね。

命って

儚いね…。

ぐるぐる…

遠泳があったり

上京したり

いろんな事があって

嬉しかったり

楽しかったりしたけど…

キヨミさんが亡くなったと

さっき聞いた。

言葉もない。